わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

小面10 その2

2022年07月28日 | 能面

小面の彩色が終わった。ただ、ついでに3個の小獅子のうち2個目(というよりは実際は小獅子2だが)の彩色も同時に実施して、今回は3個のお面に色を付けたと言う結果になった。

さて、今回は写真を主に紹介します。

下は「中塗り」段階の写真。22日だが、彩色を始めたのは21日だ。21日は黒の工芸漆での裏塗りと、白の胡粉による下地塗りを実施している。

2個の小面と小獅子の2個目の姿で、小獅子は眼球に真鍮をはめ込んだもの。

下は23日の過程。小面の彩色が進んでいる様子。

下は24日。この時点では仕上げの古色はまだ施していないものの、まあほぼ完成した姿かな。2個の仕上がりがよく似ているのは、同じ人が彫って同じ人が彩色をしていたから、これも必然的な結果かも。

下は小獅子の2個目だが、24日の姿だ。左のお面は1個目で6月19日に仕上がったもの。右が2個目。こうしてみれば赤色の部分はもう少し暗くても良かったのかな。

1個目を参考に2個目の彩色が進んでいる。25日だが、ほぼ仕上がっている気配なり。この後は「すす」を使って陰影を付ける作業が残っている。

煤(すす)を使って陰影を付けた結果が下の写真だ。こうしてみれば、赤色部分も若干暗くなり、具合がよろしい。

2個を並べてみたところ。ま、色味は若干違うとしても、出来具合としてはまあこんなものかな。このお面についても同じ作者なので、仕上がりもほぼ似た表情になってしまった。もっとも、よく見れば左の小獅子の眼球は単に金色を施したものであり、右は真鍮板を加工してはめ込んだものなのだ。

このあたりは気合いの入り方の違いかな?しかし、よく見ると右のお面の眼球の黒目の部分に色が付いていない???

ということで、最近彫った複数個のお面のうち、今回は3個について彩色を施し、完成させたというところである。ただ、彩色の終わっていない素彫りのお面が、実は4個残っているのだが、残った色のうち裏側に塗る「工芸漆」の残りがあと2個~3個分しかない。そのため、今後の彩色作業予定は、いまのところ未定である。

 

 

 

 

 

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小面10 その1

2022年07月16日 | 能面

「小面9」は「その1」のまま、数日後には素彫りが完成している。ただ、前回のブログから単にお面の表面を磨いただけであり、大きな変化はなかったので紹介はせず、そのままにしていた。

で、今回は「小面10」であり、結局、手持ちの小さい材料を使った課題は「小面」になったというところかな。この理由は前回も書いたけど、「小面から始まり小面で終わる」の最後部分を実践したというあたり。ま、今回は2個を連続して彫ったところが気分的に楽だった・・という事もある。その理由は、同じお面を続けて彫った場合は「直前の手順や要領をまだ忘れていないので、彫りやすい、作業が進めやすい」・・というところかも。

下は11日の写真だが、作業開始は10日だ。この日は小面9の素彫りが完成した日であり、同じ日に次のお面の作業を始めている。通常は、次の課題のお面を決めて彫り始める「作業開始」は数日あとになることが多く、こんな事は初めてである。それは「お面を彫る作業はこれが最後になるかも」という意識があり、気持ちが焦ったのかも・・・

下は12日。結構早めの進み具合だが、最初の説明でも書いたように「直前の手順や要領をまだ忘れていないので、彫りやすい、作業が進めやすい」という事もあって、作業が早まっているところも、その理由かな。

下は14日。ここまで来ればもう7割程度の完成度だ。もちろん、裏彫りも2度ほど終わっているから、作業開始から4日目でここまで来たのなら、いくら作業が簡単な女面とは言え、極めて早い出来具合だろう。この後は口の中や鼻の整形、目の部分のなども裏彫りに合わせて進めていくことになる。ただ、実はこれが一番面倒な部分でもあるのだが・・

