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映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

後宮の秘密(2012年)

2016-07-04 | 【こ】



 以下、TSUTAYAの作品紹介からのコピペです。=====

 王の異母弟ソンウォン大君は狩りの途中で出会った美しい娘ファヨンを気に入り足繁く通うようになるが、それをよく思わない大妃の計略によりファヨンはソンウォン大君の兄である王の側室にさせられてしまう。

 だが5年後に王が崩御しソンウォン大君が王位を継承し状況は一変。大妃の命により先王の勢力の粛正が進められ、その矛先はファヨンの命にまで及ぼうとしていた。

 =====コピペ終わり。

 さすが韓国時代劇、、、。愛欲まみれでゲップが出そうになりました。日本の大奥モノなんてカワイイもんだわ。
 
 

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  TVドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」(古っ!)に始まり、その後、「イ・サン」「トンイ」と、NHKでオンエアされた韓国時代劇ドラマは結構ハマったので、韓国映画の時代物もちょっと見てみようかと思い、何となく目に留まった本作から。

 上記の、TSUTAYAの紹介文しか予備知識としてはない状態で見たのですが、飽きずに最後まで見ることが出来ました。まあ、本作は、「イ・サン」「トンイ」とは違って、完全なフィクションの様ですね、、、。


◆親の前でセックスをさせられる王様

 TVドラマを見ていても思ったんですけど、もう、マジで韓国時代劇における欲望の渦の巻き方の凄まじさといったらありません。、、、いや、恐らくは、日本の平安朝も同じくらい欲望の渦は激しく巻いていたと思うのですが、日本の平安時代の映像作品であそこまで描いちゃっているものってあるのでしょうか? 数年前の大河ドラマ「平清盛」(途中で挫折しちゃいましたけど)の舞台は平安末期で、大河ドラマとしては異色の、なかなか愛憎入り乱れた作りになっていたように思いますが、それでもやっぱり、韓国モノに比べると、まだまだ、、、大人と子どもの差がある気がします。ドラマの質がというんじゃなくて、陰謀の凄まじさという意味でね。

 本作は、映画ですから、さらに描写がエグいです。

 セックスシーンは、どれもこれも、ゼンゼン官能的ではありません。序盤の、ファヨン(チョ・ヨジョン)とクォニュ(キム・ミンジュン)のあばら家でのシーンは、まあ軽めだし、それなりの雰囲気でしたが、あとはもう、衆目の中で強制的にさせられたり、自分の欲望(性欲じゃなくて権力欲や独占欲)を相手に暴力的にぶつけたり、という、いわば苦痛を伴うセックスです。

 マリー・アントワネットは、宮廷の大勢の関係者たちの前で出産したらしいですが、それも仰天ですけど、、、。やんごとなき方々にとってセックスや出産はお世継ぎを残す重要な行為であり、だから皆の前でお仕事としてやらねばならなかった、、、ということなんですかね。恐らく、洋の東西を問わず、こういうことは支配階級の人たちの間ではあったのでしょう。

 本作でも、ソンウォン(キム・ドンウク)が王になり、母親の大妃(パク・チヨン)の命に従って結婚した王妃と初夜を迎えるに当たり、やはり王宮殿で大妃や家来たちの見守る中でさせられます。家臣に隣で、「お妃様、玉茎を受け入れなさってください」(だったかな?)なんて指図されちゃ、たまんないよなぁ。実の母親もいるんです、、、トホホ(……王様ともなると、その名も「玉茎」なわけですね、、、、)。でもって、王様、ゼンゼン気持ちよさそうじゃなかったですね。もう種馬みたいで、見てられませんでした。

 終盤の、ソンウォンとファヨンのシーンは、長年の想いがようやく遂げられて嬉しいはずのソンウォンですが、なんというか、ゼンゼンそんな感じじゃない。、、、ま、これには伏線がありまして、ファヨンがソンウォンに「本当の王になってから私を求めてください」みたいなことを言ったので、それまで大妃の言いなりだったソンウォンが大妃を放逐し、やっと真の王になった暁のシーンなわけで、、、。だから、ようやくファヨンを抱ける悦びよりも、大妃の支配を自力で振り払って真の権力者の座についたことを顕示したい、力を見せつけたい、そういうセックスなのですよね。

 一方のファヨンも、ゼンゼン悦んでいる感じじゃない。ソンウォンの乱暴な行為に驚きおののいているのかと、最初は思って見ているのですが、次第に、、、ん? これはもしや、、、? と思っていたら、案の定、、、ぎゃーーーっ!!な展開に。そうか、そういう思惑があってのセックスだったのか、、、とね。想像はついたけれども、そのシーンは、痛い上に、血がドバドバ、、、。

