作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv67890/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
シングルマザーのポリーン(ミレーヌ・ファルメール)は人里離れた叔母の家を相続し、双子の娘とともに移り住む。姉のヴェラ(テイラー・ヒックソン)は奔放で現代的な少女だが、妹のベス(エミリア・ジョーンズ)はラヴクラフトを崇拝する内向的な少女だった。
新居に到着した夜、2人の暴漢が家に押し入ってくる。しかし、娘たちを守ろうとするポリーンは、姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにする。
それから16年後、ベス(クリスタル・リード)は家を離れ、小説家として成功していた。一方ヴェラ(アナスタシア・フィリップス)は精神を病み、今もあの家で母と暮らしていた。ベスが久しぶりに実家を訪れると、母は迎え入れるが、地下室に閉じこもっていたヴェラは衝撃的な言葉を呟く……。
=====ここまで。
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本作は、公開時に気にはなっていたものの、結構ヤバいという話を耳にして、どうしようか、、、と思っている間に終映してしまったのでした。(お化けとか)怖いだけなら平気なんだけど、スプラッターは苦手で、ドンパチならまだしも、刃物系はちょっとなぁ、、、という人間としては、本作は、その中身がよく分からないので、どうしたもんだか、と思っていたのだけど、怖いもの見たさで見てしまいました。
カテゴリーとしては、ホラーなんですかね? 見終わってみれば、心理サスペンス、、、かな、と感じました。
~~以下ネタバレしていますので、よろしくお願いします。~~
◆見ている方も追い詰められる。
初っ端から、あんなヘンテコな家に、わざわざ夜着くように行くなんて、おかしいだろ、、、とツッコミ。普通、明るいうちに行くでしょ、あんな辺鄙なところ。
正直言って、冒頭から15分くらいで、「これ以上見るの止めようかな、、、」と思った。それくらい、精神的に来る展開だったので。こんなんが100分続くのはちょっと耐えられそうにないかも……、と思った矢先に、急に16年後に場面が飛ぶ。
そこには、もう、おぞましい光景はなくて、ベスがホラー作家として成功し、優しい夫と可愛い息子に恵まれて幸せに暮らしている、というホッと出来るシーンが展開される。ここで、あぁ良かった、、、と思って見続けてしまう。
しかし、その5分後くらいから不穏な空気になり、ベスが実家に戻ってしばらくしてから、再びおぞましいシーンが繰り広げられるのであった。
この作りが巧いというか、憎いというか、、、見る者の心理を実に的確に把握した展開。私と同じように、もう止めとこうか、、、と思った瞬間にシーンが切り替わって油断した、、、って人、結構多いと思うなぁ。
再度、おぞましいシーンになって、あの16年後の幸せなシーンはベスの妄想だったと分かる。現実の恐怖から逃避するため、妄想の世界に逃げ込んでいた、ということらしい。だから、冒頭、あれだけクドクドとベスがラヴクラフトを尊敬していて作家を夢見る少女であるということを描いていたわけだ。……納得。
で、現実のおぞましい現場をよく見てみると、妄想での夫や息子に似た絵が置かれているなど、小道具にも凝っている。実際には、16年など経過しておらず、あの冒頭のシーンがそのまま続いている、、、という解釈で良いんだろう。妄想シーンで実家に帰った際に、母親のポリーンが、地下室で暴れるヴェラをなだめながら「妹が欲しいのね……」という意味も、それがベスの妄想だと分かれば、分かる。よく考えてるなぁ~、などと感心する余裕が、この辺ではまだある。
中盤から終盤にかけては、そんなことを考える余裕もなくなり、見ている方も、ベスと同じ心理状態になって、ハッキリ言って非常に心臓に悪い。そんなにグロいシーンが続くわけではないし、というか、私的にダメな残虐シーンは中盤以降はほとんどないんだが、心理的には追い詰められる。
しかも、本作は、終盤で見る者をホッとさせておいて、再度絶望させるという、、、ここまで来てそれやる??みたいな展開。
で、こういうジャンルにしては珍しいというか、ハッピーエンド、しかも、ただ無事に生還しました、、、だけではなく、2人の姉妹の明るい未来を感じさせるエンディングになっているところが良い。なんか、精神的にヤラレながら見てきて、ああ、良かったぁ~~、と思える終わり方で救われる。
◆終わってみれば、、、
見ている間は、ぐぇぇ、、、、って感じだったのに、見終わって冷静になってみると、これはなかなかの秀作なんではないか、という結論に至った。
小手先ではない良く練られたストーリーは言うに及ばず、演出も良いし、カメラワークも実に上手い。
なんといっても、世界観が私的にはツボだった。あの、アンティークじゃらじゃらのいかにもな家のインテリアといい、暴漢2人のキャラ造形といい、少女2人の特殊メークといい、どれもこれも、センスが良い。気持ち悪さを醸し出しながら、嫌悪感は催さないギリギリのラインをついてくる感じ。
