わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

喝食 その2

2013年12月24日 | 能面

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喝食はこの時点で作業を中断している。18日の段階だが、この日は能面教室でいくらか作業を行い、ここまで進んだ。

面の大筋はすでに見えているから、この後の作業はそれほど大変ではない。それより、2月までの教室での暇つぶしにならなければ、せっかく取り組んだ喝食の意味がない。そのために、急ぐことなく放置して、まずは「狐」の作業を重点的に進めているという具合だ。

次の教室が1月8日でもあり、このあたりまで来れば「狐」の作業も一段落をするはずだから、とりあえずはこのままにしておくつもり。



狐 その4

2013年12月24日 | 能面

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狐の裏側部分はこんな風だ。上の部分はかなり深く彫らなければならない。これは下あごを切り離すときにも必要な部分だから、早い段階で木工用ドリルで穴を開け、それを広げている。それでも材料を接合した関係から木目が垂直となり、彫刻刀の刃も欠けるほどに難儀な作業なのだ。そのため、短時間で刃先を研ぎながら作業を進めている。

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上と下を重ねてみるが、まあこんな状態。一応は耳の穴を彫ってみたり、紙ヤスリで表面をきれいにしてみるものの、まだまだ修正部分が多く時間もかかるだろう。ここでは歯(牙といった方がよい)が重要で、その部分はまだ手を入れていない。これもめんどくさいところなのだが、これを外すわけにはいかないから、これから年末にかけてじっくりと彫っていくことになる。


狐 その3

2013年12月21日 | 能面

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16日に撮ったものだ。少しだけ角を削ってみたが、だいぶ狐の形が出来てきた。今回の狐で作業が大変なところは、実は下あごを切り離すところ。赤い線が切り離す目安の所だが、この部分をただまっすぐに切ってしまうのではない。ちょっとした工夫が必要になってくる。

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裏側だが、下あごの部分に丸い出っ張りが見える。これが切り取り線の上に被さっているのだ。従って、この部分を残しつつ口先の方向に、こlこは水平に切り取っていかなければならない。そのためには丸い部分を残しながら、しかも十分に深く裏を彫って行き、上あごと下あごを分離する必要があった。で、それを注意深く、かつ、うまく切り離したのが上の写真である。

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上は切り離した部分。かなり細かい細工が必要だった後が見える。もちろん彫刻刀だけではなく木工用ドリルやのこぎりなど、必要な道具をうまく使いつつ細心の注意を払ったのだが、それでも行き過ぎなども見受けられて、補修材のお世話になっているのが見える。

この切り離しの途中にも、おおざっぱな削りを行い、形を整えて行く作業は続いているので、あちこちに丸みを帯びているのが見えるだろう。いずれにしてもなかなか大変な作業が続いているのだ。

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上の写真から更に口周りの彫り込みを行ったところ。牙の部分を残して、その周囲を彫っているが、実はこれもちょっと大変な作業だった。

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下あごと上の部分を重ねてみた。上側の造作も同時に進めており、ずいぶんと狐らしくなっていると思う。ここまで来るのに1週間ちょっとかかっているが、ほぼ毎日3時間以上の作業時間を取っているので、さすがに肩や上腕部が痛くなってきた。そのため、このあたりでいくらか作業時間を減らして、体の痛みを回復させないと、後が続かない。

と言うあたりで、今日は趣味の会の忘年会だから、これから出かける準備をしよう。



喝食 その1

2013年12月15日 | 能面

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前に作っていた「喝食」。公民館趣味の講座の課題であった「中将」がとっくに(10月末)完成して、ここ2ヶ月ほど何もしない時期が続いていた。また、来年2月までは5回ほど講座があるから、それまで更にぼーっとしているのも馬鹿げている。

ということで、先生から材料を入手したので、今年度最後の製作をすることにした。手に入れた材料の寸法から判断し、課題は「喝食」に決めたと言うこと。

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縦横の寸法は良かったのだが、高さが1cmほど足りない。仕方がないので「継ぎ足しの裏技」を使って、鼻先部分を必要な高さにした。これもタダで貰った材料の宿命だろう。13日のこと。

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14日の姿だ。裏彫りもいくらか進めているから、この後は表の表情をメインに彫っていくことになる。また、18日に行われる教室にも持って行き、久しぶりにみんなと一緒に作業をすることが出来るようになった。

喝食は2月までかかって完成させれば良いことなので、まだまだ十分に時間はある。まして、今は狐の作業がメインになっているから、これを中心に進めていくために、この喝食は時間があるときや、狐の作業が一段落したときに手を加えることになろう。

ということで、今月から一応は2個の同時彫りになってしまった。


狐 その2

2013年12月15日 | 能面

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2個を貼り付けた材料を、狐の形に切ったところ。この形は狐でも犬でもオオカミでも同じだが、一応は狐のつもりで切ったところだ。もっとも、この状態ではどんな動物かよく分からないから、適当なことを言っているのかな。これは13日の話。

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更に進めてこんな状態。これは14日。13日から比べても1日でこんなにも狐に似てきたと思う。それでもちょっと見では犬かなと見えるぐらいだから、だいぶ形が整ってきたあたりか。

で、ちょっと右耳のあたりを見ると、何やら節(ふし)が見えてきた。実は、最初から後ろに節が見えていたが、この節をうまく処置しようと思ってそれほど細かい細工の必要がない部分にくるように、面取り(木取り)をしたのだ。が、この節の行き先が見えなかったので、よかれと思いながらこの位置で2個を接合した。

さて、耳の部分をのこぎりで切っていったところ、突然表面に節の行き先が現れたという話。かなり深い位置まで来ていた。

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裏側の写真。少し裏彫りをして、節の加減を見たところだ。裏側から見れば左側の耳の部分に当たる。線を引いて「節」と書いてみた。こんな方向に節が貫通していたという具合であり、ちょっとがっかりしたのが本音だ。

1個の大きな材料が無く、2個分の材料費を出してくっつけたものの、質が悪かった。けっこう大きめの節穴が出来た。だが、これも仕方がないから「補修材」を使って穴埋めをすることになる。ちょっと残念ではあるが、良質の大きな材料ななかなか手に入りにくくなっているので、これもやむを得ないだろう。

と言うあたりで、今日は15日だが順調に作業は進んでいる。