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「魯敏遜漂行記略」を読む 9


「魯敏遜漂行記略」 横山保三訳 その6

「魯敏遜漂行記略」の解読を続ける。

またある時、舟にて手銃二挺、馬銃二挺、鉛一袋、鏽(さび)たる剱(つるぎ)
二口、銃薬三桶を見出しけり。その後、麻縄と板とを得たりけ
れば、風雨を凌ぎ、獣の難をさけんがために、よき住家造
らんの支度をぞ、したりける。まず地上に、しかと打ち
込みたる(しがらみ)を、二行に立て、出入するに梯(はしご)を用い、それに
※ 柵(しがらみ) ➜ 水流をせき止めるために、川の中にくいを打ち並べて、それに木の枝や竹などを横に結びつけたもの。ここでは単に「柵」のこと。
次いで、岩中に穴を掘り、その掘り出したる土や石を、この柵
に突き添えて、窖(あなぐら)ある家の前に土壁を作り、また
ある杭(くい)に「千六百五十六年(我明暦二年)九月三十日、我れこの島
に到れり」と剞(き)りつけ置きけり。また椰子樹(やしのき)の葉を組み、
木を骨にして、日傘を造りて差しけり。
(つづく)

読書:「それぞれの山 南アルプス山岳救助隊K-9」 樋口明雄 著
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