ここは死者の霊が集まるという霊場である。日本三大霊場の一つであり、本州最北端下北半島の地にあり、「霊場恐山」として知られている。
北のはずれにあることから、あまり一般的ではないが、信ずるものは遠くも近くも関係ない。7月の大祭典、10月の秋詣りには全国から信者(とは限らないが)が集まって賑わいを見せる。特に「イタコ」は有名で、多くの人が涙を流す姿を毎年テレビで見ている。
恐山は山門から本堂までの伽藍よりも、その左側に広がる火山灰(火山礫か)の丘が有名で、そこに点在する石塔や石仏などに風車がからからと回っている姿が、いかにも黄泉の国の風情があり、霊場の要にもなっている。ここを巡って、死者と語らい、想いをはせる事で、死者の魂に接する事が出来るという。
この現世とは違う風景を通して死者の魂と通じ合い、心に安らぎを与えて貰ったことで、現世に戻り、再び生の道を歩むという繰り返しが人生となるのだ。
極楽浜と言われる湖を背中に、地蔵菩薩が鎮座している。火山ガスが噴出する岩肌の一帯は地獄と呼ばれるのに対し、湖の浜は極楽といわれる。
この宇曽利湖は硫黄分が多く、長い間生き物はいないと言われていたが、調査の結果。近年になって「うぐい」が生息している事が判明した。強い硫黄の臭う湖に、なぜ淡水魚が生息していたのかよく分からないが、長い時間をかけて異質の水に耐えてきたのかも知れない。