わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

明星観音 その2

2015年06月28日 | 能面

いよいよ本格的に彫り始めている。今のところは余計な活動もないので、ここ一週間以上は集中して作業が出来るだろう。

材料の表面に表情を描いたところ。今回はこれまでの能面と違って、目の部分が細く、長く彫られている。これが特徴だから、この部分をうまく表現して、穏やかな表情に仕上げる必要があるのだ。

髪飾りの部分を残して、顔の部分を彫ってみたところ。前に書き込んだ線画は消えているから、その都度書き直している。きちんと写真や図面を見ながら書いているつもりだから、同じ絵が描かれているはずだ、しかし、若干の違いも出るのはやむを得ない。

ここで、失敗を発見した。髪の形や髪飾りの部分を、きちんと余裕を持って残したつもりだったものの、他の写真を見てみると、前髪から耳方向の、脇へ伸びる髪の部分が、角張っていないのだ。いわゆる、前髪から脇の髪には緩やかなカーブを描いて繋がっていた。それを、がくっと角度を持って切り込んでしまったのだ。うーん大失敗だ。

で、失敗したものはしょうがない。本来なら、失敗した部分に補修材を埋め込んだり、その部分に合わせて余りの材料を張り付けるなどをする必要がある。ところが、今回は白木のままで完成するかも知れない。その場合、補修すればその部分が、いかにも「補修した」姿でそのまま残ってしまう。これはまずい。

そこで寝ながら思いついたことは、もし、その部分の形が全体から見ておかしくなったのなら、別な材料で花飾りなどを作って、その部分に張り付けて、いわばごまかしてしまおうと言うアイデアだ。

ということで、失敗した部分のリカバリーを思いついたことから、今後は安心して髪の部分や髪飾りを彫る作業が続けられる・・・と言う具合。

一番下の写真は28日の午前中あたり。今のところは写真に似ているから、この表情を維持しながら、少しずつ、更に写真に似せていくことになる。実は、毛髪や髪飾りなどは細工は細かいものの、形が崩れても気がつかないが、この表情だけは一番目につくところ。ここが似ていなければ優しい観音様にはならないから、ここが一番難しいのだが・・・

 

 

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明星観音 その1

2015年06月24日 | 能面

いよいよ難しい課題に取り組むことにした。前回にも書いた「明星観音」だ。これは能面ではく、仏様と言うよりは観音様であり、その慈悲に満ちた表情が好ましい。前から仏像を彫りたいとは思っていたものの、難しいという印象があって、なかなか気持ちが進まなかったのも事実ではある。

そもそも、能面は顔の部分だけの彫り物だが、仏像を彫るという事は全身の姿を彫ると言うこと。これは大変な作業になる。また、能面と仏像の彫り方や手順も大きく違うと思っている。従って、「自分で勉強しながら彫る」という人もいるが、多くは先生、あるいは講師に教えを請いながら彫る勉強をする方が、効率的だし、技術も向上するだろう。

さて、我が近隣にはこのような仏像を彫る環境にない。従って本格的な仏像ではなく、お面の形をした観音様を彫ることにした。それが下の写真。これは今、私が参加している能面塾の先生が彫ったもの。これを参考にして「似たような聖観音」を彫るのが最終目的だ。

これはお面であるが、レリーフ様にも見える。壁掛けにもなりそうな形でもあり、裏は彫っている。能面と似たような裏彫りをしており、表面も見たとおり能面を彫る手法が使われている。従って、私にも充分製作が可能と考えて、挑戦する事にした。

先生のお面を参考にして、型紙を作った。それに添って材料を切って、作業を開始。24日である。ただ、先生の彫った明星観音の見本は何だろうと考えて、ネット上を詮索したのだが、たくさんの聖観音があり、また、それぞれが違う表情をしていた。その中で一番似ていたのが最初の写真である。恐らく、この形、表情を見本として、先生も彫ったのだろうと考えたので、自分も、見本を先生の彫ったものではなく、写真を参考に彫っていくつもり。

ということから、作業開始日はこの辺で休憩にしよう。まだまだ先は長い。

 

 

 

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恵比寿 その6

2015年06月19日 | 能面

「恵比寿」という名称で終わるが、とりあえずは完成した。「増髪」と同時に作業を進めていたから、完成も同時。最初から2個同時の作業も初めてだったし、初めて彫った能面にもかかわらず、作業自体はずいぶんと快調に進んでいたために、ほぼ1ヶ月で2個の面が出来上がったと言う具合だ。