さて、「小面9」の素彫りが終わったという報告をしたが、それが下の写真だ。10日の写真だが、このまま彩色に入っても良い状態だ。ただ、今回については小面10を完成させた後に2個のお面を比較して、それぞれが同じ出来具合になる様に双方に細部の修正を加えて、最後の仕上げをしたいと考えているところ。

さて。

今回の小面が完成すれば、素彫りのままの能面が7個出来上がる。当然、これらはいずれ彩色を施すことになるのだが、今の予定では「手持ちの彩色材料がなくなった場合は追加補充はせず、そこで作業は終了」にするつもり。そのため、手持ちの彩色材料の減り具合を見ながら、7個のうちどのお面に色を付けるかを決める必要がある。

ただどうも、4個程度は彩色が出来そうであるものの、大きいお面が5個と小面2個があるので、うち何個かは素彫りのまま放置される可能性が大きいので、最終的な予測は不明なり。いや、もしかして私の趣味としての能面製作は、この彩色で完了(終了)するかも知れない・・ぞ。

 

まあ、彩色の経過についてはその都度ブログを更新しますので、それを見ていただければ「今後の経過・対応」も判明すると思います。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

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小面9 その1 

2022年07月07日 | 能面

6月下旬には小獅子の3個目が完成して、そのうちの一個は彩色も終えたところだ。その段階で若干疲れが見えてきたので、今後は能面製作の意欲がわき上がるまでしばらくの間、休憩をしようと考えていたので、そのつもりで数日を過ごしていたところ。

さて、その数日を振り返って見ると、これまで能面彫りで過ごしていた朝の時間帯が暇になり、若干もったいない気がしてきた事も事実。ましてや、手元には小さいお面用の材料が2個ほど余っており、毎日眺めていることもあって「これも何とかしなければ・・」という雰囲気も・・・

 

で、この小型面の材料を使ってしまおうと思いつつ、その準備に入ったのが6月27日だ。ただ、彩色を含む小獅子の3個目が完成したのが19日だから、今回の休息期間は一週間程でしかない。当初は数ヶ月程度の休養をもくろんでいたのだが、こうしてみると、やはり長年の習慣はなかなか抜けきらないのかな。

で、せっかく手持ちの小型の材料を活用するべく、次なる課題を熟慮した結果、なんと「小面(こおもて)」になったところ。実はこの能面製作には「小面から始まり小面に終わる」という言い伝え(?)があるらしい。

一人の制作者が数多くのお面を彫ったとしても、最初に彫るのは「小面」であり、その後は様々な能面を彫っていく。実際に私も20年以上の製作経験から、かなりの種類のお面を彫ってきた。もちろんその総数は百数十個にもなろう。それでも最後に彫るのは「小面」にたどり着くようだ。

 

その言い伝えの通り、自分も最後の能面作成として、今回はこのお面を選んだ。タイトルのように本当に9個目なのかはよく分からない。ただ、記録に残っている1個目を彫っていた時の写真が2001年4月なので、それを考えれば2022年7月なら実際に9個目の小面と言ってもあながち間違いではない・・かな。また、同じお面を9個も彫っているのはこれが初めてだ。うーん、奥が深いぞ・・・

今回の見本の写真は次の通り。

さて、下は6月27日の作業後の写真。顔の輪郭と表面を切り取ってきれいにしたところだ。

下は30日だ。日数としては作業開始から3日後だが、これでも一回目の裏彫りを終えており、その時間を考えても小面の表情はうかがえる。

下は7月4日の写真だが、ここまで来ればほぼ8割がたの完成度とも言えそうだ。ここまで作業開始からおおむね一週間なので、作業期間としては早いかも。なお、過去にはこの手のお面は、約2週間ほどで素彫りが完成している。

で、上の写真から一日後には、一度目のサンドペーパ-を使っての作業となる。

上の状態からは、目の部分と口の中の造作をすればおおむね完成となる。もちろん、裏彫りも3度ほどは行っているはずなので、過去の小面や小型のお面の工程を考えても、来週いっぱいには素彫りの完成となる・・はず。

 

ということから、今後の短い期間、これまでと同様の日常が戻ってきたというところかな。

 

 

 

 

 

 

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