作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv70932/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
新米弁護士のカスパー・ライネン(エリアス・ムバレク)は、ある殺人事件の国選弁護人に任命される。
30年以上もの間、ドイツで模範的な市民として働いてきた67歳のイタリア人コリーニ(フランコ・ネロ)が、経済界の大物実業家をベルリンのホテルで殺害したのだ。ライネンにとっては、これが被告側弁護士として初めて手掛ける大きな事件。
ところが、被害者は少年時代からの恩人だった。事件について一切口を閉ざすコリーニ。
だが、ライネンは事件を深く調べていくうち、自分の過去、ドイツ史上最大の司法スキャンダル、そして想像を超える衝撃の真実に向き合うこととなる……。
=====ここまで。
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何度も予告編を見せられたせいか、それとも大げさなコピーに煽られたせいか、興味が湧いて見に行きました。ドイツ映画で、しかもフランコ・ネロが出ているってのもソソられたかも。
本作は、一応サスペンスもので、これからご覧になる予定の方は、この先ネタバレしていますのでよろしくお願いします。
◆裁きを免れた犯罪者の最期は、、、。
それにしても、ナチもの映画って、あとどんくらいの期間、作られるんでしょうねぇ。来世紀もまだ作っているかもね……。ネタが尽きないのか尽きてんのか、それすら分からん。
本作も、蓋を開けてみればやっぱりナチものだった。まあ、それは承知で見に行ったから良いのだが、本作のキモは、その先にあったのであります。
どなたかがネットの感想で、“中盤で犯人(コリーニ)の殺人の動機が分かっちゃってオチが早すぎ。だから後半はダレて間延びしている”みたいなことを書いておられましたが、おいおい、、、オチはそこじゃねーだろ、とビックリ。本作のオチは、コリーニの動機じゃなくて、、、当然ながら、終盤にカスパーによって法廷で暴露されるんだが、、、。
コリーニの動機は、殺した相手ハンス・マイヤーに、かつて実父を目の前で虐殺された、という非常に分かりやすいもの。殺し方も、実父が殺されたのと同様、拳銃を3発頭に撃ち込んだ後、さらに脚でマイヤーの頭部を何度も蹴りつけるという残忍な手法で。しかし、マイヤーとコリーニの違いは、マイヤーは戦争犯罪人として裁かれることなく何食わぬ顔をして暮らしてきたのに対し、コリーニはマイヤー殺害直後に殺人犯として捕えられて(逃げなかったからだが)法廷に座らされているということ。
はて、どうしてSSの将校だった若きマイヤーは、コリーニの実父を始めとしたイタリアのとある村の住人多数を虐殺したという戦争犯罪を裁かれずに済んだのか? この“裁かれなかったこと”が、コリーニの私刑を生む原因となったのだが。
~~~以下、ネタバレです~~~
マイヤーは何も、逃げ隠れして裁きを逃れたわけではない。れっきとした法律によって、罪に問われることがなくなったのだ。その過程が、コリーニの動機が判明した後で描かれるんだが、まあ、ちょっと分かりにくいかも。だから、前述のように、後半はダラダラ小難しい法律の話に終始して間延びしている、って感想が出てくるのかなぁ。しかし、本作は後半が緊迫度が増して展開も早くなる。
1968年にできた通称“ドレーアー法”によって、ナチスの多くの戦争犯罪は、同じ殺人でも、動機に悪質性がない“故殺”とされることになった。つまり、より悪質な“謀殺”は、ヒトラーを始めとしたナチスの首脳部のみであり、組織の大部分の人間は首脳部の指示に従った“だけ”の「幇助犯」だから故殺に当たるという解釈によるもの。
この法改正の抜け穴に、当時の国会議員もほとんど気付かなかったというのだから、実に巧妙な手法だったといえるらしい。本作のパンフの解説にも「裏口恩赦」だと書いてある。
この説明が若干分かりにくいとはいえ、これらが解明される終盤の緊迫度は高く、これのどこがダレて見えたのか、不思議なくらい。正直なところ、序盤は退屈でハズレかなぁ、、、と思ったくらいだったが、コリーニが「どうして彼らは裁かれなかったんだ!」と泣き崩れるところから、俄然面白くなる。コリーニは、私刑に及ぶ前に、かつて、ちゃんと法的な手続を踏んでマイヤーを告訴したのにもかかわらず、却下されていたのである。そりゃ、だったらこの手で、、、、と思うのも分からなくはないというもの。
◆サスペンスにあるまじき結末。
カスパーは、この「裏口恩赦」を法廷で明らかにし、コリーニの刑を少しでも軽くしようと奮闘するんだけれども、さて、裁判官はどう判断したかというと、、、。
これは敢えてここには書かないけれど、ハッキリ言ってヒジョーに興醒めな結末だった。……というより、ズルいなぁ、と。原作もそうなんだろうけど、こんな結末、サスペンスとしてはかなり禁じ手だろう。私が担当編集者だったら、この結末は絶対ダメだと著者に言うねぇ。逃げるんじゃねぇよ、と。だったら、最初からこんなテーマで書くなとね。