「増髪」のところでも書いたが、見本や参考資料と同じ能面に出来上がったわけではない。それらしく似せていたというあたりでご勘弁を願っているので、この程度の出来具合と評価をして貰えば、それだけで幸いでもある。

さて、これらのお面が出来上がってしまえば、今後の能面教室での作業がなくなって暇になる。教室の生徒(仲間)は、まだ「増髪」の粗彫りか中彫り段階だから、完成まではもっとかかる。ひょっとしたら8月頃までかも?それまでの間、私はぼーっとしているしかないのかな・・・なんて考えて居てもしょうがないので、さて、どうしようか。

ただ、能面塾での課題は決めた。「明星観音」だ。幸いにも、先生も彫っていた。ただ、図面がない。また彩色もないが、観音様は白木のままでもOKだから、色を付けないまま、完成させることになるかも知れない。図面は先生の見本を参考にして作った。ただ、こ宝冠の部分がかなり難しいので、難儀をすることになろう。もちろん、それを承知で次の課題に決めたから、それはそれでよい。

参考となる写真を収集してみたが、画像が小さかったり、様々な観音様があって、それぞれが表情や宝冠の形も違うから、今は戸惑っている。実は見本となる先生の宝冠も、きちんと出来上がっているのではなく、ずいぶんと手抜きが見られるから、余り参考にはならない。

それらに関しても、次回に紹介する「明星観音」のところで、改めて書きたい。

 

 

 

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増髪 その5

2015年06月19日 | 能面

昨日18日には完成していたけど、今日のアップとした。一応は先生の見本や他の参考図面、型紙などに忠実(?)に再現したつもりだが、もちろん、そんなに簡単ではない。当然、部分的には見本や写真とは違っているのだが、そのあたりは結局、「それらしく作る」のであって、本来の「表(能面の事)を写す」技巧(技術)とはかなりかけ離れている。

従って、「写す」などと大それた思いは当初からないものの、出来るだけ「似た、あるいは近い能面を彫る」事には充分注意を払っている。

その結果が上の写真であれば、これも自分の技術の限界だから、やむを得ないと言うあたりか。

なにか、捨て台詞、あるいは開き直りとも取れる意見ではあるけど、これで本人が満足しているのなら「趣味の範囲」という「くくり」でOKだろう。

 

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恵比寿 その5

2015年06月05日 | 能面

さて、6月に入ってずいぶんと作業も楽になっている。上の写真はあと少しで素彫りが完成するところ。出来具合は9割を超えているだろう。左の「恵比寿」は歯を彫れば完成だ。右の「増髪」は、これも歯とえくぼ、額のくぼみを彫れば完成する。所要時間は1時間も必要はない。もちろん、裏彫りはすでにしっかり出来上がっているから、素彫り完成後も見た目もほぼこの通りとなる。

5月13日以降から、これまで長い間の習慣を破って2個を同時に作業開始したことから、忙しい毎日と考えていたものの、どうもそうでもなく、まあまあの作業量で一日が済んでいた。過去の例から判断した場合、1個を完成させるためには概ね2ヶ月近くの作業量が必要であったが、こうして彫ってみたら、そんな期間はいらないことが分かった。

過去には「般若」を一ヶ月で完成させたと自慢していたものだが、こうしてみると、2個を同時に彫り進めてもまだ一ヶ月が経っていない。しかも完成度は9割以上だ。もちろん、彩色を含めた「完成」はまだ後にはなるものの、ずいぶんと早めの出来上がりになるだろう。しかも、今回は2個ともに初めてのお面になる。ただ、過去には似たような形の能面を彫っているから、作業の進め具合や手順も容易だったのだろう。

もっとも、まあ「不動」の時は、3個目でも大変な手間がかかった事は事実なので、上の話も一概に正しいとは言い切れないが・・・。

ところで、表題を「恵比寿」と書いていたのだが、下の写真を見つけた。と言うより、恵比寿の写真を撮ったときに同時に撮っていたのだが。

よく見ると、「恵比寿」ではなく「恵比須」と書いてある。さて、どちらが本当か?調べてみると、どちらもある。

七福神では「恵比寿」が多い。地名では「恵比須」が多いようだ。上の写真では、いま彫っている恵比寿の、最初に撮った写真の説明文である。従って、まじめに書けば表題も「恵比須」だろうが、七福神の一人と考えた場合、「恵比寿」のほうがなじみがあるので、こっちの方が良いのかも知れない。

 

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