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遍路最後の山中に半日居る

(夜が明ける、国分寺町の朝)

お遍路26日目、11月26日(木)歩数53,535歩-距離30.7km。

今日のコースは、えびすや旅館-6.4km-第81番白峯寺(標高280m)-6.2km-第82番根香寺(標高365m)-11.9km-第83番一宮寺-6.2km-ビジネスホテルサンシャイン高松、のコースである。

朝、6時の朝食に、5時45分に朝食のコールがあった。早く出かけて距離を稼げという、女将さんのメッセージである。6時20分には女将さんに背中を押されるように宿を出た。さっそく背後の山に標高380mまで登り一汗かく。今まで登った山からすれば遍路道が優しく造ってある。

そして、その高さの山の中をいくつもアップダウンを繰り返しながら10km以上、半日巡って白峯寺と根香寺を打った。。最高標高は440m、最低標高は280mである。遍路道は巾はゆったりとして平坦な部分は一昨日の雨でぬかるんでいて歩きにくいことこの上ない。一本、車の道も通っていて、それを行けば楽だったことを後で知った。昨日の逆打ちの男性がその道を勧めたから行く気になったのであった。

根香寺から下山した鬼無という集落は盆栽を業としている農家が多く、外国人の団体さんが盆栽を見に来ていて、誰かが気付いたのであろう、「お遍路さん!」と言ったのかどうか、。道路に出て来てカメラやビデオを向けだした。そっけなく通り過ぎるのも国際親善に悪いと思い、少し立ち止まってOKの手が挙がるまで、カメラの被写体になってやる。

下山したらうどん屋があるという女将さんの言葉に探しながら歩いたが、見逃してしまった。一宮寺のそばにうどん屋があると案内書にあったが、一宮寺を打ったあと行ってみたが、どこかへ移転すると標示されていた。

一宮寺を打ち終えて、宿はそこから6.2kmの市街地のビジネスホテルに予約を入れた。明日の歩く距離がそれで27kmほどに減る。今日はうどんには縁がないと諦めて、コンビニでパンと牛乳を買って食べながら歩いた。普通なら格好が悪いと思うことが、お遍路の扮装をすると出来てしまう。これも一種の変身であり、かくれみのである。

文字通り山野を巡って、一日30km歩くことを続けてきた。江戸時代にはどこへ行くにも足で歩くしかなく、まさに歩くことが旅であった。西行も芭蕉も、宮本武蔵も机龍之介も皆んな諸国を巡った。旅芸人や虚無僧や無宿人、伊勢講の人々など、街道には多くの歩く旅をする人たちがいた。歩き遍路をやってみて、一日30kmを歩き続けることがどういうことか、身を持って知った。これからは時代小説でも水戸黄門のテレビでも旅をする人を見る目が変ったと思う。どう変ったのか、おいおい書き込むときもあるだろう。

きょうの頑張りで、明日27km、明後日15kmでお昼頃には八十八番大窪寺に到着できる見込みが付いた。

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