わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

大飛出 その3

2014年12月26日 | 能面

大飛出も仕上げの段階である。前回からすでに1週間も経っているものの、その姿は余り変化がないように見える。しかし、よく見ると、割れ目の補修場所が増えているのだ。これは、彫り進んでいた時にも割れ目があちこちに発生して、その都度、その部分を補修していたため。

当初は、顔の左側が分割した。その後、右目から額にかけてひび割れが発生した。次に左目の上側の額部分にも割れ目が発生、更に左側面の上部にもひび割れが発生して、ここも補修。また、左顎付近にもひび割れが出てきた。もちろんここも補修済み。

と言う具合に、とにかくひび割れが多く発生して、その都度補修の作業を行っていた。もちろんその部分が乾燥するにも時間がかかり、その間は彫る作業を中断した。

もっとも、これは空気が乾燥している冬の時期に、ストーブを使って部屋がすっかり乾燥している事にも関係がある。部屋の湿度は30%だ。本当は50%は欲しい。加湿器を使えばOKなのだが、残念ながら持っていない。買おうと思って電気店に行き、下調べもしたが購入まで至っていないのだ。

http://ctlg.panasonic.com/jp/kashitsuki/kashitsuki/FE-KFK05.html

たしか去年も買おうという気持ちがあったはず。が。買わなかった。ケチなのだ。もっとも、年間1~2ヶ月ほどが乾燥する期間だし、それが過ぎれば余り使わない電気製品ということもあって、費用対効果が低いと考えてしまう。

材料の質が悪かったという事もあるが、理由はどうあれ、能面を作るには環境がよろしくない。これは人にも悪いようで、インフルエンザにかかり易い環境だそうだ。自分も高齢者だから「気をつけよう」と言うことか。

これで今年最後の投稿になる。

来年も元気に能面作りを投稿しますので、暇な方は見て下さい。

 

 

 

 

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大飛出 その2

2014年12月18日 | 能面

頬の部分に補充した木片を、うまい具合に削ったところ。また、前回の写真から作業は進んで、口の周りを幾らか彫ってみた。このあたりまで来れば顔全体の形が見えてきているから、あとの作業がしやすい。

ところで、この材料には欠陥があり、向かって左側に大きな亀裂が入っていた。これが「安かった材料費」の原因でもあり、それを承知で代金を払ったことも事実。普段の価格の約半値以下だったから、それなりに質の悪い部分は補修をしつつ彫っていけばよい。そのぐらいは能面彫り10数年選手なら当然であろう・・・と言う考え。ただ、この亀裂は、表面だけではなく裏側にまで達していた気配。

さて、あるとき(と言うよりは数日前)に、亀裂が入っていた割れ目が裏側に達して、突然ぱっかりと割れてしまったのだ。ちょうど亀裂を境に2個の部材になった。単なるひび割れではなく、顔面が2個に分割したのだ。さあ大変。

そこで、すっかり2個に分割した部分を、木工用ボンドと鋸屑を使った補修材で覆って合体する事にする。最初は全体を合体させ、1個になった時点で顔の表面に出ている割れ目の部分を、更にV字形に削って、その部分にも補修材を盛り、整形したのが下の写真。

上は18日の写真である。顔の向かって左側に補修した線が見える。これは頭頂部から顎の部分まで繋がっているのだ。もちろん口の中にも補修した跡が見えるが、裏側にも同様の補修の跡が残っている。

今のところは「補修完了」だから、このまま彫り進めても良い。裏彫りもある程度深く彫っているし、口の付近もそれらしく見えるようになった。ただし、この質の悪い材料には、他にも「ひび割れ」が数カ所見えている。今後はその部分の補修もする必要がありそうだ。

さて、実質的な作業開始が11日だから、まだ一週間ちょっとしか経っていない。それで、大きく分割した材料を補修しながら、ここまで進んでいるから、作業は順調と言えるだろう。また、この大飛出の完成予定は来年の1月頃になると思う。もっとも年末を控えてはいるものの、まだ充分に時間もあるし、気分的にも余裕なのだ。

 

 

 

 

