鼻瘤悪尉。「はなこぶあくじょう」と読む。2003年に第一号を作っているが、それ以来今回は4個目になる。すでに3個も作っているのに今更4個目とはなぜか。
これが材料なのだが、よく見ると1個の部材ではなく、3個の半端部材をボンドで繋いでいるのが分かる。上中下の3個のうち、上の部材は大きな材料を切り取った残りであり、中と下の部材は半端な丸い材料でしばらく放置していたものを、切って繋いだ物だ。それらを上手く切り取って12cm×10cm×22cmのブロックに仕上げてみた。とにかく、半端なものをボンドでくっつけた材料だから、上手く彫ることが出来るのか分からない。
一応はそれなりの大きさに出来上がったし、つなぎ目もきちんとしたつもりだが、やはりつなぎ目は見えてしまった。が、捨てるほどの材料を繋いだ事で蘇るのなら、試してみようという発想から、出来上がった材料に上手く合いそうな能面を探したところ、この「鼻瘤悪尉」がぴったりだった。
ということで、作業を始めているところ。
顔の形に切り込んでいるところだ。やはりつなぎ目は見えているが、最後にはパテなどで埋め込むと何とかなりそうである。それが上手くいくかどうか分からないものの、せっかく始めた作業だから無理をしないで少しずつ彫っていくことにした。
その作業があって、猩々の製作時間がいくらか減ったものの、この「鼻瘤悪尉」は本来の課題ではないから慌てる必要もないし、のんびり暇な時間に作業を進めることにする。
本来の課題である「猩々」は、あと少しで出来上がりそうだから、それはそれで作業を進めるので、今回はまったく別な能面を2個同時に進行することになった。が、やはりまったく違う面の作成作業を同時に進めるのは、ちょっと戸惑うことが出て来そうだな。