 女官がその寝所を見た時の、ファヨンとソンウォンの姿は、まるでミケランジェロのピエタのよう、、、。

 
◆本筋は、息子と母親の壮絶な確執物語。

 まあ、本作は、エロもグロもそこそこありますが、見どころはそこではないような。

 これは、母と子の確執物語。古今東西、普遍的なテーマです。つまり、ソンゥオンが大妃の支配から、自らの意思と力で脱する、息子の自立物語です。

 この大妃がねぇ、、、凄いんですよ。大妃ってのは、「イ・サン」でも極悪人に描かれていましたけれども、日本的に言えば、皇太后に当たる人で、王の母親なわけですね。亡き先王の妃ですから、基本的に王は大妃に頭が上がらない。大妃の院政が敷かれて、王はまさに名ばかり。

 ソンウォンの苦悩が、結構丁寧に描かれています。ソンウォン自身、決して無能な王ではなく、大妃の腹の内などとっくにお見通しだけれども、そこはそれ、儒教の下で、親に逆らえない。ソンウォンが結局、大妃を放逐できたのは、ファヨンへの想いがあったからでしょう。自らの権力欲との相互作用で、大妃に逆らうパワーを持つことが出来たのだと思います。もし、どちらが欠けても、大妃を追いやることなどできなかったでしょう。

 親を精神的に葬る時というのは、それはそれは、もの凄いエネルギーを要します。これって、いつの時代でも同じなんじゃないですかね。王と一般庶民じゃコトの重みが違うかも知れないけれども、そのエネルギー量は同じだと思います。それくらい、親というのは有形無形に子に凄まじい影響力を及ぼす者なのです。

 本作での大妃は、それを知っていて、自覚的に振る舞って息子である王を追い詰める、、、今時の流行りで言うと完璧な「毒親」です。実際、息子に毒を盛ろうとしますしね。

 ソンウォンも、折角、大妃の毒牙から逃れたと思ったのに、もっと恐ろしい毒牙がその先に待ち構えているとは、想像だにしていなかったでしょう。、、、残念でした。

 でも、ファヨンとその子(おそらく次に王になる)もまた、、、と思わせる終盤でしたね。

 
◆韓国人の名前が覚えられない、、、
 
 チョ・ヨジョンさん、確かにキレイだけど、なんかところどころ、顔が松嶋菜々子に見えるシーンがありました。キム・ミンジュンはちょっとワイルド系で隆大介(なんか問題起こしてましたよね?)っぽかったかな。ちょっと苦手な系統です、、、。キム・ドンウクは、あまりインパクトがない顔というか、、、。

 つーか、そもそも韓国人の俳優さんの名前、ゼンゼン覚えられないんです、私。あー、どうしてこう分からないんだろうか。名前から、男か女かも分からない、、、。

 一番インパクトがあったのは、やはりパク・チヨンさんでしょうか。悪女っぷりが素晴らしかった。同じ悪女でも、チョ・ヨジョンさんよりはよほど雰囲気があって素晴らしいと思いました。

 これからも、時々、韓国の時代劇、見て行きたいと思います~






砒素って、やはりポピュラーな毒なのですね。




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エログロ伏魔殿! (松たけ子)
2016-07-12 01:53:15
すねこすりさん、こんばんは!
おおっ!この映画!やんごとなき方々も大変だな~と、こういう映画を観た時だけ庶民に生まれてよかった、なんて思ってしまいます♪
みんなの前で指図受けながらの王さまの房事、が笑えました~。玉茎とか虎歩とか、雅なセックス用語が素敵でした♪
古今東西、権力を握った毒母って怖いですよね~。「地獄に堕ちた勇者ども」とか「王妃マルゴ」とかの毒母も強烈でしたよね。
韓国映画、俳優の素晴らしいところは、日本の俳優というよりCMタレントな人たちと違って、人気スターでも仰天な全裸や濡れ場に挑むところ。この映画のキム・ドンウクくんも、人気ドラマでアイドルみたいに可愛かったのに、これですもん。
私も韓国時代劇、好きです!次はイ・ビョンホンの「メモリーズ」とか、ソン・ガンホの「王の運命」が観たいな~。TVだと最近なら「奇皇后」と「秘密の扉」にハマっちゃいました♪
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ポワゾン~♪ (松たけ子さま(すねこすり))
2016-07-12 22:50:58
たけ子さん、こんばんは。
ホント、まさしく“ザ・伏魔殿”ですね。TVドラマより描写が遠慮ないからさらにオソロシイ世界です。
そーなんですか、アイドルみたいな子なんですか、あの王様役の俳優さん。
日本でジャニーズの子たちがあんなことするなんて考えられませんもんねぇ。
濡場をやれば良いってもんじゃないけど、大人の世界にセックスはつきものですから、避けて通っているのはやっぱり本物じゃないな、という感じはありますよねぇ、、、残念ながら。
「奇皇后」私も、ちょいちょい見ましたが、飛び飛びでよく分かんなかったんです。毒盛られて死にそうな王様(?)の役者さんがキレイだなー、と思ったり。最終回の皆殺しシーンは凄かった、、、。ちゃんと全部見なきゃですね。
あ、TBも、ありがとうございました!!
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