わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

蛇4 その2

2018年10月27日 | 能面

ちょっと時間がかかっているところだ。もっとも、作業は毎日のようにやってはいるのだが、作業の内容が細かいことで結構時間がかかり、なかなか見た目も変化は少ない。それでも、それなりの成果は出ているから、いくらか安心をしているところ。

今回は写真も2枚だけなので、大きめのものを紹介する。が、実態は単に小さくするのを忘れただけなのだが・・これも「認知症」の気配を感じるところだ。

下はかなり出来上がったところ。23日の写真だが、ほぼ7割方出来上がっていると思う。この段階では裏彫りもまだ浅いまま。これも口の中を彫る都合から裏側を一気に深く彫ると失敗する。

これは26日に撮ったもの。左側にあるのは「角(つの)」だ。初めに切り取った材料を利用し、2.5cmの太さ、長さは20cmに仕上げたものを、つなげたまま角の形に仕上げている。こうすることで削っていく作業も楽になるという具合。これも経験からくる知識の一部かな。

今のところは「今月中」の素彫り完成は無理のようだ。従ってのんびりと進めよう。目標は能面教室がある11月7日あたりかな。

 

 

 

 

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蛇4 その1

2018年10月18日 | 能面

前回の彩色後は、一週間ほどは作業を休憩しようと思っていたものの、3日ほど経ったあたりには、次の作成のための課題を探していた。例によって材料の寸法や、これまで彫ったお面の数などから判断し、それを決めたのが11日頃であり、実際に作業を始めたのがなんと13日だ。ということは、前回の彩色作業が終わってすぐに、次の課題を探していたことにもなる。ただ、実際に作業を中止していた日も数日あり、その間は時間をもてあましていたことも事実。

従って、数日経ってすぐにやる気が起きたのも事実だから、まあ、いいっか。

で、次の選んだ課題は「蛇(じゃ)」だ。へびと書いて「じゃ」と読ませるところはよくわからないが、もともと「女面」から「生成り」になり「般若」そして最後に「蛇」になる(順序が違うかも知れない)という女の恐ろしい嫉妬・呪いを表現したお面なのだ。ただ、般若のお面はよく知られているので、それに近い蛇のお面も、題材としては面白いと考えている。

見本は下の写真。タイトルが「蛇4」と言うことだから、今回で4個目のお面である。実は、部屋の壁に飾ってある多くの能面を点検したところ、「般若」は4個以上、「生成り」も4個彫っており、蛇だけが3個しかない。それで、今回の課題は「蛇」に決定にしたという具合。

こんな姿だ。いかにも恐ろしい表情だが、これがあのかわいい「若女」が「増女」や「増髪」「深井」などを経て上の写真のように変貌する・・らしい。ただ、単なる女面よりは技術的な行程・細工なども作業意欲の出そうな形だから、これはこれで自称能面士としては意欲がわいてくる・・と自己満足をするとこだ。

上は13日。顔の表面である。型紙に合わせてすでに斜めに切り取ってあり、ここから本格的に切り込みが始まる。

顔の周囲を丸く切り取り、額(ひたい)の部分や口の部分などを切り取ってたところ。14日の写真だが最初の作業から1日後だ。

更に作業を進めていくとこうなる。これは15日の結果だが、作業開始から3日後には大体の形が見えてきているだろう。実は、この時点でどうも両側の頬(ほほ)部分を切りすぎた感じがしていた。写真では見えにくいのだが、切り取ったほほ部分が急斜面になっており、見本の写真と比べてもほほの高さが低い気配。これはまずい。

で、実は2個目の「蛇」でも同様の失敗をしており、このときにはほほ部分に木片を継ぎ足して高さを確保しているのが写真に残っていた。今回の4個目でもその手法を使おうと考えて、上の写真の段階からほほ部分に接ぎ木をして、高さを確保したという具合。もっとも、3個目はうまい具合に彫っていたのだが、恐らくこの時は2個目の失敗を参考にして、修正していたのだろう。

上は17日だ。よく見ればほほ部分に継ぎ足した木片が見える。本来はほほの上から極端に出っ張っていたが、気合いを入れて整形を行った結果、上の写真まで修正が進んだところ。もちろん、この後も全体を見ながら、見本写真に近い形まで彫り上げることになるはず。ま、16日は第一回目の裏彫りもしているので、接ぎ木や乾燥を含めて2日間の作業結果である。

作業開始からまだ一週間にも満たないが、かなり作業が進んでいることがわかる。この調子でいけばあと2週間ほどで素彫りが完成するかも・・・いやいや、今回はきちんと気合いを入れて、丁寧に作業をするつもりだから、せめて11月の中頃までは持って欲しいところだ。

 

 

 

 

 

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増髪2 その4

2018年10月11日 | 能面

これまで彫りためていた能面4個と観音様の彩色を行った。さすがに5個のお面を同時に彩色することは初めてであり、手間もかかったところ。もっとも、それは承知の上だが、結果として「手を抜いた気配」もあって、具合が悪いところも見えたところかな。

まあ、終わってしまった事はしょうがないから、それらについて写真で紹介をする。また、それぞれのお面を紹介するだけではなく、まとめて撮った写真もあるから、それも同時に見て貰うことにしたい。

まず、彩色の進み具合を見てみよう。

下は最近の作品である。これに彩色をするのが今回のメインである。他にも明星観音があるから、計4個だ。

まずは裏に黒と茶色を混ぜた色を裏側全体に塗る。工芸漆の出番だが、7月頃に買ったものを今回初めて使用した。ただ、塗った直後にはぴかぴかと光っていたものの、2~3日経ったところで木地にしみこんで、かなりのまだら模様が発生する。ただ、これを避ける手もあるのだが、今回は省略した。この「手」は、お面の裏側にあらかじめ「溶いた胡粉」を塗って乾燥させ、塗料がしみこむのを防止する手法だ。

写真は9月26日のもの。

次は表面の下地塗りだ。にかわと胡粉を混ぜたものを数回塗っているが、まだ色は加えていない。9月27日である。左側のお面は2010年に彫っていた「猩々(しょうじょう)」だが、表面の彩色がはがれていたのでいったんはがし、新規に塗り替えるもの。

下は、それぞれのお面の色を塗ったところ。オレンジ色の猩々を除いては、いったん薄い黄土色を塗って、最終的には古色で陰影をつけるつもり。10月3日だ。

下は10月6日だが、ここまで来るのにはさすがに時間がかかっている。特に毛髪部分が細かいので、慎重に時間をかけて描き上げているから、まあ、やむを得ないことかな。

古色で陰影をつける前の段階だが、ほぼ完成していると言っても良いだろう。もちろん、見本とした写真と比べても、かなりの独創的な描き方だが、これも「自作・独創的・創作面」などと自分勝手な評価をつけても、誰も文句は言わない・・のが良いところ。従って金沢市で行われる「現代能面美術展」への出品対象のお面ではないことも事実なのだが。

さて、下が一応完成した5個のお面だ。8日の写真なので、完成は10月8日か。

ついでに今年に彫ったお面を並べてみた。今は10月だから、なんと9個も彫っている。月1個の計算になるので、これも大変な作業結果であろう。

最後に、タイトルにある増髪だ。

ということで、さすがに疲れが見えてきたから、せめて今週中はお面の作業を中断して休憩をとり、作成意欲が出てくるまで待つことにしたい。

あーあ、疲れたぞ。

 

 

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