わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

LCD2690

2009年03月28日 | 日記・エッセイ・コラム

Lcd2690_01パソコンの環境をアップグレードした。といっても、本体の改修ではない。ディスプレィを交換したのだ。写真の右側にある液晶ディスプレィが、今回買い増しをしたもの。「NEC MultiSync LCD2690WUXi2」という種類のもので、26インチの液晶ディスプレィである。左に見えるのは19インチだから、結構大きく見える。

これまで使っていたものは「Nanao Flexscan2231w」で、22インチワイドのものだ。これでも普段の使う分には充分に満足できるはずであったし、事実そうして使ってきたのだが、いつの頃からか欲が出てきた。22インチの画面に、画用紙で作った24インチの大きさの紙をかぶせて、大きさを確認したり、ネットで価格の傾向やユーザーの使用感などを毎日のように見ていたりして、気持ちがぐらついて来ていたのは間違いない。

あるとき(と言っても3月だが)、安値のネットショップで品切れになった時があった。入荷の予定は不明ということだった。それでも毎日価格や入荷状況をじっと見ていた時に「在庫なしだが注文受付」の表示と「夜だけ特価」を見つけてマウスで「ぽちっ」とやってしまった。

まあ、たまたま年度末の臨時収入もあり、気をよくしていたところだから「ぽちっ」と行ってまったけど、ずいぶんと悩んだ結果だったから良しとする。

さて、この液晶ディスプレィにはスピーカーが付いていない。小さくても付いていれば、それなりに音が出るから何かの足しになるが、全く音がでないのだ。これではちょっと不便なので、高価なディスプレィを買った割にはケチなことをやった。

Lcd2690_02 これはパソコン用のスピーカーだ。ウーファーもつている優れもので、意外といい音がした。YAMAHAの製品である。実は、これは「粗大ゴミ」の日に拾ったもの。捨ててあったから拾った。チェックしたら壊れていなかったので、これを改造して使うことにした。ウーファーの上にある部品は、もともとウーファーの内部に組み込まれていたものだが、これをはずして別のケースに入れて使うことにした。そのケースも、昔使っていたRS232切り替えスイッチのケースである。今時切り替えスイッチは使わないから、中身のロータリースイッチを外して空にして再利用する。

Lcd2690_03 で、組み込んだ姿がこれだ。3個の基盤をケースに収めてACアダプターで電源を供給する形である。単に基盤を取り付けただけだから簡単だが、ケースに基盤(基盤をケースか)を合わせるのには金工細工が必要で、これに手こずったもののイメージ通りに出来上がった。

セットは、最初の写真のようにディスプレィの下に置いた。ちょうどうまく収まる空間があったのでうまい具合に収まった。あくまで簡易のスピーカーだから、音が出ればOKであるから結果OKなのだ。本気で音を楽しむならBOSEのスピーカーを買うだろう。

さて、本体の使い勝手はどうか。当然良い具合である。大きいと言うよりは、やっと気に入った大きさの画面が手に入った気がした。これまで使っていた22インチは、19インチの横幅を広げたサイズだったから、単に横に広かったが、さすがに26インチともなれば上下に広がっている。そのために十分な画面サイズになっており、視界にほどよく収まった。

25日に設置してからまだ日も浅く使いこなしていないものの、その機能や仕様は、上級機に恥じない内容であると言うことから十分であり、さらにカラーキャリブレーションを前提とする機種であることから、その知識も必要になろう。

http://www.nec-display.com/jp/display/professional/lcd2690wuxi2/index.html

もっとも、そこまで高級機を必要とする私の環境ではないので、本来であれば24インチクラスの普及タイプ(以上)でもよかったかも知れないが、あとしばらくは買う必要もないから一段上のランクにしたというところ。ま、見栄で買ったところもあるから自己満足していれば、それはそれで良いと思うが。。。。



 
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阿形か

2009年03月28日 | 日記・エッセイ・コラム

Agyou01前に作っていた「阿形(あぎょう)」に彩色を試みた。鼻瘤悪尉が終わってすぐだったが、壁に飾ってある30数面の能面で彩色が終わっていないのは3個である。そのうちの一つがこれだった。

