12日の写真。頭頂部のほかには、写真のような場所に髭や眉毛がある。これらの鉛筆で記した黒い部分を浮き出させて、いわゆる「浮き彫り」にするのだ。このように、鉛筆で書き込むだけでも2日もかかる。これがきちっと出来なければ、彫刻刀を使ったきれいな浮き彫りは出来ない。従って、手間がかかるのは承知で慎重に書き込んでいるところ。
これが21日の写真だ。恐らく13日から彫り始めていると思うが、鉛筆で書いた線に沿って、彫刻刀で彫っていった結果である。線が細かいからよく見えないものの、太さは概ね1mm程度。線と線の間隔も概ね1mm程度だろう。その線の間には渦巻き状の模様も入っているから、実はこれもやっかいなのだ。
この丸い部分は、サイズの違う4種類の「丸刀」を使って切り込みを入れ、それに添って3mm程度の平刀で隙間を彫っていく。ただ、3mmの平刀では幅が広いから、作業の後半には、以前に使って折れた3mm平刀を、砥石を使って幅1.5mmに研ぎ出し、それを使った。もちろん、線の長い部分の最後の修正作業にも、その自作の1.5mmの平刀で仕上げたから、ある程度はうまく行ったと思う。
これらの浮き彫り作業に費やした時間は概ね1週間ほどだ。そのぐらい細かい作業と忍耐の必要な部分だったとも言えるので、彫り上げた今日21日はさすがにほっとしたものだね。
この後は、浮き彫り部分を紙やすりを使って滑らかにして、きれいに仕上げるところ。更には真鍮板を加工して眼球を作る作業が残っている。それが終われば「素彫りの完成」だ。今のところは今月中にも完成しそうな気がする。
で、来月に入るとすぐに「成果発表会」があるから、それの展示、会場当番、修了式なども予定されている。それが終わって初めて今年度の趣味講座が終わることになる。
この獅子口は、すぐには彩色はしない。新年度の能面教室が4月に始まり、その時の最初の課題を彫り終えたあたり(5月か6月頃?)に、2個同時に彩色をするつもりだから、まだまだ先の話かな。