わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

生成り4 その2

2017年12月24日 | 能面

上は20日の結果だ。主として口の中を彫っているが、これが実は大変。作業が細かいのは当然として、牙の位置を決めるのが難しい。この手の牙のあるお面では、般若、蛇、その他の多くの能面を彫った時にも感じており、いつも難しく考えながら位置を決めている。従って、上から見た牙の位置と横から見た牙の位置を決めて予想し、余裕を持って削っていくのだが、毎回ぴたりと位置が合うとは限らない。

今回もそんな手順を踏みつつ、時間をかけて彫って行ったことから、以外と時間がかかった。そのため、12月中に完成すると宣言したものの、何か怪しくなってきた様子なのだ。

上は23日だが、最初の写真からここまで3日かかっている。目を彫り込んだりしていたものの、それほどに作業が細かくなっており、見た目だけでは大きく変化していないようにも見える。実はその通りなのだが、まあ、これもやむを得ないと思っているところ。それでも、ほぼ完成に近いぐらいに進んでいるのが分かる(と思う)。

さて、例の通り彫刻刀で彫った後の「やすりがけ」を行ってみた。結果は下の写真だが、これは24日の写真だ。

この写真ではほぼ素彫りの完成・・と思ったものの、どうもまだ細かい作業が残っている気配。一応はその部分を鉛筆で書き込んでみたのだが、まだ多いね。しかも眼球部分は「真鍮製の眼球」を付けるつもりだから、その金工作業は全く手を付けていない。

「頼政」の時に失敗した真鍮製の眼球を再利用しようと思い、取り出して眼球部分に当ててみたのだが、大きさが合わない事が判明した。サイズが大きすぎるし瞳の部分(黒目)の穴が大き過ぎた。うーん残念だが新しく作り直す必要がありそうだ。まあ、しゃーないね。更に日数もかかりそう。

さて、最後に裏はどうなったのか。上の写真が裏彫りだ。取りあえずはほぼ終わっており、あと少し修正すればOkだろう。この作業も含めて、一気に素彫り完成とは行かずに、ちょっと足踏みをしているところかな。

 

 

今日は「クリスマスイブ」だ。さっきちょっと車で外出をしたら、ずいぶんと道路が車で混んでいた。まあ、日曜日でもあり、クリスマスイブなら道路が混み合うのは当然だろう。さて、我が家は「じじばば」しかいないので、単なる日曜日であり、当然として特別なイベントは何もない。

というあたりで、今年のブログ更新はこれでおしまい。

さてさて、来年もブログ更新は出来るのかな・・・でした。

閲覧者の皆さんは、良いお年をお迎えください。

 

それではごきげんよう。

 

 

 

 

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生成り4 その1

2017年12月17日 | 能面

前回話していたように、このたびは予定通りに作業が始まっている。課題はタイトルにもあるように「生成り(なまなり)」だ。今回も、すでに作業開始から一週間ほどが過ぎているから、写真をメインに紹介する。

そもそも生成りとは、女面の進化である。進化と言うよりは悪化かも知れない。元々は恐らく「若女」から始まって、それが憎悪に満ちた「般若」になる過程の、途中の表情である・・と言われている。

般若のお面が角を立てて牙を剥き、眼光鋭く「憎悪に満ちた女の表情・姿」であるとすれば、若々しい女の表情から恐ろしい憎しみに満ちた表情にたどり着く間の、心が大変身する、ある時期の女の恐ろしい表情なら納得が行く・・であろう。従って、それらの表情を表現することが第一であるなら、般若に匹敵する恐ろしい表情にならなければならない。

で、それがうまく表現できるかと言えば、なかなかそうはならないところでもある。ま、難しいのかな。

ということで、まずは見本とした先生の彫った生成り、次に私が平成16年に彫った生成りを、ちょっと紹介する。

下は先生が彫った見本。実は先生は私より年下の女性であり、そのあたりも考慮しよう。

下は私が彫ったもの。去年彫った3個目の生成りだ。形は似ているが、恐ろしさがちょっと弱い気もする。これは、彫った人の性格が表れるから、しょうがない。

で、作業開始。下は単に材料に図面をあてているだけ。10日の状態だ。

下は11日。周りを切り取って、表面をちょっとだけ切った状態。

下はこのお面の特徴でもある「つの」の部分。般若と違って、まだ伸びきっていないので、短いために頭の部分と一体で彫っていくのだ。これは12日の作業。

下も12日だから、だいぶ頑張っている気配が見える。大まかな姿はすでに見えるね。

さて、15日になると高さが足りない鼻の部分に木片を載せて、整形していたところ。また、他の部分にも手を加えており、けっこう姿が見えるまでになってきた。よしよし、順調だ。

そこから更に、口の部分・・と言うよりは口元の深く下がった部分を所定の寸法まで彫り下げ、形を整えていくと、こうなるのだ。これが16日だ。

ここまで来れば、裏はどうなっているのか?もちろん、表面と平行して裏彫りも行っている。今日が17日なので、午前中は第2回目の裏彫りを行い、かなりの深さにまで彫り進んでいるところ。ただ、彫り過ぎに気をつけなければ、口元に穴が開いてしまうから要注意だ。

と言う具合で、当初の予定通りに作業が進んでおり、いかにも順調である。もっとも、今月いっぱいで素彫りを完成させる予定だから、あと2週間を目一杯使って作業を進めて行こう。