この面の原型はもともと「金剛力士像 阿形」である。あの東大寺にある像だ。この面の図面はもともとなかった。それを、阿形の写真に基づいて私が勝手に書いた図面を参考にして彫ったものである。だから、顔つきがどうも違う。

この像を正面から撮った写真はほとんどない。すべてと言っていいぐらい下から見上げた写真しかないのだ。また、色がきれいに付いた写真もない。そのため、見上げた写真を正面から見たように書いたつもりでもずいぶんと表情が違ってしまった。それをそのまま彫ったことで、後から写真と見比べても、迫力がないのだ。

Agyou02 これは本物の写真。似てはいるが作った面とはずいぶんと違う。しかも色がないから、見ていても違和感があるのも事実だ。が、そんなことを言ってもしょうがないので、自作の方を評価してみよう。

面の造りはやむを得ないとしても、色を塗る場合、見本がないのも困ったのだ。しかし、これもしょうがないから、これまで作っていた能面を参考にして、とにかく彩色をしてみたというところ。オレンジがかった顔は、仁王様が怒ったらこんな顔色になるのでは・・・と勝手に考えて決めた。髭や眉を黒で描いたのは、「おおべしみ」を見本にした。

この金剛力士像は、元は極彩色で彩られていたのではないかと考える。それが長い年月ではげ落ちてくすんだ地肌が出たままの状態が、我々が見ている「金剛力士像 阿形」ではないかと推測した。従って創建当時の色を再現したのが上の写真であろう・・と勝手に考えている。また、眼球を真鍮坂で作ってみたが、これも勝手に色を付けたようなもの。

いずれにしても、本物の色彩が全く分からないまま、想像で色を付けたところ、ああなってしまったというところが結論である。だから「あれはちがう」という評価は無視して、単純に彩色をしたという事実だけでご勘弁して頂きたい。

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鼻瘤悪尉番外編

2009年03月22日 | 日記・エッセイ・コラム

Hanakobu15また登場した「鼻瘤悪尉」。なんと3個も完成した。右端は今回作ったもので、中央と左側は、以前に作っていたものに彩色を施したものだ。

前にも書いていたが、以前の素彫り面2個は、最初に髭を切り取り、それをまた使うために端末処理をしておいた。切り取った髭の一本一本の端末を糸で縛り直し、そこにボンドを付けて乾燥させている。それがおよそ80本あった。まあ、面倒な作業だったが、これをやらずに彩色が進まないことで、覚悟を決めて行ったものだ。

で、彩色は基本通りに、胡粉の粉末に黄土の粉末を混ぜて下地から塗り始める。一番下の下地は黄土を混ぜない真っ白でも良いが、仕上げ塗りの後に紙ヤスリで磨いたとき、下地が見えてくる場合がある。その時に真っ白であればあまり良くないかなと考えて、下地から色を付けたのだ。

3回ほど塗った後に紙ヤスリで表面を整え、眼球や歯に金色を施す。右の能面では頭髪や眉毛を描いてから古色をかけたが、今回は古色を施した後に頭髪と眉毛を書き込むことにした。これは、頭髪を書いてから古色を施したところ、せっかく書き込んだ白髪の部分が消えてしまったからで、それを解消するために古色の後に白髪などの書き込みをしたものだ。

そうしたことで、前の能面よりは今回彩色した能面は、白髪の部分が残って良い具合になった。そこに細工をしておいた髭を植え込む。

髭の寸法はそれぞれ違う。それを以前の位置に植え込むのだが、どうもちがう場所に植え込んでしまったようで、長さが合わないまま完成してしまった。しょうがないので、一応それらしく切りそろえてみたが、前の写真(参考にした写真)と比べても妙な形になった気がする。

まあ、前の形を知っている人が見れば「あれっ」と思うかも知れないが、何と言っても自分しか知らないのだから、誰も分からないのだ。自分が満足していればそれでよい。このあたりがいい加減であり、自分で鑑賞するものであれば誰にも迷惑はかけていない。

ということで、懸案だった鼻瘤悪尉の彩色が終わって、これで残るのは三光尉の能面2個だ。これが頭髪と髭で1個60本ある。2個だから120本の髭などを切り取って再利用に備えて細工をしなければならない。考えただけでもやる気が失せてしまうのだが、さて、どうしようか。



