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「菩提の道場」伊予に入る

(土佐と伊予の国境い、松尾峠)

お遍路9日目、11月9日(月)歩数58,059歩-距離36.2km。一日30kmのノルマ達成。昨夜、ブログを書くまでは、足休めにするつもりであった。ところが、その後のコースを地図で確認していて、もう少し足を進めておけば翌日宇和島市内に泊まることが出来る。それで計画を見直した。

今日のコースは、民宿嶋屋-12.6km-松尾峠(標高300m)-13.2km-第40番観自在寺-10.4km-かめや旅館、のコースである。

民宿嶋屋を6時半に出る。同宿だった千葉のご夫婦は、今回のお遍路はここまでで今日帰る。昨日お接待で戴いたお菓子を、分けていただいた。また同宿だった掛川のSさんとは同じ方向へ進む。一歩自分の方が先んじたが、追いつかれて打ち並んで歩いた。7km歩いていよいよ最後の修行の場、松尾峠に掛かる。幾度かのアップダウンの後、300mの登りは厳しかった。足場の悪い遍路道をあえぎあえぎに、少し遅れて峠に着いた。ここが土佐(高知県)と伊予(愛媛県)の国境いである。それを表すように愛媛県側の遍路道は遊歩道に整備されて、いよいよ修行の道場は終わったのだという感を強くした。ただ高知県に予算がなかっただけかもしれない。

降りてきた町(愛南町一本松地区である)で雨がポツリポツリと降り出した。Sさんは最短距離の国道を歩くというが、自分はお遍路道の古道をたどろうと思い、Sさんとはそこで別れた。後で聞けば古道の方が2kmほど長かったらしい。車の少ない里道を快調に歩けていたが、そのうち山道に入り登り返しで、もう一度大汗をかいたり、ただ一人の孤独なお遍路だった。ようやく小さな集落に出たところで食料品店を見つけてお茶のペットボトルを買った。その際、ようかんパンというアンパンのようなパンをお接待で戴いた。

僧部川の土手を延々と歩き、途中で昼食を摂ろうと寄った遍路小屋で、お茶とお接待のよーかんパンとお菓子でさびしい昼食にした。その間に雨が降り出した。初日以来の合羽使用であった。雨は40番札所平城山観自在寺を打つ頃には止んですっかり晴れた。


(内海に沈む夕日)

そのあと、まだ10.4kmの歩きが残っていた。身体は疲れて歩が進まなかった。途中でざるうどんを食べて、国道56号線をひたすら歩いた。最後に、内海に沈む夕日を見ながら、5時7分にようやく愛南町のかめや旅館に着いた。途中でSさんに電話で一緒に頼んでもらった宿である。古い旅館かと思ったが、新しい建物で、若い女性が案内してくれた。宿に入る前に、肺手術の男性と出会った。先を行ってもう合うことはないと思っていた男性で、先を行った分、余裕を持って歩いていたようだ。今夜は別の旅館だという。

明日から今週中は雨にたたられそうである。毎日合羽が活躍しそうである。それもまたよしである。
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