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大飛出 その1

2014年12月12日 | 能面

いよいよ今年も終わりそうになってきた。能面教室の鼻瘤悪尉は、ちょっとの間(と言うよりは2月まで)放置して、その間は能面塾の課題を作ることにした。

10日にあった能面塾では、完成した「不動」を持参して仲間の評価を受けたが、ま、それなりにお褒めの言葉を頂いた。もっとも、「これはたいしたことはない」と言えるのは、あの金沢市で行われた能面展で入賞した先輩だけだろう。それでも面(能面ではなく作った本人)に向かって「たいしたことはない」とは言いにくいから、「まあまあ」的な評価をしていた。もっとも、私も「眉毛の書き方が失敗した」と思っているので、特別、上手に出来上がったとは思っていない。だから、それはかまわない。

さて、先生から材料を入手したので、今回の能面塾の課題は「大飛出(おおとびで)」だ。参考にする能面は上の写真。これは古い面を写真に撮ったもので、これを元に図面を起こし、作成に入ることにした。また、この「大飛出」は、今年の6月から7月にかけて、すでに作っている。ただ、別の見本写真を元に作っており、今回が2個目になるものの、見本の写真が違うので、今回の仕上がりも1個目とは表情も違ってくるはず。

作業開始が昨日11日。これは11日のもので、ここまで進んだ。この時点では、前回失敗した「頬の部分の切り取り過ぎ」を見越して寸法を決め、きちんと余裕があることを確認したあとに余分なところを切り取ったところ。ところが、しみじみと眺めているうちに、どうも今回も若干切り取り過ぎた感じがして、寝る前に「頬の部分」に木片を補充したのだ。それが下の写真。

これは12日の姿だが、夕べの段階で木片を補充したために、どうも妙な形になってしまった。しかし、これもうまく整形するための手法と考えて、そのまま作業を進めているところ。ただ、この部分が本当に必要だったのかは、このあとの彫り具合にもよると思う。というのも、図面を採寸するときには、充分間に合うつもりで寸法を測っており、それに合わせて材料に寸法を書き込んでいるため、その通りに彫っているなら本来なら間に合うはず。

ま、一応は安心のために木片を補充しているから、場合によっては不要だったと言う結果になるかも知れない。そのあたりはお楽しみとして、このまま作業を続けていくことになろう。

 

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鼻瘤悪尉 その6

2014年12月05日 | 能面

いよいよ素彫りの最終段階だ。

表面は概ね完成しており、それに合わせて裏彫りも(一応)終わっている。一応と括弧が付いているのは、過去に作った鼻瘤悪尉と比べてみても、まだ若干肉厚であり、気合いの入り具合もちょっと少ないと思うから。もう少し裏彫りを深くしても良いほどの材料に厚さが残っているので、気合いが足りないと思っている。

ま、そのあたりは見ないふりをして、真鍮板を使い、眼球を作ったところだ。今回も眼球がくぼんでおり、かつ、まぶたの部分が垂れ下がっている形になっている。そのため、真鍮板で眼球の形を作ってはめ込もうとしても、頬の部分と垂れ下がって見えるまぶたのおかげで、すんなりとはめ込みが出来ないのだ。いわゆる「引っかかっている」状態になって、奥に入らない。

この部分では、真鍮板と木の部分を慎重に切ったり彫ったりしながら、かなり細かい修正をしつつ「はめ込む」ことに成功したのが上の写真。この眼球を接着剤で貼り付ければ完成だ。

3日(水)の能面教室では、数人の先輩生徒の作成過程を見てみたが、いずれも私よりは遅れている状態だ。ある人は全く始めていない、ある人は中彫り段階、また、ある人は仕上げの前の段階であり、私だけがほぼ完成した状態となっていた。これらの違いは「製作過程に同時進行をする必要はない」事もあるが、最大の理由は「自分の都合で作業が進んでいる」というあたりだろう。従って、毎日作業を行う私は進み具合が早いのは当然として、日常が忙しい人は遅れるという具合。

ということで、この能面の今後の予定は、このまましばらく放置しておき、まだ手を付けていない能面塾の課題を決めて、それが完成したら、2個を同時に彩色に入ると言うことになろう。

能面教室:市公会堂で行われている各種教養教室の事業の一つ。

能 面 塾:能面の先生が主宰している能面塾。

私は両方に加入しているので、記述の中でも混在した表現が出てくるので注意が必要。

 

 

 

 

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