映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

LAMB/ラム(2021年)

2022-10-14 | 【ら】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv77135/


以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。
 
 アイスランドの山間で暮らす羊飼いの夫婦、イングヴァルとマリアは、ある日、羊の出産に立ち会った際に羊ではない“なにか”が生まれてくるのを目撃する。子どもを亡くした経験を持つ2人は、その“なにか”にアダという名前を付けて育てることに。

 アダとの生活は幸せそのものであったが、やがてアダは彼らを破滅へと導いていく。

=====ここまで。

 
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 1日の「映画の日」に見ました。その日は夕方に用があって、“そのためだけに出掛けるのもなぁ、、、1日だから映画でも見るか、、、、うーん、あんましそそられるのないなー、いっそのこと「ベルばら展」見に行くか、、、え、2,200円もすんの??どーすっかなぁ、、、やっぱ映画にするか。”という脳内作用の結果、本作を見ることに。

 何でこの映画か、、、というと、Twitterで公開前から結構ガンガンに宣伝が流れてきていて、それが勿体つけた感じので、なんか食傷気味だったんですよね。食傷気味なら見に行くか?と思われるでしょうが、私自身もそう思ったんですが、ましてやA24制作というとあの『ヘレディタリー~』とか『ミッドサマー』とかでしょ? ……想像つくやん、やめとけやめとけ! と、私の脳みそからも指令が出ていたんだけど、夕方の用のためだけに出掛けるのも(貧乏性ゆえ)もったいない気がしてしまったのですヨ。

 裏を返せば、それくらい、他に見たいものがなかったんですが。最近は映画の日でも1,200円も取られるのだけど、映画館はコロナもあって経営が厳しいだろうから、ささやかでもお手伝いしようと思った次第です。

 前置きが長くなりましたが、ようやく感想です。やめとけ! という私の脳みそ指令は正しかった。


~~以下、ネタバレバレです。本作は、予備知識ナシで見た方が良いと思います。~~


 結論から言うと、キライです、こういうの。

 じゃあ、面白くなかったか、、、というと、面白かったです。セリフは極端に少なく、アイスランドの灰色がかった美しい自然がふんだんに映像に盛り込まれ、全体に不穏さが漂う、、、私の好きな要素が揃っているのです。

 こういうスリラー映画ってのは、不条理な要素があってこそ面白いわけで、本作の不条理なんかは、もう究極の不条理なんですよ。本作のキャッチコピーは「禁断(タブー)が産まれる」。タブーって? はい、羊頭人間(名前はアダ)が産まれて来たのです。本作のポスターで主人公の女性が子羊を抱えていますが、隠れている身体は人間の赤ん坊のそれです。お尻が可愛かった。

 でも、申し訳ないけど、本作は“それだけ”だった、、、、ごーん。

 それだけ、ってどういうことかと言いますと、その要素がなければ、映画として何も残らない、ってことです。ワン・アイデア一点突破映画ですね。

 ネットでは聖書絡みでイロイロ解釈を考えている人もいたけど、残念ながら、それらはハズレだと思います。いや、アタリかも知れませんが、少なくとも、そういう深淵さをこの映画(脚本)からは全く感じられなかった、ということ。

 ツッコミ所というか、齟齬が多いのもそうだけど、色々あざといんだよね。

 例えば、羊頭人間が産まれて来た瞬間のシーン。まず、何が産まれて来たのか全く映さない。それはいいんだが、羊の出産を手伝っていたイングヴァルとマリアは、産まれて来た(はずの)羊を見て、一瞬動きが止まって、その後、ごく普通の羊が産まれたのと同じような感じで作業を続ける。明らかに、羊ではないヘンなものが産まれたと観客に分からせておいて、スクリーンの中のイングヴァルとマリアは平然としている、っていう対比を際立たせることで、異様さを演出する、、、とかさ。

 そりゃ、映画はエンタメだから、そういう“面白がらせ”は作る方にもあっていいけど、一歩間違えると、上記のような“クサい演出”になるよね。

 大体、あんなこの世ならぬものが産まれてきたら、ギョッとなるのが人の脳の働きってもんでしょ。それを平然と受けとめる夫婦という設定にすることで、映画としてのアブノーマルさをアピールしたかったのかもだけど、いささか安易と感じざるを得ない。あそこで、夫婦でギョッとしたって、別にスリラーにはなり得るのであって、問題は、あの夫婦がどうしてあの羊頭人間を受け入れて、我が子同様に愛情を注ぐことになったか、なのであって、そこを深掘りしてこそのスリラーじゃないのか?……ってこと。

 そりゃ、マッドサイエンティストみたいな設定ならアリですよ、あれも。でも、あの夫婦は、別にそんな風な描写ではなかった。強いて好意的に解釈すれば、あんな人里離れた所で、牧羊しているとはいえ、それでどうやって生計立てているのか(羊にまつわる経済的な描写は一切ない)もイマイチ不明な夫婦、、、それ自体がマッドなんだよ、ってことかも知らんが、、、そんなん、いくらなんでも無理があり過ぎでしょ。

 正直言って、私は本作を見ながら、結構笑ってしまっていた。笑ってはいけないのかも知れなかったけど、笑うしかないやろ、これ、、、みたいな画が多過ぎた。アダの身体が露わになったシーンとか、わざとサラッと描いているのだろうが、いきなり赤ちゃんのお尻どアップってのもねぇ。

 トドメは終盤。アダの父親が登場する。それが、、、もう、出て来た瞬間、ぷっっ!!!って小さく吹いちゃいまして。マスクしてたんで周囲に気付かれなくて良かった。もうね、、、ギャグかよ、と思いました。何アレ、、、。

 いやでも、本作は面白いですよ。真面目に言っています。決して茶化しているのではありません。ただ、これをスリラー映画とか言って、あんな勿体つけてカルト系・アート系みたいに宣伝しているのが何かね、、、詐欺的な感じがするのです。

 アダが可愛い、と書いている人も結構いたのだけど、どこが、、、?? そもそも羊って、可愛いですかね? 私は全然可愛いと思えないのだけれど。あの顔、よく見たら、可愛くないどころか、むしろ不気味。子羊は小ささで可愛いと錯覚するけど、顔は、、、可愛くないです。いえ、私の目には、そう映るってことですが。

 

 

 

 

 

 

 

 


A24とは相性が悪い。

 

 

 

 

 

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