鬼の最終報告になりそうな図だ。眼球をあけて鼻の穴も作っている。そのほかにも細かいところの修正は行っているが、おおむね仕上げが終わった状態と言えるだろう。このまま彩色に入っても良いが、まだ急ぐ必要もないから、もう少し手元に素彫りのまま置いておき、目に付いた「修正したいところ」をぽちぽちやっていった方が、気も紛れると言うことだろう。
実は、鼻の穴を開けるときに裏も彫っていくのだが、その時にちょっと失敗をして、表面の鼻の付け根(目の間の部分)のところに小さい穴が空いてしまった。これは、鼻の裏を彫るときに鼻の形に彫れば良いところを、正三角形にやや深く彫ってしまった。その結果、鼻筋よりも広く大きめに彫り込んでしまったと言うことで、結果として穴が空いたという話である。いわゆる「彫り(削り)過ぎ」だ。
しょうがないので、当初は「木工パテ」で穴を埋めたのだが、気を取り直し、木くず(鋸くず)と木工用ボンドを混ぜた、いわゆる「修正用材料」を使って、一旦、鼻の穴用に彫った部分を埋めたのだ。この部分はちょうど面の裏側であり、普段は見えないからちょっとぐらい修正してもOKなのである。ちなみに1個目はきちんと鼻の形に裏彫りをしていたので、今回のような不具合は出なかった。いやはや大失敗である。慣れから来る「適当なところ」で作業を行った報いだろう。反省!!
おまけに、↑で2個を並べたところを紹介する。細かい造作が違っているのは当然として、大筋では似ていると思う。作者が違えば表情も違ってくるという話を何度も書いているが、これを見る限りでは同一人物の作であろうと思えるので、細部の違いを無視すればまずまずの出来であろう。
本来は、彩色が終わった段階で評価するのが良いが、まだ先の話になるから、鬼についての木彫りの報告はこれで終わることにする。