6月下旬に「メモリの増設」で快適化を図っていたノートパソコンに、「更に快適になるかも」と思いつつ、最終的な手段としてHDDをSSDに交換する作業を試してみた。交換したSSDは次の商品。ついでに交換作業に必要な2.5インチHDDケースも同時に購入した。
これらを繋いでノートパソコンに接続し、HDDの中身をそっくりクローンすることで、簡単に全データをSSDに移行できるという。その後、HDDとSSDを差し替えて起動すれば、あーら不思議、全く同じ環境が再現されるという、実に便利なソフトも無償で提供されているらしい。本当かな?
さて、説明書を読みながらSSDをケースに入れ、USBコネクタをノートパソコンに接続し、指定のソフトを立ち上げつつ作業を開始した。
見た限りでは順調に進んでいる。このクローン作業はおおむね40分かかって終わり、一旦シャットダウンしたあとHDDとSSDを交換して早速電源投入したところ、ごく当たり前のようにVistaが起動した。「お、すげぇ」
第1段階が無事終了し、起動、シャットダウンも正常に動作したことを確認してから、一応のお約束で、ベンチマークを取ってみたのだが・・・
1 HDDのベンチ結果
2 SSDのベンチ結果
と言う結果が出たのだ。確かに数値上はSSDの方が速い。ま、当然と言えば当然だが、よく言われる「かなり速くなる(高速、快速、爆速などの言い方もあるが)」とはちょっと違うのだ。極端に言えばHDDと大して変わりない程度の体感速度だった。一瞬、これは何でかなー?と思う気になったことは事実だから、驚くような大きな変化はなかったと言うことだろう。
さて、原因はおよその予想が付いていたが、結局はノートパソコンの低スペックが災いして、高速デバイスであるSSDの性能を発揮できない事のよるものだろう。
1 CPU:AMD Sempron 3400+ 1.8Ghz
2 Tipset :ATI Radeon Xpress 1100
3 SATA/150 AHCI に対応せず(BIOSでの対応がない。チップセットの制約かな)
と、このあたりがネックになっている気がする。従って、1はまだしも、2と3は致命的な仕様と言わざるを得ない。ま、全部が低スペックだから、そもそもSSDに換装しても期待は出来ないと最初から考えていたものの、もう少し何とかならないものかと思っている。
SSDに換装したあとでの寿命延長の初期設定などは行っているが、所詮ノートパソコンの仕様制約によるデータ転送の規格が古いことから、せっかく高性能のSSDに交換したのに、その恩恵が十分得られなかった。
で、最後の手段としてBIOSを更新してみた。このノートパソコンは2007年夏モデルだが、BIOSが2008年にバージョンアップしていた。それを入れたらもしかしてAHCI対応になっているとか期待していたが、重要な部分での変更はなかった模様である。ただ、SSDに交換した当初はBIOS上では「SATA 接続なし」と表示され、SSDを認識していなかった。しかし実際にVistaが起動していたから、単にSSDの名称が出なかっただけだろうと思う。BIOS更新後はきちんとSATA接続デバイスとしてSSDの名前が出ていたから 、更新作業は意義のあることだったと考えるが。ま、よくある話の一つ。
結論としては、5年前の低スペックのノートパソコンに新規格の高性能デバイスを繋いでも、その恩恵は少ないのだと言う事実を体験した・・・という程度かな。もっとも、これはこれで貴重な経験をしたから全く無駄ではなかったと考えることにして、今後は機能向上に繋がる何か良いアイデアがネット上に載っていないか検索を心がけよう。うーん、なかなか奥が深い。いや単なる自己満足か。