猿の素彫りが終わった。前回から目の部分をきれいにしたり、しわの部分を彫り込んだりと、仕上げの作業を重点的に行った。また、全体的に眺めて、でこぼこを見つけたり表面をきれいな曲線を描くように手を入れた。更には乾燥からひび割れが出来ていた部分に、例の補修材を埋め込んで、出来るだけ見えないように修正した。
特に補修材を使った修正では、ひび割れ部分をV字型に彫って、そこに補修材を充填するという、先輩の手法を今回初めて使った。これまでは単にひび割れ部分に木工用ボンドを埋め込み、乾いたら滑らかにすると言う手を使っていたが、これではひび割れは広がらないものの、ボンドが盛り上がってくるのか、手で触ってもその部分に線状のでこぼこが出来た。この状態を滑らかにした後で胡粉を塗っていたが、ひび割れそのものが彩色後でも表面に出てきていた。完全に埋まっていなかったのだろう。
今回の手法でそれが回避できれば、これからはひび割れ部分の修復は、その手法を取り入れる事にしなければならない。
ということで、当初の予定通り今月中の素彫りが終った。ちょうど今日は能面塾の、他の塾生の活動日だから、午後に出かけて自分の次の課題「きつね」について話をして、出来れば材料や型紙の入手について話をしてこよう。