わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

しかみ3 その2

2020年06月22日 | 能面

今日は22日。今回のお面は、今月いっぱいをかけて完成させる予定だった。そのため、まだ1週間も残っており、期間としては余裕である。

ということで、余裕を持って作業を進めていたものの、どうも「作業が早めに進んでしまう」事は最近の傾向でもあり、今回もその予想に沿って進んだという結果をお知らせします。

下は16日の段階であり、これを見ても結構進んでいる状態だ。7割程度の進み具合かな。

で、下が20日。上から4日も経っており、この期間は何をしていたか・・表面的には口の中が裏側に貫通しているのが分かる。もちろん、鼻の形や穴、耳の形も彫り込まれており、他の部分でも細かい修正が行われている事も分かる。更には、裏彫りも気合いを入れながら彫ることで、意外と時間がかかる部分でもあり、それらを総合すれば、4日の作業期間が必要だったと言う事だろう。いや、大変大変・・・

で、いよいよ素彫りの完成だ。下の写真は22日の姿である。ここまで来るのは、20日以降にやすりがけを行って表面をきれいにしながら、全体を眺めつつ細かい部分の修正を行っていた。特に「全体を眺めつつ細かい部分の修正」は、通常の「あぐらの態勢」ではなく、座椅子に座って明るい環境で、お面をくるくる回しながら点検をし、気になる部分を発見してその部分を修正するという、ある種、気持ちの余裕を持ちながら作業が出来る時期だ。

この作業態勢は、「彫るぞ!!」という粗彫り、中彫りも終え、最終的な修正の時期にだけ行える態勢とも言える。結果、「全体を眺めて修正する」という、最終段階の形なので、気持ちに余裕が出てくるところだ。

上は素彫りが完成した姿。これまで彫った2個の「しかみ」は、この素彫りの段階で終了している。ただ、今回の3個目は、技術の向上を表現するため、真鍮製の眼球を埋め込む予定。当然として、今後は彩色も実施されるので、前の2個よりは更に見栄えの良い「しかみ」が出来上がるだろう。

 

明日以降は、真鍮製の眼球の製作と、それをうまくはめ込む作業で使う事になる。まだ実質1週間以上も作業期間が残っているから、日程的にはかなりの余裕かな。よしよし。

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しかみ3 その1

2020年06月14日 | 能面

次の課題は「しかみ(漢字で書いているがIME漢字が見当たらないのでひらがな)」だ。これは、これまで2個しか彫っていないことが判明し、幸いにも大きめの材料も入手できたから、これに決めた・・程度の理由で、特段に思い入れはない。

今回の見本の写真は下のもの。このお面もネット上には様々な作者の作品が紹介されている。その中でも自分が気に入ったものを参考にした。

で、私が過去に彫ったものは下の写真。素彫りの完成は2001/08/13 だ。ただ、下の写真の日付は2008/02/29であり、彩色を終えたのがその時だったと思う。恐らく2001年頃はまだ彩色の技術は教わっておらず、後任の塾講師から彩色の技術を教わったために、2001年当時は素彫りのままで「完成」となり、家に飾っていた・・と言うことだろう。

さてさて、今回の話。

作業開始は11日。いつもの通り丸鋸を使って大きく切り取るところから始まる。それが下の3枚の写真だ。このように丸鋸を使って一気に切り取ることで作業も早く進むことになる。いわゆる「作業手順の慣れ」だ。特に電動工具を上手に使うと楽だし、作業も早いから、有効な手段となる。

上の3枚は一日の作業内容。特に3枚目は、周囲の部分もカッターを使って滑らかにしており、幾分手間をかけている様子が見える。

上は12日の結果。表面の高さを計測し、のこぎりで切った後にノミを使って彫っていくと・・

転記した顔の表情に合わせて彫刻開始。ここから本気でノミや彫刻刀の登場だが、それなりにシビアに寸法を調べて、注意深く作業を進めていく必要がある。上は13日の結果だが、この段階で眼球の位置・形を決める部分では、かなりの注意が必要である。ここが形の基本になるので、大きさや深さ、位置などを慎重に決めたのだが、さて、これで良かったかな?

これは今日14日の結果だ。ちょうど日曜日だったから2時間以上を使って口の周辺を彫ったところ。この部分も表情の作りには大きな影響を及ぼすから、何度も計測して位置や形を決め、慎重に彫っていく。

この段階で、目、口、鼻の形や位置が決まったから、今後は大きな変化はない。従って明日以降は細部の修正をしながら、ちまちまとした作業が続いていくことになる。

ただ、すでに一部に補修材を使った修正が必要かな?   あ~

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小町老女3 その2

2020年06月14日 | 能面

「小町老女3」はすでに完成している。実はその後の課題も進んでいるのだが、それについては後で紹介しよう。

上は7日の姿だ。ほぼ出来上がっており、この後は額のしわ、頬のしわ、二重まぶた、更には黒目部分を裏側に貫通させる作業などを彫れば完成する。それらを終えた姿が下の写真だ。