ちなみに、本作は、フィクションです。実話と思われている節もある様だが、通称“ドレーアー法”が施行され、その背景などは史実だけれども、物語自体は完全なフィクションなのであって、著者であるシーラッハはその手できちんと結着を付けるのが、私は物書きの使命だと思う。
何でも、この原作本がドイツでベストセラーになったことでドレーアー法が注目され、原作本の邦訳版には「本書が出版されて数か月後の2012年1月、ドイツ連邦共和国法務大臣は法務省内に『ナチの過去再検討委員会』を設置した」との説明がされているとのこと。でも、その検討委員会がその後どんな「検討」をしたのかは、ネットで調べてみたけれども分からない。
そもそも、戦後すぐの西ドイツでは、司法省の高級官僚の8割はナチ党員やSSのOBだったそうだし、このドレーアー法のおかげでその大部分はそのまま大手を振って生活していたということだ。本作の原作本は、戦後初めて、そこにメスを入れた画期的な著書なのに、作者として判断を避けるというのは、いかにも残念。祖父がナチの高官だった、というのは関係ないだろうけど、さしものベストセラー作家も腰が引けたのだろうか。
◆その他もろもろ
ドイツといえば、日本と違って、きちんと自国の黒歴史と向き合っているとアジア圏では言われているけれど、こんな「裏口恩赦」があったというのだから、それもちょっと割り引いて見ておいた方が良いように思う。でも、祖父がナチ党幹部だった作家がこういう原作小説を書いた、ってことに意味があるよなぁ、とは思う。ネオナチ等は、どう原作本を読み、この映画を見たんだろうか。
原作者は、弁護士でもあり、名前からも分かる様に、貴族の血筋を引いているとのこと。ナチスに貴族の血を引く幹部は珍しかったらしい。……まぁ、そーだよね。
トルコ系の設定になっているカスパーを演じたのは、エリアス・ムバレク。……あんまし好みではないのでピンとこなかった。すんません。
カスパーと一緒にマイヤーに育てられた、マイヤーの実の孫娘ヨハナなんだが、なんとカスパーと男女の関係なんだよね。で、コリーニの裁判中も、この2人は寝てるんだけど、これってどーなの??と思ってしまった。せめて裁判中は自重しろよ、、、と思ったんだが、ドイツではそういう弁護士倫理ってのは希薄なのか?
しかも、このヨハナを演じたアレクサンドラ・マリア・ララという女優さん、美人といえば美人なんだけど、あんまし魅力的には思えず。カスパーがコリーニのためにマイヤーの過去を法廷で明らかにしようとすると、このヨハナは豹変して、彼に「お祖父さん(マイヤー)がいなかったら弁護士になれなかったくせに! 今頃、アンタなんかケバブの店員だろ!!」等と罵声を浴びせる辺り、すげぇ性悪、、、という感じだが、なおさら、カスパーが彼女と何度も寝るのが、イマイチ解せない。
コリーニを演じていたのは、あのフランコ・ネロ。爺になってもカッコイイ。
マイヤーの若い頃を演じたヤニス・ニーヴーナーくんがなかなか美男子だった。作中ではSSの将校らしく金髪碧眼だったが、ネットで検索すると、金髪じゃないみたい。ついこないだ見た『ディリリとパリの時間旅行』のオレルを実写したらこんな感じじゃないかしらん、、、と思ってしまった。オレルはボー・ギャルソンだけど。
あと、本作のラストシーンが、ちょっとね、、、。感傷的すぎるというか、情緒的すぎるというか、なんだかなぁ、、、という感じだった。裁判の幕切れといい、ラストシーンといい、なんか締まりが悪い作品。なので、は少なめです。
原作者の他の小説も読んでみたい。
これ!この映画!ずっと観たいと思ってたんです!ご覧になったのですね!裏山Cです!こっちではいつ公開になることやら(;´д`)
内容よりも、愛しのドイツイケメン、ヤニス・ニーヴナーくん目当てです(^^♪彼、カッコカワいいですよね~。この映画でもイケてるみたいですね!ドイツ俳優の宿命、ナチス軍人役を彼も演じてるのですね。早く彼の軍服姿が見たい!シリアスな映画なのに、観たい動機がミーハーすぎる私、不埒でしょうか(^^♪
ドイツ版おっさんずラブ「Jonathan」のヤニスもめっちゃカッコカワイイですよ~。すっぽんぽんになって森の中を走り回ってたりしてますよ!めっちゃいいカラダしてるんですよ!私は今、ヤニスが若き王さまを演じた時代劇「Maximillian」のDVDを買おうか迷ってます。
フランコ・ネロ、今でもカッコいいですね!キムタクとか嵐とかより全然イケてますわ~。彼、ヴァネッサ・レッドグレイヴの旦那さんなんですね!
お!ヤニヴくん、やはり既にたけ子さんのチェック済みでしたか!さすが、お目が速い(^^)
そう、ドイツ人俳優の宿命ですね。トーマスクレッチマンも度々演じてますもんね。
ヤニヴくんは、その美男ぶりで本作の中でも異彩を放っておりました。緊迫感溢れる展開の中で更に目を剥くシーンでございました(*^▽^*)
たけ子さんが教えてくださった作品、これから見て行こうと思います♪ イケメンはどんなことしててもイケメンだし♪♪
フランコネロ、渋カッコえがった〜。そうそう、ヴァネッサ姐さんとご夫婦なの、私も数年前まで知りませんでした。すごい夫婦…。
キムタクかぁ。あの顔の皮膚質とか、美しく枯れるのが難しい感じですね。たるんじゃうというか。モックンやヒガシみたいにはいかんでしょう。本人が一番気にしていらっしゃると思いますが。