で、しばらくすると、もう一度、あれこれと確認したい気になって、最初から見てしまった、、、ハハハ。そういう意味では、二度見では怖さはかなり減ってしまうが、謎解きという面では楽しめるので、本作はホラーというよりは、心理サスペンスじゃないか、と思った次第。あるいは、スリラーの方がジャンルとしては合っているかも。実際、お化けとかは出て来ないしね。まぁ、お化けなんかより、頭のネジが外れた人間の方がよっぽど怖い、ってことだけど。
本作を見ながら、気持ちは追い詰められながらも、頭の隅っこで考えていたのは、「これは、児童虐待映画だ、、、」ということ。こんな理不尽な設定、、、と思うが、現実世界で起きている児童虐待は、子どもの目から見ればまさにこういうことだろう。
んで、児童虐待のみならず、時々世間を驚愕させる謎の監禁事件、しかも家族単位でアカの他人に支配されるなんていう事件が実際に起きている。あれらも、本作と同じじゃないか、、、。実際に起きていることを考えると、本作のおぞましいシーンなど、実に可愛いフィクション描写だとさえ思えてくる。
……というようなことが、頭をよぎっていた。だから、ラストで本当の意味で救われて、将来に希望を持てそうなエンディングだったことで、本当に、心の底からホッとしたのだった、、、。
◆その他もろもろ
パスカル・ロジェって、同姓同名のピアニストがいるんだが、最初、だから「え?ロジェ、映画監督までやるようになったの??」と思ったけど、ゼンゼン別人だった。ピアニストの方のロジェは、もう69歳になっていたと知って、それも驚いたが。もうそんな歳か、、、。
この監督は、とにかく、こういう系の映画ばっかり撮っているらしい。特に『マーターズ』(2007)は彼の出世作らしいが、ネット評を見ると、恐らく私は見ない方が良い映画なのだろうね。『屋敷女』と同じぐらい気持ちワルイらしいので、やめておきます。
大人になったベスを演じたクリスタル・リードは、ときどきキーラ・ナイトレイに似ているなぁ、、、と感じたけど、キーラより知的で品がある。まぁ、ホントにおぞましいシーンでは彼女の出番は少なかったので、演じるという意味では物足りなかったかも知れないけど。
序盤で暴漢に果敢に一人立ち向かった母親ポリーンを演じたミレーヌ・ファルメールは、美人というのとは違うけど、とても美しい。本業は歌手らしいが、なかなか闘う母親の演技は素晴らしかった。グサグサ刺されながら、暴漢と取っ組み合うなんて、すげぇー、と思って見入ってしまった。
暴漢は二人組で、一人は巨漢というか肥満男、もう一人はズラの男。ズラの男は、終盤でズラが外れると、スキンヘッドが現れる、、、。この二人の関係はよく分からんが、兄弟か親子か、って感じみたいだった。ズラの男が肥満男の面倒を見ている風。
でも、何と言ってもこの気味の悪い暴漢二人組と闘った少女二人が、偉い! 二人とも、暴漢に暴力を振るわれて、スゴい顔になっている。特殊メイクなのは分かっていても、どんどん酷くなっていく顔を見ていると、痛ましいしおぞましい。彼女たちの実年齢は10代後半、といったところだろうけど、こんな映画の撮影を経験して、トラウマにならないのか、若干心配ではある。ネット情報では、どちらかが実際に怪我をして訴訟沙汰になったとか、、、。本当かどうか分からないけど、もしそうだとしたら、やっぱり心配だなぁ。
まあ、あんまり「是非ご覧ください!」とは言いにくいけど、なかなか面白いよく出来た映画だと思います。
やめておこうと思ってはいるけど、でも『マーターズ』、ちょっと気になるなぁ。
すねこすりさん、二度もご覧になったんですか❗️❓
私はもう、観終わったあと、グッタリして無理でした。
でも、二度観てしまう心理はすごく理解出来ます。^ - ^
児童虐待、ほんとうにそう言う世界でしたね。
ああ言う状況になった時、やはり強い男が側にいて欲しいと私なんかはシングルマザーだったんで切実に思いました。
しかし、あんな異常者相手じゃ普通の男では役に立たないでしょうね、、、
マーターズ、気になりますよね(о´∀`о)
私、すねこすりさんが観たら観る!!笑笑
他にもこれ系の面白そうなのご存知なら是非教えてくだされ‼️
寒さとコロナにお気をつけ下さい!
見終わった直後は、私もグッタリしたんですが、コーヒー一杯飲んだら落ち着いたのか、アレは何だったんだとか、イロイロ気になってしまい…。
結果的に2度見したのでした(^^)
あんな二人組が乱入して来たら、朝青龍でもヤられるかもですね(´∀`)
えぇ〜、そんなこと言われたら、見なきゃいけない気になって来た、マーターズ!
ど、どーしよう…
ハネケの「ファニーゲーム」はご覧になりましたか? ちょっと違うけど、見終わった感覚は、ゴーストランドよりも悪いです。
オススメしません(ー ー;)
怖いから。勇気ない。笑
すねこすりさんはご覧になったんですね。
来年公開の「ブレスレス」は観るつもりです。
SMらしいです。ふふふ。
しかし、寒くなりましたね。
コロナはもちろん、普通の風邪にも気をつけて下さい。^ - ^
てか、フキンさんですよね:-)
ファニーゲーム、未見でいらっしゃいましたか。怖くはないけど、不快です、とっても。
あと、イライラとかストレス溜まりますね。
「ブレスレス」知りませんでした! ちょっと変わってる感じ、、、?
それにしても、コロナ、ヤバいですね。
フキンさんもいろいろお気を付けくださいね!(^^)!