わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

猩々 その3

2010年06月26日 | 日記・エッセイ・コラム

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大失敗したところ。過去に類似の能面をいろいろ彫っていたことから、目の付近を大胆に削っていたのだ。これはこれで良いのだが、その程度が行き過ぎたようで、目の形を彫った後に寸法を測ったところ、大きく低いことが分かった。彫りすぎたのだ。

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で、その部分を修正するために「のこくずと木工用ボンド」を混ぜたものを盛りつけて、高さを確保したところ。一晩おいて形を整え、目の部分を書いてみたのが上の写真である。で、何で失敗したのかこれを考えてみたのだが、結局はこれまでの女面を作成する段階で、目の部分はいつも高めに出来上がっており、それを過剰に意識したまま大胆にノミを入れてしまった・・・というあたりか。

この「のこくずと木工用ボンド」での修正は、先生からも聞いていた方法だから間違いではない。昔に仏像を彫る(作成)ときには「こくそうるし」と言って木くずと漆を混ぜたものを木型に塗り込んで作る方法があった。漆とボンドの違いはあるが、この「こくそうるし」と似たような成分だから修正用にも使えるのだろう。

Img_1888asmall

二日ほどかかって修正した部分に目を彫り込んだところだ。修正用ののこくずだけでは隙間が出来るようだから、木工用パテを塗り込んで細かい隙間を埋めて、慎重に目の部分を彫り込んだ状態である。何とか上手く修正できたと自分では思っているが、とにかくは最初から間違わないことが肝心であることには変わりはない。鼻と口の部分も彫ってサンドペーパ-をかけて滑らかにしているが、このぐらいまで復元出来れば、とりあえずは一安心というところであろう。

前回彫った「おおべしみ」でも目の部分で5mm ほどの採寸間違いがあった。慎重に進めているはずの作成作業に、どうも気が抜けている部分が出始めている。これも、10年もやってきた能面製作に変な慣れが出て来ているためだろうが、いずれにしても「初心に戻って」作業を進めなければ、いつの日か彫刻刀で大怪我をするかも知れないという警告かな・・・

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猩々 その2

2010年06月11日 | 日記・エッセイ・コラム

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7日までの姿。今日は11日だが、この間は「おおべしみ」のほうを重点的に作業をやっていたのであまり進んではいない。もっとも、この姿で16日の教室に臨む考えだから、早めにこの段階まで彫って、他の日は別の作業をしていたというところか。

2日に材料を手に入れ、3日からすぐに作業を始めていたが、「猩々」の作成開始と同時に「おおべしみ」の作業もやっており、結局は7日の段階で予定の工程を終えたのだ。従ってこっちの作業を一時中断して、「おおべしみ」の彩色作業を進めていったと言うことになる。

まだまだ作成の先は長い。特に急いですることもないし、それでなくても私は人より早く作業が進んでしまう状態だから、のんびりしていなくちゃ・・・

いま、右腕や肩のあたり、手首などが痛い。貼り薬を張っているがさっぱりと効き目が出てこない感じもする。張ったときは「効いているかな?」なんて気もするが、翌日になっても変化はないようだ。単なる筋肉痛ではないのか、使いすぎなのかはよく分からないが、恐らく「腕の使いすぎ」であろう。「おおべしみ」の作業開始前にはこんな事はなかったからね。

ま、いずれにしても歳なのだから、気を遣ってのんびり作業をしなければ・・・・

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おおべしみ その4

2010年06月11日 | 日記・エッセイ・コラム

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さて、だいたい彫り進んだところで目玉を作ることにした。この目玉は色をそのまま塗っても良いものの、真鍮板で作るとまた見た目がよい。と言うことで、作ってみた。目玉の形にアルミホイールで型どりをして、それに合わせて真鍮板を切り取り、穴の開いた台と先っぽが丸い金槌を使って眼球の形に叩いていく。写真は途中経過の姿だ。

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能面の眼球の形に合わせて真鍮で作った目玉の縁を切り取り、うまく収まるようにするのだが、これが難しい。なんと言っても相手は半円球 の眼球だし、真鍮は金属で形を打ち出すのが大変。この作業をしつこく行わなければ、きれいな眼球の形にはならない。しかもただの半円球ではなく変形した形になっている。ここが腕の見せ所だろう。ま、たいした腕ではないものの、一応は能面の目の部分に収まるところまで行ったところ。もちろん瞳の穴も開けており、完成品を取り付けた姿である。

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上の写真の姿に下地塗りと仕上げ塗りを施したところだ。例の通り下地は白い胡粉を3度ほど塗り重ねた。と言うのも材料が桐の木だったことで、木地が柔らかいためにしみ込みが多く、通常は2度のところ3度にしてみたものである。ところがそれでも木目が見える格好になってしまった。更に仕上げとして、肌色に調合した胡粉をを2度ほど塗っているのだが、特に下あごの部分で木目が見えるのが分かるだろう。

