最近出来上がった「壺」だ。陶芸については随分と前に書いていたことがあって、それ以来の書き込みである。だからもう数年は経っているのかも知れないが、陶芸は相変わらず続けていた。本当はすっかり上手になって、教えても良いぐらいに上達しているはず。ところが、だ。どうしたことかさっぱりうまくなっていない。これにはいくつかの理由が考えられるが、それが解決される予定はない。
そもそも陶芸に限らず、趣味は常に身近なところで練習を続けていなければならないと思っている。幸いにして能面の場合は、自宅で作業の全部が完結できる環境にある。だから、毎日いやその気になれば朝から晩まで作業が出来る。従って自分では上手の部類に入ると思っている。しかし陶芸の場合は、週一回、公会堂での約2時間強の集まりで作ったり削ったり焼いたりと、各種の作業を行っている。自宅では一切作業はしていない。だから、製作にじっくりと時間をかけたり出来ないのだ。本当は毎日作業を行い、手で、体で覚える必要があることでも、それが週一回では覚えるよりも忘れてしまう方が早いのだ。したがって、いつまで経っても上達しないという結果になっている。
まあ、上達しないことを環境のせいにしているうちは、技術もこの程度だろう。「体験している」段階なのかも知れないが、陶芸を始めてから5年以上も経てば、そろそろ電動ろくろを自在に使いこなして、大物がもたやすく作れる時期のはずだ。が、それが出来ない。初心者が最初のに覚えなければならないと言われる「菊練り」すらまともに覚えていないのだから、電動ろくろなどまだまだ先の話だろう。
ということで、上の壺はなにか。実はこれは壺ではない。花瓶なのだ。しかも失敗した花瓶に細工をしてごまかしたものである。当初は外側がふくらんだ花瓶を作っていたのだが、口の付近で失敗し、そこを切り取ってしまった。そのままでも花瓶だったが、それでは格好が悪いので、別に筒を作って中に入れた。そして口の部分を細工してごまかした。その後、削りの段階で外側のふくらみに穴を開けて、中空にしたものなのだ。
私は知らなかったが、こんな作り方もあるようで、名前がついているらしい。失敗作をごまかすにしても、この程度に加工すれば名前がつくとは驚きだが、将来はもっと大物を作ってみたいものである。ちなみに今回作った花瓶は高さが約10cmほどの小さいもので、あまり見栄えはしない、ただ、時間を掛けてじっくり作れば、もっとおもしろいものが出来るという見本であろう。