いよいよ作業を終えるときが来た。まあ、予定でも9月いっぱいまでかかると言う話をしていたから、時期としては予想通りというあたりだろう。で、作業の進捗状況は以下の通りだ。
上は昨日27日の段階だが、ほぼ完成したところ。面倒だった浮き彫りの眉毛や髭部分には、白い胡粉に水彩の黒色を混ぜて真っ黒にし、そこに「にかわ液」を混ぜて金色の輝く顔の表面に彩色を施すという手法だ。
これまでは、黒の部分には墨汁を使っていた。ただ、表面が金色の場合は「金泥」を使っており、これは金属の粉末(?)らしい。従ってこの部分に墨汁の黒で彩色をした場合、色の乗りが悪く、いわゆる「色をはじいてしまう」事が多い。それで、今回は墨汁を使わずに「胡粉とにかわ液」で、黒色を作って、塗ってみたところ。
結果は「色をはじいてしまう」事態は避けられたので、まずまずだったと思う。ただ、黒色に塗ったところでも、能面を抱えて作業をするために、どうしてもエプロンなどと触って、ある程度ははがれてしまっている気配もあり、何度か塗り直す作業をした。
そうこうしながら、「まあ、この程度で良いかな」というあたりで作業を終えたのが、今日28日と言うこと。
同時に作業を行っていた「不動」も完成をしたので、並べてみたのが上の写真だ。この2面は、いずれも5個目の作品である。あえてめんどくさい能面を10個も彫っていた事は、それだけ長い期間、同じ趣味を貫いていたことにもなり、なかなか大変な事でもある。
最近は、あえてめんどくさい課題を選んで彫っていくことを目指している。これも、単に与えられた課題を消化すると言うよりは、じっくりと時間をかけて「暇をつぶす」事に方向転換をした結果だ。
さて、これでいったん休憩をして、次の課題を探すことになるのだが、さあ次は何にしようかな?