わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

若女その5

2009年12月30日 | 日記・エッセイ・コラム

Waka_09

彩色を始めた。年末だからと言って特に忙しいこともないし、時間も十分にある。と言うことで彩色の道具を広げて時間を有効に使うことにした。彩色を始めてすでに3年以上もなる。手順や用具は揃っているし、やる気さえあれば順調に進むはずだ。

「やる気」を持つことは重要で、最近は昔のようにわくわくしながら進めている気がしない。何となく「やらなければ・・・」と言う風に気合いがめげてきている気配が見えるのだ。これはだんだんと慣れてきていることで、「覚えた技術をすぐに実践する」時期が過ぎており、いつでも出来るという安心感と慣れが気合いをなくしているような気もする。

それでも、少しずつではあるが作業を進めている。上の写真は肌色を混ぜた胡粉を塗ったところ。下地は真っ白は色だったが、仕上げとして肌色を混ぜた胡粉を施した。これだけではのっぺりしているから、これに古色をかけて古さを表すことになる。そうすることで陰影が出てくるから、より人面に似てくると言うものだ。

今後は主に墨を使って髪部分を描き込んでいく。また、唇に朱を描き込んできれいにするなど、あと少し手間がかかるものの、仕上げの段階に入った。十六も同じ工程に入っているから、2面が同時進行となる。

Sisiguti13

10月に仕上げ彫りが終わっていた「獅子口」にも、彩色を施している。前の写真からは「眼球」部分に真鍮製の眼をはめ込んでいる。ここに胡粉の色そのままに彩色を施しており、ちょっと違和感がある。前の獅子口は肌色で仕上げていたから。今回の真っ白はちょっとおかしく見えるものの、この上に金泥仕上げをすることが決まっているから、とりあえずは下地として真っ白でも良いかな・・と考えている。

これも進めているが、塗る金泥が足りないかもしれないので様子を見ているところだ。まずは若女と十六の完成を待って、獅子口に手を付けることになろう。

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若女その4

2009年12月23日 | 日記・エッセイ・コラム

Wakaonna08

おおむね素彫りが完成した。これ一個を集中して作っていれば、もっと早くに出来上がっていたのだが、前にも書いたとおり、途中で若女が十六になって、その後に新しく若女を作り始め、途中からは2個の面を同時に進行させていたものだから、遅くなってしまった。それでも、途中から気合いを入れて毎日2時間程度は作品作りに集中していたので、この時期までに何とか素彫りが完成するまでになった。

この2面は作りがほとんど同じであることで、両方の面の出来具合を見ながら、似たような場所を削っていた。だから、通常は一回で終わってしまう作業も二回続けて行う事になり、より上手に(?)出来たのかな・・・・なんて勝手に考えている。

前に作った、彩色の終わった同じ能面も部屋の壁に下げているので、それを横目でちらちら見ながら、かつ参考の写真を見ながら完成させていたが、やはり同じ面になったわけではない。微妙と言うよりも結構違うものが出来上がってしまったことは、前にも書いたように「手作りだから違う形に出来るのはしょうがない」という、言い訳がましい言葉に合ってしまった。

さて、今後の予定だが、すぐにも彩色に入るのか新年まで休憩するのか、まだ決めていない。今年もまだ一週間以上もあり、どうせ午前中は暇だから作業を進めるのも良い。が、少し休んで気合いが充実してから彩色に取りかかっても、まだ十分時間はある。

ということで、作業の進め具合はここ2~3日様子を見てからにしよう。ちなみに、同時進行の十六も、素彫りは完成しており、出来具合は若女と同じだから、写真は載せない。

Jyuroku_all

と思ったけど、一応参考のための載せてみよう。違いが分かるかな???

では。

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若女その3

2009年12月14日 | 日記・エッセイ・コラム

Waka04

若女の進み具合は、芳しくないのだ。もう出来上がっているかもしれないほど日数が経っている気もするが、実際はあまり進んでいない。と言うよりも、若干方針を変えており、いささか横道にそれてしまっているからだ。

実は上の写真は、前回紹介した粗彫りの若女の面を彫り進んでいたものではない。全く別の材料で最初から彫ったものなのだ。それがやっと上の写真まで進んだというあたりの姿である。それはどういうことなのか?

Waka05

製作途中の面が2個ある。左が新しく彫り進めている「若女」だ。では右ななんだ。実はこれも若女で、前回紹介したものだ。前回までは若女だったのだが、よく見ると額に「十六」と書いてある。そう、途中で気が変わって、若女を十六にしようとしているところ。

若女は女面だ。十六は男面だから、大きな違いがあると思ったら大間違いで、ほとんどがそっくりである。だからちょっと手直しをすると女が男に変わってしまう。人間の世界でも女にした方が良いような男がいたり、男と見間違う女も居ることだから、能面の世界でも似たようなものだろう。

本当は十六の方がちょっとだけ細面だ。それでもほとんど気がつかない程度の寸法だから簡単に変更ができた。更に言えば若女はすでに2面が彩色も終わって完成しているのに、十六は1面しか持っていない。やっぱり最低限2面は作っておかなければ具合が悪いから、途中で作業を変更したということで、作業の進捗状況が変わったという話になった。

ということで、12月には若女が完成している予定だったが、いくらか後ろに期限を延ばして若女と十六を同時に完成させようという魂胆である。当初の予定が2月末だから、まだ期間は十分あるし、早めに出来上がって日中ぼーっとしているよりは良いかもしれない。

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若女その2

2009年12月03日 | 日記・エッセイ・コラム

Waka_02

さて、作業開始からおおむね5日ぐらい。かまぼこ状から顔の輪郭を切り出し、更に丸みをつけたところだ。鼻の部分を大まかに削っていくとこのようになり、人の顔のように見えてくるあたりとしても、何の顔かよく分からない。

前回完成した「十六」もほぼ似たような工程であり、そのためこのあたりの段階ではほとんど同じに見えていたので、この段階では男面なのか女面なのかも不明。まあ、どっちにでも細工が出来るので、どっちでも良いことになる。

Waka_03

あれから更に進んだところだが、12月3日だから上の写真からまだ3日ほどしか経っていない 。それでもだいぶ進んだように見える。仕上げ彫りになればさっぱり進んだようには見えないけど、粗(荒かな?)彫りの段階では大きく表情が変化するのだ。

ここまで一週間ぐらいだが、このあたりまでくればおおよその形が出来てきたので、後は中彫りの段階になってきても良い頃だ。従って、今後は少しずつ彫刻刀を入れながら、完成に向けて作業をすることになり、大げさな「ノミを打って削っていく」ことはなくなる。

前回に書いた「完成は来年の3月」の話は幾分前倒しになりそうなので、それはそれで良いとしても、2月までは完成させないと3月はじめに予定されている「成果発表会」に間に合わなくなる。過去の事例ではそれほど切羽詰まるような日程になった事はないので安心しているが、まあ一応は気にとめておかなければ・・・・

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