今回は「帯喰い2」のカテゴリーだが、これまで彫っていたお面の彩色が始まったので、それについて若干の報告をします。
今回は7個のお面の同時彩色という位置づけの作業なのだが、実際にそれを始めたところ、どうも「同時進行」は難しいことが判明した。それについては次の部分で個別に紹介します。
1 お面の裏側に工芸漆を塗る。
これについては「同時進行」は可能だった。理由は「同じ色で塗ることが出来る」ために、7個を同時進行しても支障がなかったため。工芸漆の茶色と黒を混ぜて、濃い茶色を作った。3度塗りである。18日の作業結果だ。ただ、後で思い出したのだが、実はこの作業の前には「とのこ」での目止めが必要だったのに、すっかり忘れていた。いやはや、後期高齢者の実態・正体が見えたぞ。
2 下地塗り。
実は、この部分についても「1」項と同じように「同じ色で塗ることが出来る」から、7個を同時に塗ったという具合です。この部分は胡粉と膠(にかわ)を混ぜたもの。下地塗りなので、一度塗りだ。下は19日の結果。
3 それ以降の彩色作業について。
これはさすがにお面の種類毎に行った。理由は「それぞれに決まった色で塗る作業が必要」であり、そのため、個別に必要な色を作って作業を実施した。これは20日の写真だが、似たような色だったから「若女」「こべしみ」に必要な色をを同時に作って、塗っている。
最初に仕上げたのは「若女」で、下の写真。出来上がったのは21日あたりだが、ほぼ完成の状態だ。ただ、古色を付ける作業はまだ行っていないので、実質的な完成は、まだ先になる。
下は24日の写真。このお面(小べし見)は結構手間がかかる。まして2個同時に彩色作業を進めていたことから、3日ほどかかった。こうしてみると、1個にも結構な手間がかかっていることが分かる。それが2個だから、ま、しょうがないかな。この時点でほぼ完成しているものの、古色やすすによる陰影が終わっていないから、まだ完成ではない。
さて、下は「鬼」だが、24日の結果だ。眼球や歯を金色にしている。前に彫った3個の鬼では、歯は白色のままだったが、今回はあえて金色を使った。
上から更に作業を進め、下は今日25日の姿だ。ほぼ出来上がってはいるものの、これまで紹介したように「すす」での陰影付けや古色はまだ施していないので、完成度は90%程度だろう。
と言う段階まで進んでいる。18日頃から始めた彩色だが、これまで4個の彩色が終わった。残りは3個だが、この残っている「帯喰い2個」と「獅子口」が面倒なのだ。実は手間が倍以上もかかりそうな気配なので、彩色作業を明日以降も続けるにしても「いや、めんどくさいな」という気分もあり、うーん。
さあ、気合いを入れて元気になろう!!