わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

獅子口5 その9

2016年09月28日 | 能面

いよいよ作業を終えるときが来た。まあ、予定でも9月いっぱいまでかかると言う話をしていたから、時期としては予想通りというあたりだろう。で、作業の進捗状況は以下の通りだ。

上は昨日27日の段階だが、ほぼ完成したところ。面倒だった浮き彫りの眉毛や髭部分には、白い胡粉に水彩の黒色を混ぜて真っ黒にし、そこに「にかわ液」を混ぜて金色の輝く顔の表面に彩色を施すという手法だ。

これまでは、黒の部分には墨汁を使っていた。ただ、表面が金色の場合は「金泥」を使っており、これは金属の粉末(?)らしい。従ってこの部分に墨汁の黒で彩色をした場合、色の乗りが悪く、いわゆる「色をはじいてしまう」事が多い。それで、今回は墨汁を使わずに「胡粉とにかわ液」で、黒色を作って、塗ってみたところ。

結果は「色をはじいてしまう」事態は避けられたので、まずまずだったと思う。ただ、黒色に塗ったところでも、能面を抱えて作業をするために、どうしてもエプロンなどと触って、ある程度ははがれてしまっている気配もあり、何度か塗り直す作業をした。

そうこうしながら、「まあ、この程度で良いかな」というあたりで作業を終えたのが、今日28日と言うこと。

同時に作業を行っていた「不動」も完成をしたので、並べてみたのが上の写真だ。この2面は、いずれも5個目の作品である。あえてめんどくさい能面を10個も彫っていた事は、それだけ長い期間、同じ趣味を貫いていたことにもなり、なかなか大変な事でもある。

最近は、あえてめんどくさい課題を選んで彫っていくことを目指している。これも、単に与えられた課題を消化すると言うよりは、じっくりと時間をかけて「暇をつぶす」事に方向転換をした結果だ。

さて、これでいったん休憩をして、次の課題を探すことになるのだが、さあ次は何にしようかな?

 

 

 

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獅子口5 その8

2016年09月22日 | 能面

12日には概ねの「素彫り」が終わっていたので、その後の作業は「彩色」である。従ってそれ以降は彩色の準備をしていた。ただ、素彫りが終わったとしていたものの、よく見ればいろいろと不具合が見えてきており、それらの修正などをやっていたことから、実際の彩色は若干遅れている。

それでも19日以降は順調に作業を進めていたので、その経過は以下の通り。

下は19日の段階。白い胡粉を全体に塗ったところ。いわゆる「下地塗り」だ。

下は20日の段階。これもした地塗りだが、余っていた「肌色」を使って2度目の重ね塗りだ。

下は21日の段階。表面の金色は「金泥」とにかわ液を混ぜたものを塗った。1度目の仕上げ塗りだ。

下は22日の段階。金色は2度目の仕上げ塗り。これで表面はおしまい。目の部分と舌の部分に、赤色を塗ったところ。この赤色は、前に使って、残っていた色を活用している。本来は新しく色を作るのだが、今回は再利用した。

 

今日は22日だから、毎日ワンステップずつ進んでいる事になる。ただ、表面の金色は決まっていたが、他の部分、今の段階では赤色系統部分だが、ここにどんな赤色を塗ったら良いのかを決めかねて、いろいろと色の具合を試してみていたところ。見本の獅子口の色あいでもいいのだけれど、ちょっと赤が強く出ており、気にくわない。従って、過去に彫った「天狗」の赤色が残っていたから、それらを混ぜて見たところ、それらしい色になった・・・気がして、実際に作業を進めた結果、上の写真のようになってしまった。少しおかしくなったかな・・・

目の周囲の赤色はずいぶんと派手に見えるが、あとでススを使い、全体にくすみを付ける予定。従って、今の程度の赤みがあっても良いと思う。舌の部分はもう少し赤くても良かった気もするが、まあこれでも良いだろう。

と言う具合で、一日の作業でも余り進んでいるようには見えないが、いろいろと気を遣ってあれこれ考えながら彩色を進めているところ。実は同時に「不動」にも彩色を行っているから、そっちの色具合も考えていたりしているので、余計に進む具合が遅いのかも知れない。

 