これまで使ってきたひばの材料では、こんな事はなかった。木地も堅くしまっており、木目にしみこんだりしないから、胡粉を塗った場合もつややかな胡粉だけの表面の姿を現す。したがって、今回は材料の関係からやむを得ずこんな状態になったので、諦めるしかないと思う。もっとも、自分が知っている手法で彩色をした結果であって、もっと上手な方法があるかもしれないから、一概に桐材の能面が悪いと言うことではないだろう。

今年の1月以降、能面作成の作業をやっていなかったから、勘を取り戻す目的もあって、手に入った桐材で作成を始めたものの、結果としては不完全なものになった。まだ完成したわけではないが、せっかくここまで来たのだから、この後は彩色と言うよりも化粧(色付け)をして完成品にすることになる。この作業は「猩々」を作りながら行う予定なので、もう少し先になりそうだ。

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金魚危うし

2010年06月06日 | 日記・エッセイ・コラム

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我が家の金魚。よく見たらなぜか逆さまになっていた。この金魚はもうずいぶんと前に購入したものだが、いつ買ったかも忘れるぐらい前のことだから、数年単位で昔のことだろう。だから、老衰したのかもしれない。3日に水槽の清掃を行っていたが、そのときはまだ上を向いていたと思う。が、昨日見たら写真の通り浮いていた。まだ呼吸をしているが、元に戻ろうともがいているものの、すぐにひっくり返ってしまう。

で、大きさが実に20cmはあろうかと思われるほどに成長していた。しかも頭部が盛り上がっており、単に太りすぎとも思われないことから、もしかして「らんちゅう」の仲間のようだ。そんな金魚を買った覚えはないが、小さい一匹が数百円もした記憶があり、やはり「らんちゅう」かもしれない。いやもしかして病気だったりして・・・

Kingyo02

6日の朝に見た状態。これが正しい姿なのだが、午後にはまたひっくり返っている。一度この状態になると、なかなか回復しないようで、さすがに今回でおしまいになる可能性が大きい。しかし、この金魚かどうかは知らないが、4年前に卵をたくさん産んでおり、それを飼育していたのだ。数十匹もいたのだが多くを人に分けてやったりした結果、今は16匹がもう5cmほどに成長して60cmの水槽2個に分けて育てている。

ということで、子孫も残していたから、今後は安心して肥料になっても良いと思う。長期間楽しませてくれた事だから、死んだら庭に穴を掘って埋めることにするか。そのぐらい大きくなってしまったと言う話。実は、我が家にはこの金魚よりも更に長老が居るのだ。これは別の水槽に入れているが、まだひっくり返っては居ない。恐らく10年以上は経っているかも。

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猩々 その1

2010年06月04日 | 日記・エッセイ・コラム

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猩々(しょうじょう)と読む。「酒を飲んで舞い戯れる妖精の面」という解説がついてる。見る限りでは本当にそうなのか定かではないが、そう書いているのであればそうなのだろう。男面か女面かも見ただけではよく分からない。ま、妖精と言うぐらいだから女面であろう。であれば可愛く彫らなければならないが、あまり可愛くない。

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3日に撮ったもの。ヒバ材料に図面を載せただけで、まだ作業は始まっていないが、今年度最初の課題が「猩々」と言うことになった。上にも解説を書いたが、前回の若女に続いて女面になり、作業は容易であろう。ただ、顔を輪切りにしたような細かい図面はなく、他には横顔の高さを記した図面だけが渡された。それを参考に能面彫り10年選手の腕を持って彫り進めることになる。また、先生や弟子が実際に作った面があるので、それを参考にしながら立体図形に彫り進めることになるので、次回の教室にはデジカメを持って行って撮ってこなければならないだろう。

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上の姿は昨日に引き続き、今日の午前中に行った作業の結果である。ヒバ材のブロックを、丸鋸を使って45度に切り落とし、顔の輪郭の沿って角を取っていく。そうして、その部分を彫刻刀でいくらかなめらかになるまで削っていったところだ。まだどんな能面が出来るのかは分からない段階ではあるが、形からして女面であろうと推測できる・・・とは限らない。あの「十六」は女面からちょっとした細工で男面になってしまった経緯もあるのだ。

さて、おおべしみの作業もおおむね終わって一段落しており、こちらは更に細かい修正作業を行いつつ、「猩々」も進めていくことになった。種類の違う能面を同時に彫っていくのは初めてであるが、大物の能面制作作業をわずか2週間ちょっとの短期間でやってきたことで、肩や手首が痛い。今後は少しのんびりと制作の作業を進めなければ、前にかかった腱鞘炎に再びなってしまいそうだ。要注意なり。

陰の声:もう歳なんだからあまり頑張らないように。。。。

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