わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

小面5 その4

2017年09月22日 | 能面

今日は22日だ。彩色を始めて数日が経ったが、その間は4個のお面にそれぞれ彩色を施していた。

今回は「小面5」のページに、出来上がったお面の全部を載せて、一段落をさせるつもり。従って、4個のお面をそれぞれ写真で紹介し、区切りを付けてしまうことにしたと言う具合。

下は裏彫りが終わったお面に、黒と茶色の工芸漆を混ぜて塗ってみたところ。写真では真っ黒に見えるが、 実は若干茶色が混ざっている。まあ、こんなところか。14日の段階だ。

下は表面の具合だ。今回は同じ色を使うのではなく、それぞれのお面を若干の色違いにしてみた。本当は一色の方が簡単なのだが、あえて色違いを表現してみたという具合。ま、単なるこだわりでもあるが・・・ただ、口紅は過去に使った色が余っていたから、それを使ったまで。こちらは4個とも、同じ色だ。18日。

下は21日だ。すっかり出来上がっているが、まだ「古色」を使った仕上げではない。その前の段階かな。

で、これから下の写真は古色を使い、仕上げをしたお面を紹介してみよう。これらは今日、22日の写真だ。

まずは「若乙」だが、こんな具合に仕上がった。

下は「童子」だ。初めて彫ったお面だが、似たようなお面に「慈童」があり、眉毛の形が違うものの、全体的にはほぼ同じかな。顎の部分を補修していたが、色を塗ったら見えなくなった。

下は「孫次郎」だ。原型は「小面」だが、孫次郎の妻の姿だと言われており、「小面」よりはわずかに年齢が上らしい。

これが、あの堅い材料で彫った「小面」である。こうしてみれば苦労した割には、その苦労が見えてこない。あの堅い材質を表現するのなら、彩色をしないで素彫りのままのようが良いだろう。ただ、鼻の部分の高さ不足を補うために継ぎ足しており、その部分が他の木目と色違い(と言うより木目が合わなくなった)になったことで、それを隠すためにも彩色を実行してみたというあたりかな。

参考にした写真と比べても、ちょっと初々しさに欠けるが、これは腕が悪い証拠でもある。ははは。

せっかくなので、完成した4個のお面を2個ずつに並べて見たところが、下の写真だ。「若乙」「童子」

下は「孫次郎」と「小面」を並べて、比較してみたところ。何やらほぼ同じ出来具合だ。本当はもっと形や表情が違うはずなのだが、何と言っても同じ人物が彫ったことで、ついつい出来具合も似てしまう。これでは具合が悪い・・が、まあ、彫った本人が一人で眺めて満足していれば、それはそれで誰も文句は言わないので、結果オーライだろう。

と言う事で、このシリーズは9月を持って終了した。うーん、ちょっと長かったかな?

来月からは能面教室の新しい課題である「頼政(よりまさ)」が始まる予定。

 

 

 

 

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小面5 その3

2017年09月09日 | 能面

堅い材料の「けやき」を使った、入門用の能面を彫っていたのだが、概ね素彫りが出来上がってきた。と言うよりは、これで素彫りが完成したと宣言しよう。これ以降はちょっとした修正だけを行い、大きな作業はしないつもり。また、彩色もしないつもりだ。

と言うのも、この大変な作業の姿は、木目をそのまま見せた方がインパクトがありそうなので、それを彩色で隠してしまえばもったいない。で、あえて彩色を行わず、この状態で放置をしておいたほうが、なにかと苦労が報われる・・かも。

このお面の作業は、これまで書いてきたように、とにかく手首、腕、肩などに過度の負担がかかる作業だった、従って、それぞれの部位に湿布薬を貼りながら、何とかここまで来たから、今後はこの材料での能面製作はやらない。

ケヤキの材料は大きな能面用が4個、小さい女面(少年の面)用が1個残った。せっかく貴重な材料を知人から貰ったものの、もったいないとは思うが身体を壊したら何にもならない。ただ、この材料を使った感想としては、材料が堅いことで能面の出来具合がしっかりしており、恐らく精密な仏像を彫ったとすると、実に具合が良いだろうと思ったところ。

まだ無理の効く元気のある50歳~60歳台なら、勢いで彫っていけば良質のお面や仏像が出来るだろう。しかし、私のような70歳台ではいささか荷が重かった。

最初の写真は第一の参考にしていたが、上の写真もネットから検索して参考にしていた。3面の小面の写真を比較するとほぼ同じ表情であり、これが本来の小面であろうと考える。自分の作品もこれに近づこうとして頑張ったのだが、どうも違うようだ。まあ、これもやむを得ない事だ(当然か)。よく物作り職人が言う言葉に「これで良いと言う事は無く死ぬまで勉強」なのだろう。納得、納得。

今後は少しの期間、休憩をして、素彫りの終わっていた孫次郎、童子、若乙の3個の彩色を始めて、体調管理に努めよう・・・というあたりでした。

 

 

 

 

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小面5 その2

2017年09月03日 | 能面

前回が8月25日の紹介だが、上の写真は翌日の26日だ。まじめに作業をすると、一日でこの程度まで進む。ただ、前にも書いているように、材料が堅いので、かなりの苦労をしながら作業そのものを進めているところ。

上は29日の写真だから、最初の写真からすでに3日経っており、だいぶ進んで見える。それは事実であるものの、実は裏彫りにも力を入れて彫っており、こっちの作業の方が大変だった。

これが裏彫りの第二段階。8月30日に撮った写真である。最初は木工用のドリル刃を使って、ある程度の深さに穴を開けた。その穴に合わせて丸ノミを使い、気合いを入れつつ慎重に打ち込んでいく。堅い材料である事から、電動ドリルを使って穴を開けている時も、刃が摩擦熱で、手で触れないほどに熱していた。これは初めての経験だ。

丸鋸を使った時にも、刃が摩擦熱で材料に黒い跡が付くほどだった。その状況がドリル刃を使った時でも再現したのだ。これは大変。

これは9月3日のもの。裏彫りの写真だが、かなり進んでいる。ここまで出来上がるのにも大変な労力が必要であり、苦労をしたところだ。ただ、通常の「小面」では、もっと裏彫りを深くするのが普通なのだが、余りにも材料が堅いために手を抜いたところ。従って、恐らくこれ以上は深く彫ることはないだろう。とにかく、腱鞘炎にかかったと思うぐらい、手首が炎症を起こしている気配もあって、無理が出来ない。同時に右腕も上腕部分が痛くなっており、こっちも含めて無理は出来ない状況だ。湿布薬のお世話になりつつ、作業管理をしている。

で、これも3日の状態だが、口の中は裏まで通っている。また、鼻の穴も裏まで通っているから、お面の表面としては8割方の出来具合だろう。これ以降は目の部分を、これも慎重に彫っていけば、9割方の完成となる。ただ、全体的に見ていくと、まだまだ表情やそれぞれの目、鼻、口などのパーツ部分が型紙とは違っており、それをどう攻め込んでいるかが課題になり、かつ重要でもある。

 

たしか8月20日あたりから作業を開始したから、今日でおおむね2週間ほどだ。材料が堅くて順調に進んでいるとは言えないものの、かなりの速度で作業が進んでいることが分かる。これだから「腱鞘炎」になるのも当然かも知れないので、今後は一日の作業時間を短縮し、身体を休めつつ毎日を過ごす事にしよう・・・かな。

 

 

 

 

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