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鼻瘤悪尉最終回

2009年03月15日 | 日記・エッセイ・コラム

Hanakobu12完成である。髭を付けた事による表情の違いは、あまり出ていないかも知れないが、一応こんな顔つきになると言うことで紹介する。

髭がなくても、鋭い眼光や歯をむき出した表情は見て取れるものの、やはり髭を付けた事による年老いた顔の変化は見えると思う。写真では見えないが、この髭はまだ長く、20cmもあるかも知れない。見本のコピーでは短いから、そのようにしても良いと思う。ただ、この髭の材料がもともと30cmもあり、それを切ってまで使うのも、もったいない気がした。それで、もともと長いあごひげの一部を5cmほど切って、口ひげとして作っている。だからあごひげそのものは材料よりは短いが、まだまだ図面よりはよっぽど長いだろう。

この「髭の材料」は、実は馬のしっぽだ。それを漂白して真っ白にしたものが売られている。それを買って老人の能面の頭髪や髭に使うのだ。だから、元々長いと言うことだ。で、それを使ったこれまでの作品に「翁」「三光尉」「嘘吹」「おおべしみ」がある。もちろん今作った鼻瘤悪尉もそうだが、それぞれを2個ぐらいづつ作っているから、計10個以上完成していることになる。それを壁に飾って毎日眺めて居るという生活は異様であり、一種の変人かも知れない。

まあ、それはそれで趣味だから良いとしよう。別にこれだけに没頭しているわけでもないし、陶芸や写真もやっている。もちろん地域の活動にも10数年参加しているし、ボランティアで市の委託も受けているから、適当に余暇を過ごしているともいえよう。

というあたりで、鼻瘤悪尉の作業はこれにて一件落着。





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鼻瘤悪尉その5

2009年03月12日 | 日記・エッセイ・コラム

Hanakobu11鼻瘤悪尉も「その5」になった。今日3月12日に古色を付ける作業を行ったので、これで面の彩色作業は終わることになる。前回の仕上げを紹介してから約1週間ほど経ったので、出来上がっても不思議ではないものの、この能面を彩色したのは初めてであり、しかも色の見本が始めに見て貰った古いカラーコピーだけである。だから、実際はどんな色なのかよく分からないまま、自分の感覚で色を付けたのだ。

結局は見たとおりの色に仕上がったものの、あのカラーコピーの色とは大部違ってしまった。あのコピーは何と言っても元々古い能面を撮った写真をコピーしたものであるし、能面もいろいろ損傷しているから、きれいな色ではないし細部もよく分からない。それを自分の解釈で「こんな色だったはずだ」なんて考えて、色を作り彩色を施すものだから、元々は大きく違ってくるのはあたりまえだろう。

かつ、色を混ぜるための元の色が少ない。これらの色は、胡粉に色の元(岩彩・岩絵の具)を混ぜて作るのだが、その元になる色が手元に少ないのだ。今持っているのが「金茶(濃い黄土色)」「黄土」「肌色」などで、他には「丹」「金」などだ。これらだけで今回の能面の色を出すのはなかなか難しい。それでも、足りない部分を「水彩絵の具」でカバーして、何とか似たような色を作ってきた。が、やはりもっとたくさんの岩絵の具を買っておかなければ、不便を感じるようになってきた。

実は、たくさんの色は小瓶に入ってきちんと売っている。単品でもセットでも売っているので、それを買えばいい。が、今のところ、講習の生徒として8人ほどと一緒に作業をしており、全員が同じ道具、材料を使って能面を作る作業を続けている。色の配合もその範囲でやっているので、自分だけ(買いそろえた)豊富な色の中から選ぶのも気が引ける。

ということから、教室を辞めて先生が主宰する会に入会して、能面を自由に作れる環境になったら豊富な色を買い求め、制作するという方法もある。まあ、この方法は入会を勧められているから、今すぐにも出来るのだが、会に入れば会費が必要になる。いまのところ、教室の活動で満足しており、会に入ることは考えていない。まあケチなのかな。

さて、この後は「髭」を付ける作業が残っている。これがまた大変で、約40本の髭を新たに作らなければならない。髭の様子は、その1で紹介した素彫りの面を見れば分かるが、まああのような様子になるはずで、それが出来て完成となる。

そうして、一応完成した後は、今ある素彫りの鼻瘤悪尉2面の彩色をしたいと思っている。

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