彩色を始めた。年末だからと言って特に忙しいこともないし、時間も十分にある。と言うことで彩色の道具を広げて時間を有効に使うことにした。彩色を始めてすでに3年以上もなる。手順や用具は揃っているし、やる気さえあれば順調に進むはずだ。
「やる気」を持つことは重要で、最近は昔のようにわくわくしながら進めている気がしない。何となく「やらなければ・・・」と言う風に気合いがめげてきている気配が見えるのだ。これはだんだんと慣れてきていることで、「覚えた技術をすぐに実践する」時期が過ぎており、いつでも出来るという安心感と慣れが気合いをなくしているような気もする。
それでも、少しずつではあるが作業を進めている。上の写真は肌色を混ぜた胡粉を塗ったところ。下地は真っ白は色だったが、仕上げとして肌色を混ぜた胡粉を施した。これだけではのっぺりしているから、これに古色をかけて古さを表すことになる。そうすることで陰影が出てくるから、より人面に似てくると言うものだ。
今後は主に墨を使って髪部分を描き込んでいく。また、唇に朱を描き込んできれいにするなど、あと少し手間がかかるものの、仕上げの段階に入った。十六も同じ工程に入っているから、2面が同時進行となる。
10月に仕上げ彫りが終わっていた「獅子口」にも、彩色を施している。前の写真からは「眼球」部分に真鍮製の眼をはめ込んでいる。ここに胡粉の色そのままに彩色を施しており、ちょっと違和感がある。前の獅子口は肌色で仕上げていたから。今回の真っ白はちょっとおかしく見えるものの、この上に金泥仕上げをすることが決まっているから、とりあえずは下地として真っ白でも良いかな・・と考えている。
これも進めているが、塗る金泥が足りないかもしれないので様子を見ているところだ。まずは若女と十六の完成を待って、獅子口に手を付けることになろう。