ま、急いでいるわけでもないし、適当に暇がつぶれて、毎日「何かすることがある」のが目的とも言えるから、結局はこんなものだろう。

 

 

 

 

 

 

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獅子口5 その7

2016年09月12日 | 能面

今日は前回からすでに一週間以上も経ったところだ。前回は顔の表面の彫刻を鉛筆で書き込んだところで終わっている。ここから実際に彫り込んでいくことになっていたので、今日までは実際にその作業を進めていたと言う具合。

これがまた大変な作業であろうことは事前に理解していたが、まあ本当だった。実際に作業を始めて見ると、その細かいこと。本当にいやになるほどで、作業時間を短くしながら休憩を多く取った。というのも、細かい作業のために身体をかがめて、背中を丸くしての作業だったから、背中が痛くなった。背骨に悪い!!。また、作業が細かいこともあり、例の「ルーペ」の倍率を、通常の1.7倍から2.0倍のレンズに交換して、能面と目の焦点を近づけていた。そのため、疲れも倍加したり、あえて作業時間を短くして、休憩を増やしていたというところ。

そんな苦労をしながらほぼ一週間以上、コツコツと彫っていた結果が下の写真だ。

上は、顎付近から頬部分を彫ったところ。線の一本一本は1mmにも満たない。もちろん彫っている線の間隔も狭いところでは1mm以下だ。その部分に彫刻刀を入れて、慎重に彫っていく。

当然として、彫る段階では線が欠けたり、隣の線との間隔も均一にならない場合もある。ま、これは自分の技術的な問題だから、文句を言っても始まらない。それでも、高齢者の意地で作業を進めたというところか。

上は眉の部分や頭の部分。ここは渦巻きが多い。これは数種類の丸刀を使って線に合わせて彫っていく。長めの「毛」は、印刀で周囲に切り込みを入れて、1mmほどの平刀で彫っていき、線を浮き出していくという具合だ。

全体の姿。今日12日で一通りの線の部分を彫り終えたところ。ただ、とりあえず彫り終えたというだけで、今後はその彫った部分を詳細に点検をして、彫り残しや不揃いの線など、更には雑な部分をきちんと滑らかにする必要もありそうだ。これらの作業も結構大変な気がするので、まだまだ時間が必要になると思う。

それが終わったら、紙やすりできれいに滑らかにして、素彫りの完成になる・・気がする。もちろん、眼球部分には真鍮板を使った「ピカピカ眼球」をはめ込む必要もあるので、それらの金属加工も含めると、真の素彫りの完成は今月いっぱいを見ても良いのかな。

 

 

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獅子口5 その6

2016年09月02日 | 能面

獅子口の素彫りが終わったという訳ではないが、ここ数日は細かい修正を行って「ほぼいいかな」というあたりまで来たところ。そこから、あのめんどくさい飾り彫りをすることになるので、その下準備として鉛筆で「彫り残す」線を引いた。

この線は、ここを目安に彫るのではなく、ここを残す。と言う事は、線の周囲を彫って、線を浮かび上がらせる状態にするのだ。従って、狭い場所を細い彫刻刀で彫り、黒い部分を浮き出させる必要があるという話。

この部分はかなり慎重に、上手に仕上げる必要がある。というのも、線が細かいから作業中に線の部分が欠けてしまう事が考えられる。過去にも、最初に彫った一個目の「不動」の頭髪が、このように「浮き彫り」ならぬ「渦巻き状の立体的な毛髪」にしたことが有り、その時も盛大に欠けた過去があった。従って、今回もそのような状況になる可能性は極めて大きい。

もっとも、慎重に作業を進めて行くのは当然としても、どうしても材料の都合や技術的な失敗などもあるだろうから、うまく行くとは限らない事は十分予想される。ただ、そのような状態になったとしてもこれはやむを得ない。そうなったら、それを修正しながら作業を進めるしかないので、まあ、そうなると言うことかな。

で、この作業は大変だから、毎日少しずつ進めていくために、結構時間がかかると思う。同じ獅子口を彫っている先輩は一年がかりで作業をしていると話しており、それから見れば私の作業期間はまだ1ヶ月だ。従って全く慌てることもないし、どうせ暇つぶしで彫り始めた獅子口なので、充分と時間をかけて楽しむことにしようかな・・・

 

 

 

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