わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

獅子口6 その6

2017年02月21日 | 能面

12日の写真。頭頂部のほかには、写真のような場所に髭や眉毛がある。これらの鉛筆で記した黒い部分を浮き出させて、いわゆる「浮き彫り」にするのだ。このように、鉛筆で書き込むだけでも2日もかかる。これがきちっと出来なければ、彫刻刀を使ったきれいな浮き彫りは出来ない。従って、手間がかかるのは承知で慎重に書き込んでいるところ。

これが21日の写真だ。恐らく13日から彫り始めていると思うが、鉛筆で書いた線に沿って、彫刻刀で彫っていった結果である。線が細かいからよく見えないものの、太さは概ね1mm程度。線と線の間隔も概ね1mm程度だろう。その線の間には渦巻き状の模様も入っているから、実はこれもやっかいなのだ。

この丸い部分は、サイズの違う4種類の「丸刀」を使って切り込みを入れ、それに添って3mm程度の平刀で隙間を彫っていく。ただ、3mmの平刀では幅が広いから、作業の後半には、以前に使って折れた3mm平刀を、砥石を使って幅1.5mmに研ぎ出し、それを使った。もちろん、線の長い部分の最後の修正作業にも、その自作の1.5mmの平刀で仕上げたから、ある程度はうまく行ったと思う。

これらの浮き彫り作業に費やした時間は概ね1週間ほどだ。そのぐらい細かい作業と忍耐の必要な部分だったとも言えるので、彫り上げた今日21日はさすがにほっとしたものだね。

この後は、浮き彫り部分を紙やすりを使って滑らかにして、きれいに仕上げるところ。更には真鍮板を加工して眼球を作る作業が残っている。それが終われば「素彫りの完成」だ。今のところは今月中にも完成しそうな気がする。

で、来月に入るとすぐに「成果発表会」があるから、それの展示、会場当番、修了式なども予定されている。それが終わって初めて今年度の趣味講座が終わることになる。

この獅子口は、すぐには彩色はしない。新年度の能面教室が4月に始まり、その時の最初の課題を彫り終えたあたり(5月か6月頃?)に、2個同時に彩色をするつもりだから、まだまだ先の話かな。

 

 

 

 

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獅子口6 その5

2017年02月10日 | 能面

すでに一週間ほど経ったものの、結構まじめに細かく修正をしつつ仕上げを行っているところ。

上の写真は6日だが、前回と比べても大きな変化は見えない。せいぜい紙やすりで滑らかにして、それを元に修正作業をしていたから、まあこの程度か。それでも見本の写真と比べて1mm単位で計測し、あるいは全体のバランスを考えながら、わずかな厚みを削っていく作業が続いているのだ。

この辺で一応の素彫りを終えて、今後は毛髪、髭などを「浮き彫り」にする作業をすることになる。これも大変な作業ではあるものの、あえて自ら「めんどくさい獅子口」を選んだから、その責任もあるためにまじめに作業をすることになろう。

これは裏彫りの姿。材料の厚みは100mmだ。面の周囲は5mm程残している。全体的には厚い部分でも10mmほどなので、それを考えれば材料のかなりの部分を削っていることになる。それをきれいに掘り下げて、上のようになるまで仕上げる事は大変な作業である事が、想像出来よう。

と言う具合で、今日10日から「浮き彫り部分」の作業に入ったが、まずは鉛筆で浮き彫り部分の形を書いていく事から始まる。これも結構大変だが、まあやむを得ない。別段急ぐこともないから、じっくりと時間をかけて行こう。その作業の一部が下の写真だ。鉛筆で書いた黒い部分を残して、周囲を彫り込むと、いわゆる「浮き彫り」になる・・・と言う段取りだ。

 

この作業も3日ほどかかると思うので、実際に彫刻刀で彫り始めるのは来週からかな?

 

 

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獅子口6 その4

2017年02月01日 | 能面

これは頭の部分。よく見れば修正した跡が見える。この部分は大きな原木の材料を切断したときの切り口である。恐らく数年前あるいはもっと前に製材をした時のままの切り口部分だ。ここにボンドを塗って紙で覆っていたところ。その紙をはがしたらすっかりひび割れが露出したと言う話。

もともと、材料の切り口からは割れ目が出る。それでも、今回の材料はその部分が古いので、すっかり材料の中までひび割れが起きており、裏まで割れ目がきていた。従って、見えていた表面部分を補修したものの、裏側まで割れ目が貫通している。

本来は、材料を切り出すときに古い切り口部分を数センチほど切り取って、新たな切り口を出し、能面材に仕上げる必要がある。それを怠り、ひび割れをそのまま材料の一部として切り出して、それを商品として代金を取るという手法は極めて悪質だ。

まあ、能面塾の先生から入手している関係で、あまり細かいところは言いたくはないものの、「質の悪い材料」と知りつつ買うしか手段がないから、これもやむを得ないだろう。良質の材料は通販でも入手出来る。ただ、同じ寸法でも数千円から1万円近く、あるいはそれ以上もするものもあるので、ちょっと手が出ない。

ということから、この後にもひび割れが発生して補修する事になろう。

上は面倒な口の部分だ。1月28日の写真だが、作業開始から3週間ほど経っている。まあ、3週間でここまで来れば優良な生徒だろう。ただ、この部分だけでも数日かかっているのだ。しかもこの時点で舌の根元はまだ裏側まで繋がっていない。実は、舌を裏側に通す作業は大変で、これだけでも2日ほどかかっている。

2月1日の状態。こうしてみると舌は裏側まで繋がったようだ。もちろん他の細かい修正も合わせて行っているから、ずいぶんと見やすくなっている事も事実。耳も形が見える程度の出来具合。ただ、まだ完成ではない。

全体的に見れば、かなりの出来具合だ。もう少しで作業開始から1ヶ月ほどになるけれど、これは能面でも大物の部類だから、作業の進捗状況はすこぶる順調であろう。裏彫りも結構進んでいる。

と言う具合で、この調子でいくと、もしかして2月いっぱいで素彫りが完成するかも知れない。もっとも、毛髪や髭の部分は「浮き彫り」にする必要があるので、意外と時間がかかるかも・・・

 

 

 

 

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