上は9日で、これで素彫りの完成となる。予定では10日の能面塾に、先生に紹介するつもりだったから、とりあえずはそれが叶ったというあたりかな。

ちょうどこの日は、この日に参加する塾の、他の会員も来ていたので、その人たちにも見せた。ただ、これらの会員もすでに数年の経験者なので「今彫っているお互いのお面の紹介」がメインであり、それぞれが意見を述べていた程度。

今回のお面は作業期間も9日であり、最近でも早い部類に入る。ただ、あえて早く仕上げている訳ではなく、毎日2時間弱の作業時間をもってしても、この程度の作業期間で仕上がってしまう傾向にある。言ってみれば「すっかり作業に慣れてきて、彫る手順や作業効率も上手になり、結果的に早い仕上がりになってくる」あたりだろう。

と言う具合で、また暇になってきたから、「日課としての能面彫り」を続けるために、次なる課題を決めたところ。それは「しかみ」だ。これの作業に備えて、10日の能面塾に行ったときには、新しく材料を入手した。それについては次の機会に紹介します。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

武悪の彩色のし直しなど

2020年06月06日 | 能面

前回に話をした続き。

「武悪」と「あ」の彩色をし直した。

下は金剛力士の「あ行」だ。2009/03/27 の写真。完成品だが、これの彩色が劣化して、汚くなった。

下は5月の作業開始時。特に鼻の部分が劣化して剥がれたことから、全面補修をした。

上を「お色直し」をした結果が下の写真。初期の彩色とは違うものの、きれいになったのは事実なので、OKとしよう。

次に武悪だ。下は2008/08/26 の写真だが、これも汚くなり、彩色のし直しになる。今回はこの汚くなった2個の武悪のお面を、同時に「お色直し」を実施した。

下は剥離作業の結果。この程度まで紙やすりで削り、色の上塗りを実施する。この作業も2個同時に行っている。

その結果が下の写真。これはオリジナルに近いから、こんなものだろう。今回はほぼ同じ彩色で2個を補修した。

 

これらのお面は趣味の部屋に飾っていたのだが、すでに日光に当たって10年以上が経ってた。従って、胡粉を使った彩色では10年以上も経てば、ほぼ剥離が始まり、汚くなっている。

私も能面製作の期間が20年近くになるから、100面以上もあるお面の半分は彩色から10年以上が経っているので、ひび割れや剥離が見られる。それを全部補修することは、時間もかかって面倒な作業だ。だが、余りにも剥離が進んで汚くなれば、やむを得ないので、「いやいや」実施する。それが今回の作業だ。

と言う具合で、今回は3個のお面の修復を実施したという話です。

 

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小町老女3 その1

2020年06月06日 | 能面

6月からの新しい課題が決まり、それを実行している。今回は材料の都合から「小町老女(こまちろうじょ)」にしたが、このお面は最近2個を彫っており、まだ「新面」の部類に入る。

さて、今回も若武者や女面の材料だったことで、これまで彫った同類のお面を見たところ、この小町老女がまだ2個しか彫っていなかった事から、これに決めたという具合。

1個目と2個目が去年の5月から6月中旬にかけて彫っており、彩色は他のお面と同時にまとめて行っているから、彩色を終えた完成は7月になる。それでも約1ヶ月で2個のお面を彫っていた。今回はそこから約1年後の製作であるが、ただ、何やら今回も作業が早くなりそうな気もする・・・

 

見本は下の写真。先生が彫ったもの。ま、ネットには多くの参考写真があるものの、私が彫る小町老女は全部、先生のお面を参考にしている。

これを参考に彫ったのが下の写真。1個目か2個目だろうが、2個を同時に彩色を行っているので、区別は付かないのだ。ま、いいっか。

下は作業開始。6月1日である。単に、材料に型紙を乗せただけなので、当然か。

下も1日だが、材料の周囲を切り取り、顔の表面を斜めに切り取ったところだ。ただ、周囲はきれいに彫っている。

2日目に入ると作業も順調に進み、下の写真の通りだ。これでもかなりの進み具合かな。作業開始の翌日とは思えないほど行程が進んでいるのが分かる。

下は3日。なんと3日目でここまで作業が進んでいるが、こうしてみればすでに形や表情がはっきりしており、見る人が見ればすっかり「小町老女」だろう。

下は6日だ。こうしてみればほぼ出来上がっていると行っても良い。もちろん、裏彫りも3回行っているから、裏の仕上がりもほぼ出来上がっている。と言うことは、裏もOK、表面も見たとおりなので、もう8割方出来上がっているとも言えるだろう。ただ、ここから細部の修正を行う事になるが、これが結構時間もかかるはずだから、まあ、素彫りの完成は来週いっぱいを予定しても良いのかな。

さて、10日は能面塾の日である。まだ4日もあり、この調子でいけばもしかして能面塾の日頃には、素彫りが完成した状態で、先生にお披露目が出来るかも知れない。

が、慌てることもないし、成り行きに任せて作業を進めていく事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする