わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

獅子口8 その1

2020年11月26日 | 能面

いよいよ今年も押し迫ってきたが、今年の最後に彫るお面は何が良いのかな・・と、考えたわけではなく、たまたま手に入った材料が大型だったことで、寸法を考えて獅子口にした。

この獅子口は、これまで彫ってきたお面のうちでも2番目か3番目に相当する大きさであり、かつ細工も面倒な部類である、従って、出来るだけ避けたいお面でもあるが、せっかく手元にある大きな材料を有効に使うためには、まあ、やむを得ないのかな・・的な発想だ。

で、参考にしたのは下の写真。これは、先生の師匠が彫ったものを、先生が師匠から頂いたらしい。それをあるとき、私が自分でたくさんの角度から写真に撮り、そのなかの一枚を参考とした。こうしてみてもなかなかすばらしいお面である事には間違いない。

さて、上の写真を参考に自分で彫ったのが下の写真だ。これは2017年3月に完成したものであり、最近の作品でもあるが、これもなかなか上手に仕上がっている・・ように見える。

ところで、一個目は2002年2月10日に彫り始めており、素彫りが完成したのは4月25日だ。なんと作業には2ヶ月以上かかっていたのだが、さて、今回は8個目でもあり、最近の傾向からして1ヶ月程度で素彫りも完成しそうな気配。

作業開始は今月19日である。下は20日の結果だが、実質2日でここまでだ。ま、こんなものか。

下は21日だが、上の状態から翌日には下のようなところまで作業が進んでいる。これは、単に作業が早いと言うだけではなく、このお面に対して作業手順や要領を、よく知っている結果でもあろう。その結果として、作業が早く見えるだけ。

鼻のてっぺんに、追加の材料を足している。これは高さ(厚さ)が5mm程度足りなかったので、その分を継ぎ足したもの。よく使う手順・要領でもある。

さて、下は22日だ。この段階ではそれほど大きな変化はないものの、ほほの部分、鼻の形などがはっきりしてきた。

で、次は下の写真だ。これは何か!! 実は失敗したところ。上の作業終了後(22日)に、どうも気になっていた部分が頬(ほほ)の部分だ。どうも丸みが足りない。最初に全体を切り取った時、どうも古い図面に合わせて余計に切りすぎた気配があり、当初から気にはしていたのだが、うまく処理できるかも・・と考えつつ作業を続行していた。がしかし、やはり「どうも低すぎて、ほほに膨らみが足りない」と思うようになって、その日に「補修材」を使い、頬の部分をかさ上げしたところだ。

25日になってその部分の固まったことから、作業を続けていたが、その結果が下の写真。この辺まで来ればかなり進んでいることが分かる、特に口の部分は歯、牙の位置などで手間がかかり、めんどうだ。

今日は26日だが、主に口の中を彫っている。更には耳の形もいくらか彫り込んでいたので、全体的に見ればすっかり表情も見えており、ずいぶんと進んできたと言えよう。

今回のお面は、口の中の舌の奥が裏側に貫通する形になっているから、この部分では手間がかかりそう。また、裏彫りも2回ほどやっているものの、材料が大型なので、かなり深く彫る必要もあり、これも含めてまだまだ時間がかかる・・・というよりは、作業開始からまだ1週間ほどしか経っていない時期にここまで行けば、これもまた「いや、ずいぶんと作業が早いかな」の評価も出てきそう。

 

このままの勢いで行けば、12月9日の能面塾の日には、改めて材料を入手する事になりそうだし、もしかしてその材料で、今年最後のお面を彫ることになりそう。その場合は、課題としては2個目の「小べし見」になるのかな。

 

 

 

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小べし見 その2

2020年11月15日 | 能面

11月に入ってまだ2週間・いやもう2週間が過ぎたとも言えるが、作業開始からはおおむね2週間以上は経った。と言うことは、かなりの進み具合と言えるのが、これまで彫ってきたお面の状態。しからば、さて今回は?

