わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

鬼 その3

2011年11月26日 | 日記・エッセイ・コラム

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鬼だ。前回紹介したときから一週間以上も経っている。それでも進み具合はこの程度。これまでの作業の進捗とは大きく遅れている。、まあこれは最初から織り込み済みだから、特に問題はないのだが、随分とのんびりしている様子でもある。

この材料は、これまで使っていた「ひば」材とはちょっと違って、どうも「けやき」のようだ。臭いをかいでも香りは全くなく、無臭である。しかも、彫刻刀での削り具合が悪いのだ。だからといって堅い木とは違っており、ノミで叩くと木目の間がつぶれてしまう場合もある。そんな材料を使っていることもあって、一日の作業量がはかどらないことも、作業の進み具合が悪い原因と関係がありそうだ。

良く切れる彫刻刀を使っているつもりだが、それでも目の前に砥石をおいて、研ぎながら使っている状態なのだ。これまでの「ひば」材ではスイスイ進んでいた彫る作業が、刃物を研ぎつつ進める格好になり、なかなか調子が出ない。

と言う話は、暇つぶしに行っている自分の能面彫りには、あまり影響がないこともあって、ぶつぶつと爺が呟いているだけだから、たいした影響はないだろう。


鬼 その2

2011年11月14日 | 日記・エッセイ・コラム

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さて、その1で紹介してからだいぶ経ったが、進み具合は遅いのだ。前回から一週間以上経ったものの、上の写真の通り。これが「進んだ」のか「遅れている」のかは意見の分かれるところでもあるが、これまでの教室での進み具合と比べたら、「早い」ほうであろう。

最初から急ぐ必要もないと決めていたので、まあこんなものかも知れない。また、初めて作成する面でもあり、写真を見ながら進めているために、彫り込む加減も考えながら進めていかなければならない。そのため、しばらく写真を見つめる事も多く、これまでのように一気に作業が進むという状態ではないのだ。

ということから、ぼちぼち進んでいるという段階である。また、今月は何かと用事があって、気持に余裕がない事もあり、じっくりと作業に取りかかる気分も出てこないから、適当にやっているというあたりかな。


鬼 その1

2011年11月02日 | 日記・エッセイ・コラム

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これが、今回作る能面だ。お題は「鬼}。上の写真は桃山時代の河内井関家重作と伝えられている。もっとも、分類としては能面とはちょっと違って狂言面のようだ。この手の面は過去にも何個か作ってはいる。「武悪(ぶあく)」もそのようだから、狂言面としては今回が初めてでないのかも知れない。しかし、だ。実はそんな細かい分類など気にもしなかったけど、これまでたくさん作ってきた面を詳しく分類すれば、いろいろあったようである。なんと言ってもすでに40数個は作っているから、その種類もいろいろだろう。

と、能書きは別にして、実際に作業を始めたのが今日2日からだ。

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今日までの作業。半日でこのぐらい。今回はひと月で完成させる気はなく、せいぜい12月末まで使って、少し長めの作業予定を考えている。毎日暇なのはこれまで通りではあるが、あえて急ぐつもりはない。そのために、わざわざ細工の難しい面、手間のかかりそうな面を選んだのだ。しかし、もっと手の込んだ能面、神楽面などもあるが、それはまた次の機会に取っておこうと思う。

参考に、先生が作った鬼を紹介する。

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とりあえずは、これを目標に作業が進んでいくことになろう。


能面 その後

2011年11月01日 | 日記・エッセイ・コラム

ここ数ヶ月の能面作成記事は、中将以降は「黒式尉」だった。で、黒式尉が完成した後はまだ次の目標は決めていなかったが、これが決まった。その前に、ちょっとお知らせを。

小面が7月末に完成していた。で、8月に入ってすぐに中将が完成した。ブログによれば、その後は黒式尉の作成になっているが、実はその間に中将をもう一個作っている。更には小面も追加で作っているのだ。だから、8月以降一時的には中将と小面、そして黒式尉の3個の面を同時に作業をしていたことになる。黒式尉が完成した事はすでに書いているが、今回は小面と中将が完成した報告を書こう。

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今日11月1日に完成した「小面」。仕上げ塗りをして、彩色(と言うより化粧と言うらしい)しないまま放置していたが、ここ数日に化粧をした。で、今日完成したものである。8月から作成作業を始めているから、おおむね2ヶ月かかったことになるのかな。が、しばらく放置していたから、実質の作業時間は1ヶ月ちょっとというあたりだろう。

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7月末に完成した小面と、今日完成した小面を並べてみた。右が7月末完成のもの。こうして並べてみると、同じ型紙を使って同じひとが作ったにもかかわらず、表情が違う。本来は同じものが出来るはずが、こうも違ってくるのだ。ま、似ていると言えばそうだが、やはり違うね。特に目のあたり口のあたりの造作がどうしても違ってしまうのだ。ここは表情の一番大事な部分だから、ここが違えば全体の表情も違ってくることになる。

自分の好みとしてかわいい方が良いのだが、そのつもりで作ったにしてもちょっと違う。目尻をちょっと上げたり口元をきゅっと持ち上げたりしようとしたつもりでも、出来上がってみればなんだかかわいくない。うーん。

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これも、完成した中将を並べてみたところ。左が今回(今日)完成した中将だ。こっちは口元がいくらか違っているが、だいぶ似ている。全体的な雰囲気が似ているから、同一人物が作ったと行っても違和感はない。

さて、中将では2個の面は違和感のない範囲で似ていたが、小面では随分と違っていた。この違いは何だろうか。同じように気合いを入れて作っていたのに、こんなに差が出たと言うことは、気合いの入り方が違うのかな?よく言われているのは「小面は難しい」「小面に始まって小面に終わる」など。一見、のっぺりしている面の方が、ちょっとした手加減で随分と表情が変わってくる事を言い表しているのかも知れない・・・