わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

別当 その3

2018年01月26日 | 能面

完成予定にはまだ若干の期間があるものの、大筋では素彫りが出来上がった。次の通りであるが、恐らく今月いっぱいをかけて細かい修正を行う事になろう。

上は口の部分。23日の写真だ。今回は横に広がっているものの、口を開けた上下の部分が狭いので、作業が大変だった。特に舌が奥まで繋がっているのだが、狭いことから彫刻刀が奥まで入って行かない。そのため、上の歯と舌の奥の部分に隙間を作る作業が困難で、結果的には削りすぎたのだ。その部分を補修材で埋め込んで形を整えたり、つまらない作業が増えてしまった。それが下の写真。

上は25日の写真だが、上の歯の部分の修正と、下側は舌の奥の補修部分だ。こうして余りにも狭い間隔で細かい作業を行う事になったから、さすがの能面製作10年選手でも失敗するという実例。もっとも、単に技術が伴っていない・・とも言えますが・・・

こうして、24日にやっと素彫りの完成に近づいてきたところだ。これでもあごひげや脇の髭部分の穴は未完成のまま。25日には眼球部分の穴を開けている。

で、これが26日の姿。あごひげの穴と、こめかみの毛部分の穴を開けて、完成だ。紙やすりを使ってきれいにしており、ほぼ出来上がっていると言えよう。

たしか、4日に最初の作業を開始していたので、今日が26日だから概ね3週間の作業日程と言える。しかも、このお面は初めて彫ったものであり、図面はあったもののカラーコピーと比べても寸法が同じではなかった。と言う事は、カラーコピーと図面は別物であろう。

私は作業途中でも、頻繁に両方を参考にしながら寸法を測定していた。その基準の寸法が2種類あるために、「さて、どちらを参考にしょうか」などと余計な事を考えつつ作業を進めたから、余計に時間がかかっていたし、出来具合もカラーコピーとは若干違う形に出来上がったと思う。

先生にも見て貰ったのだが、「ちょっと不満はあるが、まあこんなものか」とは言わなかったものの、そう思っていたに違いない。

今後は、素彫りが終わった4個のお面を同時に彩色することになる。この作業は2月から・・・かな。

 

 

 

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別当 その2

2018年01月16日 | 能面

新年の喧噪から離れて日常に戻っている。そのため、順調に彫り進んでいるところだが、肩の痛みは相変わらずだ。整形外科に行った方が良いという思いもあるものの、まだ実行していない。

で、前回の最後に書いた「裏彫り」については、次の写真の通り。

上は、必要な深さを計測し、丸鋸を使って一気に切り取ったところだ。これだけでも気分的には裏彫りが進んでいるように見える。8日だ。

上は12日だから、今の段階では結構作業は進んでいる状態。裏彫りの第一段階から4日が過ぎているから、ここまで来るとずいぶんと作業が進んでいるように見えるし、実際にもほぼ大まかな表情が出来上がっていることも判別出来るだろう。作業量としては半分以上と行っても良い。

上は額部分の彫り具合だ。これも12日だが、上の写真から額の部分を集中的に彫っていたところ。全体的には余り変化は見られないものの、実は参考写真をまじまじと見ても、この額のあたりの造作が良く分からない。従って、自分の個人的な判断があり、本物とは部分的に違うかも知れない。これはやむを得ないだろう・・と自分に言い聞かせている場面だ。

上は全体像だが、参考写真とは違って見える。ただ、自分で彫ったものをしみじみと眺めて、修正部分を見つけつつ、少しずつ彫っていく段階なので進捗状況はよろしくないところかな。

鼻の部分を細かく修正しているところ。これは16日だから、作業開始からほぼ2週間が過ぎている。完成度は概ね7割程度と思うが、まあ早いほうだろう。

で、裏側はどうなっているのかと言えば、下の通り。

2回目の裏彫りと言うよりは実質3回目の裏彫りだから、こんなもの。これでもずいぶんときれいになっているのが分かる。うんうん。

というあたりで、作業は順調に進んでおり、体調不良にならない限りはこのまま進んでいくことになろう。

作業予定は「今月いっぱいで素彫りが完成する」と、考えている。その後には、素彫りが4個溜まったから「彩色」を始める事になる・・・だろう。

 

