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「竹下村誌稿」を読む 222 竹下村 82

(散歩道の胡麻)

意識して初めて、胡麻という植物を見た。胡麻の実は緑のさやの中に育っているのであろうか。

南部センターの「天澤寺殿三百年記録」の食事の献立の部分の解読、漸く解読に目途が立った。まだ完璧とまではいかないが、この土曜日にはもう資料を渡さねばならない。

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「竹下村誌稿」の解読を続ける。

今、庄屋以下、各職につき簡述すれば、

庄屋は村内の治安公益を図り、現時の町村長に比すべきものにして、上司の命令を村内に伝達し、執行し、村民の争論などは努めて和解に尽力し、訴訟を避(さ)かしむ。また、上司に対して、一村を代表して、戸籍、収納、勧農、用悪水、道路、堤防、その他一切の行政を所(処)理し、村民はこれを尊重して、その命令に違背するものなく、要するに事大小となく、悉く自治の姿にて、法度に背かざる限りは、上司も干渉することなかりし。

その任免は地頭にありて、常に村治(村の治政)の善悪を監視し、若し庄屋に不当のことあれば、これを糾明し、適宜(てきぎ)進退処分せしものなり。その給料は村高によりて一定ならず。或るは村高の内、十石、または八石位の引き高あり。或るは俗謡に、「あすは旦那の稲刈り」と云うが如く、田植え、稲刈りなど、農繁の時期に、村民相互に庄屋の手伝いをなす例もありといえども、本村は、高一石に付、米一升を給せる定めなりし。

また庄屋の交替あれば、代官所へ、左の如き書面を届け出でたりと見えたり。

       恐れながら書付をもって御届け申し上げ奉り候
私父、八左衛門儀、これまで庄屋役相勤め罷り在り候処、病身に付、御願い申し上げ、当丑正月、則、退役仕り候。後役として、同月私へ仰せ付けられ候に付、この段、書付をもって御届け申し上げ候、以上。
  寛政五年丑二月        竹下村庄屋    八左衛門 ㊞
      新村伝五右衛門様(渡辺氏記録)


組頭は庄屋を輔(たす)け、村政を行なうものなり。元五人組の筆頭なりしが、後には村民中淳良にして材幹あるものを推撰(推薦)して地頭より申し付けたるものなり。組頭は年貢米の桝取りをも兼帯し、給米は高一石に付三合五勺の定めなりし。
※ 淳良(じゅんりょう)- すなおで善良なこと。
※ 材幹(さいかん)- 物事をてきぱきと処理する才能。
※ 桝取り(ますとり)- 江戸時代、年貢米を廻米して納入する場合に、呼ばれた枡廻し業者。


百姓代は百姓の総代にして、村内の高持の内より、一人もしくは二人を選挙し、常に庄屋と村民の間に立ちて、村治の円滑を計り、また村費の割付などに立ち合いたり。給料の定めなきにより、年末に至り、鼻紙代として、村費より多少の手当をなせり。
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