今月のブログ更新は今回で終わるつもりだったものの、どうももう一回程度は更新が出来そうなので、来週あたりに最後の更新をすることにする。その頃はすでに素彫りが終わっている・・・はず。

 

 

 

 

 

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黒式尉6 その2

2017年12月10日 | 能面

黒式尉は、他の能面と比べても小さいとはいえ、女面よりも細工は細かい。従って作業工程はそれなりの日数はかかる。それでも最近の作業そのものの進み具合は、とにかく早めに進んでいる事も事実なので、それなりに早く出来上がったと言う具合だ。

上は4日の出来具合だ。額のしわや頬のしわなどは彫り上がっており、見るからに完成間近であろう。この後の作業と言えば、目、口の中、おでこの上部分、あとはそれぞれの毛穴をドリルで開けていけば、完成だ。

これが全体像。上に書いた追加の作業はほぼ終了し、もちろん裏彫りも終わっている。これは7日の姿なので、これで素彫りが終わったと言うことにする。本当は、顎を切り離して完成なのだが、もう少しの間、この状態で細部をよく観察して、修正するところを探すことにした。顎の切り離しは、彩色直前にするつもり。

彩色はまだしない。予定では12月にもう一個何か別のお面を彫って、素彫りが3個になった時点で彩色を始めるかも知れない。あるいは、更にもう一個まで待つか・・・

いずれにしても、今のところはあと一個のお面を彫るまで待つ事になる。そのお面は「生成り(なまなり)」になる予定。すでに、今日10日には手持ちの材料に型紙を転写しているから、明日あたりには最初の作業開始となる・・・予定。

 

そうそう、黒式尉6の「その1」で、材料の寸法を間違って書いていた。本来は「mm]で表記するところを何と「cm」と書いたのだ。単位の間違いなのだが、これをアップロードするまで気がつかなかったという話。もし、「cm」が事実なら、巨大な能面が出来てしまうから、これは大変な事でしたよね。

ま、認知症が進んでいる気配もあって、それを防止するために手先・指先を動かし、脳の活性化に努力、更には毎日1時間のウオーキングも実行しているのに、なんと言うことだろう。うーん・・・である。

 

今年はあと一回ほどブログを更新する予定だが、タイトルは恐らく「生成り4」になると思う。

 

 

 

 

 

 

 

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黒式尉6 その1

2017年12月03日 | 能面

「頼政2」が終わったので、その後のつなぎを決めた。「黒式尉(こくしきじょう)」だ。これに決めた理由はただ一つ。材料の大きさの関係で、これしかないと言うあたりだろう。とにかく、数多くの能面の中でもサイズが一番小さいと思われるのが、この黒式尉である。横幅はおおむね140cmあるものの、縦が165cmしかない。各種の女面でも210cm以上はあるなかでは、150cm以下のお面はこれだけ。ただ、同じ黒式尉でも、もっと寸法が大きなものもあるから、一概には言えないかも・・・。

で、なぜこんな寸法になったのかと言えば、手に入れた材料の長さが370cmだった。厚みは75cm。この材料を有効に使うためには、それに見合った能面の選択が必要。それの解決策は材料を切り分けることだ。それが1個は220cm、もう1個を150cmに切って、2個のお面材を作ること。そうして2個の材料が出来上がったと言う具合だ。そのうちの1個で今回は黒式尉を彫る事になったから、残りの1個は女面を彫ることになろう。あるいは寸法に合った、他のお面になるかも。

さて、それでは例により作業が結構進んでいるから、写真をメインに紹介する。

下が見本だ。もっともこれと同じになるわけではないが、単なる参考見本。

下は11月24日の姿。ただ、面取りなどの実際の作業開始日は23日から。

下も24日だが、上の段階から表面をちょっとだけ彫ったあたりかな。いわば上の写真は午前中の作業結果。下は午後の作業結果という当たりだろう。

下は25日。表面の型どりから気合いを入れて、かつ慎重にノミを使ったところだ。

下はだいぶ進んでいる様子の27日だ。上の写真から一日おいただけでも、結構作業は進んで見えるから、順調、順調!! ただ、腕、肩は痛いままなのだが・・・

下は28日。一気に進んで見えるものの、これでも一日の作業内容である。

下は11月30日。もうずいぶんと作業が進んでおり、もちろんその間にも裏彫りは2回目が終わってるから、この部分も最終段階になってきた。

下は12月3日の結果だ。すでに12月に入っているが、その間は細かい修正や裏彫りの最終段階を終えて、例の通り表面を滑らかにして具合の悪いところを確認している。

 

こうしてみると作業開始が11月22日だから、まだ10日ほどしか経っていない。それで、ほぼ8割方出来上がったというあたり。これも早い早い。「頼政」も早かったが、それに負けないぐらい今回も早いと言える。何でそんなに早いのか?

いや、別に作業を急いでいるわけではなく、単に毎日、日課に沿って時間を決めて作業を進めた結果である。もちろん、技術が向上しているとも言えるが、それよりは過去に同じお面を何個か彫っており、参考になる実物も手元にあって、それを見ながら作業を進める環境にあるために、作業の条件が良いのだろう。ちなみに今回は「黒式尉6」だから、この種類のお面だけでも6個目なのだ。

このまま行けば、素彫りはあと1週間もあれば完成するかも知れない。まあ、その後は残った材料を使って女面を彫ることになり、12月分はそれで間に合うからOKかな。

今年はそれでおしまいとしよう・・・・

 

 

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