 

 

 

 

 

 

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別当 その1

2018年01月07日 | 能面

正月も過ぎて一段落したところだ。一時は自宅に家族9人が集合したものの、先週にはそれぞれが家に帰って、我が家も平常日課になってきたから、改めて新年の新作能面の製作に突入したという具合。それが下のお面だ。名前は「別当(べっとう)」。これは「郷土面」と呼ばれる分類に入るらしい。従って良く分からないが、形が面白そうなので彫ることにしたという、単なる興味本位でもある。今回が初めてのお面だ。

これが見本の写真だ。これ以外には横側から撮った側面写真があり、一応は図面もあるから、作業はうまく行きそう。ただ、実物がないので細部の彫り具合・加減は不明。

実は、これと同じお面をもう一人の仲間会員が、一ヶ月以上も前にすでに彫り初めているはずだが、仕事が忙しくて進み具合は順調ではないらしい。従って、恐らく私の方が早くに完成することになろう。

材料に載せた「図面」だ。縦の長さはちょうどであるものの、横幅がちょっと大きい程度なので、まあいいか。

実際の作業開始は1月4日だ。まずは周囲の部分を切り取って形を作っていく。

周囲を切り取った表面に顔の表情を書き込んで、切り込みの当たりを付けるところ。これも4日の写真。

上は6日で、表面に鋸目を入れ、当たりを付けた部分をいくらか削ったところだ。そのために、いったん消えた表情を書き込んでいる。

で、上は7日の結果だ。基準となる目の部分を彫って、大まかな形に仕上げていく。また、鼻の部分を立体化しておけば、これも重要な目印になるから、好都合だ。これ以降は1回目の裏彫りを行い、幾らか材料の重量を減らすことになる。もちろん、軽くなることで作業も楽ちん・・・

この写真では分からないが、実は向こう側の側面、目尻方向に「節穴」があるのだ。これは当初から見えていた部分だが、これを顔の表面に出さないような面取をしている。従って横の耳の部分に来るようにしているけど、いずれはこの節穴を削り取って、補修材で埋めることになろう。

明日の作業予定は、1回目の「裏彫り」になる予定。

 

 

 

 

 

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生成り4 その3

2018年01月07日 | 能面

さて、新年を迎えてブログの更新が出来る環境になった。この生成りも最後にするが、彩色にはまだ手を付けていない。次のお面が出来てから行う事にしたから、もう少し後になるだろう。

では、12月末以降の状況を・・・

上は12月26日の写真だが、素彫りは完成している。この後は眼球を入れ込む作業を残すのみで、それはすぐにも出来る程度の作業量だ。

右にある赤い布には光るものがある。これは眼球の材料を並べてみたところ。ただ、出来上がった眼球は一番上の2個だけで、残りは過去に作業を行った残骸だ。この中に今回利用出来そうなものを探したところ、残念ながら無かった。理由は前にも書いたとおりで、「大きすぎる」のだ。従って上の2個を採用したという具合。

これが素彫り完成の図。12月28日だ。この日で素彫りが終わったので、安心して新年を迎えることが出来たと言うあたりかな。

上は正面から撮ったところ。顎に付いている突起物は、髭を表している(らしい)。この部分では「蛇」では単に数本の溝を彫ったお面もある。今回の場合、先生の作品では胡粉を盛り上げて突起物を表現しているようだが、私の場合はめんどくさいので、細く削った棒状の材料を2mmほどに切り取って、張り付けるという手法を使った。

これまで彫った3個の「生成り」も、その手法を使っている。従ってそれにまねただけ。ま、慣れているということか。

 

最後に、彩色はまだ行っていない。もう色が付いていないお面は3個になった。早めに色づけを行わなければ、なにかと区切りが付かないなぁー。

と、思いつつもあと一個だけ彫ることにしよう。

 

 

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