下は11日の段階。顔の表面はこんなものだろう。顔の各部分についても、おおむね参考写真と見比べても、もちろんおおざっぱな印象だが、かなり似ている。

下は12日の段階だが、目球の部分や鼻の形がはっきりと見えてきた。また、頬の部分もかなりの進み具合だから、全体的に見てもほぼ顔の姿が見えている。当然として裏彫りも3段階ほどの進み具合なので、最終的な深さ程度までは彫っているつもりだ。

さて、下は14日の結果である。見た感じではいかにも「最終的な段階」であり、出来加減も9割と言っても良いぐらい。また、鼻の穴や眼球の穴が開いていると言うことは、裏側もきちんと最終的な深さまで彫り進んでいるという証拠でもある。更には、額(ひたい)にあった節穴は、補修材で埋め込んで成形し、違和感のない状態まで仕上げている。

下は今日15日。上の写真から彫刻刀の跡を消す作業を行い、表面を滑らかにしたところ。ここはまだ荒削り(サンドペーパーで言えば80番あたり)なので、この状態から全体の形を見直し、最終的な、部分的な修正に入る。最後には120番か180番程度のサンドペーパーを使って磨くと作業終了だ。

今日の点検では、頬(ほほ)部分が左右に若干膨らんでおり、もっと細くしても良いと思うので、明日以降はそのあたりも含めて、更なる「細部調整」をする事になろう。

今回のお面は、自称能面師20年の私が初めて彫ったものとは言え、なかなか手強い相手だ。なんと言っても実物がないから、写真だけでは判別出来ない凹凸部分が数多くあり、それを最終的には、しつこく写真と見比べて修正しなければならない。本来なら各部分の立体図があって、それをお面に重ねて彫り進んでいけば、正しいお面が出来上がるのだが、今回はなし。

まあ、今回のお面については、節穴が付いた材料、彫刻刀がすぱっと切れない材料だったなどの予測不能の部分も発生したが、なんとか外見上はきれいな仕上がりにしたいと思う。

一応は今月いっぱいが作業予定のつもりだったものの、この調子で行けば今週中にも素彫りが完成しそうだ。うーん、なんとこの面倒なお面が、3週間ほどで出来上りそう。

ま、いいっか。

 

 

 

 

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小べし見 その1

2020年11月04日 | 能面

11月に入った。計画通りに進んでいるので、それについてちょっと。

今月の課題は、10月中には「小べし見(こべしみ)」と決めていた。それに従って材料や参考にする写真を集めていたので、それを整理しつつ、作業を始めている。

材料は10月28日に入手、参考写真はその後に集めた。ネットを検索すると参考写真はたくさん見つけられたのだが、その中でもこれが良いか・・と思われるものを選択した。それが下の写真。

最初は、この写真を参考に「型紙」を自作し、それを元に材料を切り取って行く。なお、今回のお面は初めて彫るお面なので、写真も型紙も持っていなかった。そのため、全部を自分で準備する必要があり、それの時間もかかったから、実際の作業開始は10月30日になるのかな。

上は11月1日の写真なので、この段階までくるために2日間かかっている。これも写真の検索や印刷、図面の作成、最初の切り取りなどにかかっているから、まあ順当な作業時間だろう。

上は2日だが、基準となる目の付近を決めているから、ここから一気に作業は進む・・はず。また、この時点で一回目の裏彫りを行った。

上は4日の結果。この時点では全体の形もおおよそ見えてきたから、今後は細かい部分を表面に書き込みつつ、それに従って「慎重に」彫っていくことになる。なお、今回のお面は、口の部分は裏側に貫通させる必要がないので、その部分では手間もかからず、彫りやすいだろう。

さて、額(ひたい)をよく見れば穴が開いている。これは節穴だ。これが裏側まで繋がっており、今の段階ではこのまま作業を続けていくが、最終的には補修材で埋めることになる。もっとも、この節穴は、最初からある事を承知で材料を入手していたから、しょうがないことでもあるが・・・

さて、上の写真は「トースカン」という道具だ。これはお面の高さ(厚さ)を測る道具なのだが、これまで使っていたのは右の道具。左のものは。今回購入した「デジタル表示のトースカン」だ。

右の道具は、計測した高さを別に用意した定規を利用して値を読み取り、測る。左の道具は、計測した高さはデジタル表示がされて、そのまま読み取ることが出来る、すぐれものだ。結局は、マニュアル計測かデジタル計測か?  

という判定なのだが、高さ(厚さ)を一度の手間で計測できるか、定規を使って2度手間で計測するのか・・の違いでもある。まあ、便利さから言えば当然としてデジタル表示がよろしい。ただ、マニュアルの道具もそれなりに使い道があるから、当分の間は、使い方に応じて両方を利用することになろう。

上は、実際に測定する様子を示す写真。こんな様子で高さを計測すると、表示部分にはデジタルで高さが表示されるので便利だ。なお、使っているお面は10月29日に完成した「鬼」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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