わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

黒式尉 その1

2012年05月28日 | 日記・エッセイ・コラム

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さて、平成24年度公民館講座の能面教室第1回課題が示された。「黒式尉(こくしきじょう)」だ。この黒式尉はすでに数個作っている。ただ、その都度見本が違っているので出来具合も違っているのだ。上の写真は今回の課題の完成予想図で、他人の作った面である。今回はこれに似せて作ることになる。

前回作っていた黒式尉は、三井記念美術館所蔵の黒式尉を見本として、私が勝手に作っていたものだ。面そのものは完成しているのだが、眉毛や髭のたぐいの「毛」が未完成のまま放置してあるから、完成品ではない。そこで、今回の課題が同じ「黒式尉」になったことから、前回作った黒式尉の髭のたぐいと合わせて2個分の眉毛や髭を作ろうと思う。

これは19日までの作業。面取りの段階である。

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これは25日までの作業。上の写真から随分と日が経っているが、その間は「いかずち」を彫っていたのでしょうがない。

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これは27日までの作業だ。黒式尉だけを彫り進んでいるので、いくらか早く見える。

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で、今日28日までの状態。だいぶ形が見えてきているので、全体の形や高さを測りながら無理をせずに慎重に彫っていく・・・と言いつつも、いかずちでは大失敗しているから、単に口先だけで作業を進めると大変な目に遭うことになるのだ。要注意!!

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そんなことで、今は「いかずち」の作業を中断して「黒式尉」を進めているが、次回の公民館教室と先生主催の能面塾が同じ6月12日なので、あと2週間ほど時間がある。このぐらいあれば、2個同時進行しても「中彫り」あたりまでは進むと思うので、無理をしないでそれこそ「慎重」に彫っていこうと思う。

最後に、2004年7月に初めて彫った黒式尉の完成品を紹介する。この時期は胡粉を用いた本格的な彩色はまだ習っておらず、ホームセンターなどに売っている「水性ペイント」を使って自分で考えて色づけをしたので、妙に光っている。あまり出来具合は良くないが、参考程度に見て欲しい。

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どうも、眉毛や鼻ひげが異様に長いから、もう少し短く切りそろえた方が良いかも・・・

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いかずち その3

2012年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム

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前回書いたが、失敗していた頬の部分に修正を加えたところ。補修材を頬の上に盛り上げてみたが、まだすっかり固まっていないことからそのまま様子を見ているところだ。こうして見ただけではよく分からないものの、一応は小鼻の高さほどに盛り上げたから、見た目はうまい具合に言っていると思っている。ただ、木地そのものではなく所詮鋸屑だから、随分と格好が悪い。当然見た目も、彫って行く上でも具合が悪いのは承知しているので、まあ緊急避難的に考えておくしかない。ただ、うまい具合に彩色でこの部分が隠れるのを期待するのだが、過去の例では色がその部分にしみ込まないので、補修した部分だけ変色したようになってしまう。

まあ、これもやむを得ないと諦めるしかないのだ。

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補修部分がいくらか乾いてきたので、あまり触らないようにしながら口の中の造作を進めているところだ。舌の形を彫り、歯の部分にも当たりを付けている。もちろん牙も位置を合わせながら彫っているが、長さや向きなども考えて慎重に進めていく。このあたりまでくればだいぶ形も見えてきたし、大きな造作は終わりに近づいてきているから、まずは一安心と言うところかな。

この状態のまま、来月に行われる先生主宰の教室に持参しても良いぐらいまで進んだと思うから、次は公民館行事の能面教室の課題にも手を付けなければ・・・

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いかずち その2

2012年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム

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これは19日の写真。15日から4日も経っているのだが、まだこの程度なのだ。とにかく初めての面であることと、実物が手元にないのでコピーや写真を参考に彫っているのだが、なかなかイメージがわかないので作業が進まない。何の面でもそうだけど、平面図から立体を作り出す作業は意外と困難を伴う。その事もあって上の写真の段階ですでに失敗をしていたのだ。

特に今回は図面が貧弱だったこともあって、輪郭ははっきりせず、高さを示す数値がわずか数カ所しか記されていなかった。だから顔の表面の各位置の高さがよく分からないまま、これまでの経験を元に彫っていったのだ。その結果、頬の部分を彫りすぎて見本や写真よりも随分と低くなってしまった。これまで彫った多くの能面では、鼻すじから小鼻を通して頬にかけて(横赤線の部分)はなだらかに耳元まで続いており、そのつもりでこの「いかずち」も彫ったところ、実は頬の最頂部が鼻のてっぺんほどに突出していたのだ。そこをなだらかに削ったものだから、頬が低くなってしまい、表情に凄味がなくなってしまったという具合。うーんこれは大失敗だ。

さて、作業が失敗したところで、これを挽回する手段としては例の「鋸屑と木工用ボンドをMIXした補修材」を使って、削りすぎたところに盛り上げるしかない。ま、この補修作業はまだ早く、もっと作業が進んだ段階で、全体を見ながら作業をすることになろう。それにしても見本となる面が手元にないと言うことは、実に不便なこと。それを克服するのが10年選手だろうから、一応は反省をして作業は進むのだ。

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上はいま、口の部分に挑戦をしているところ。これは21日の姿だが、口の形状や牙の位置などは平面図だけではなかなかイメージが沸いてこないために、かなり苦労をしている。口の中は広く空間があって、そこに舌がうごめいている。その感じを出しつつ良い位置に牙を作る作業をしているが、これがなかなか難しい。もっとも、こうして苦労しながら上手に出来上がれば、これはこれで嬉しいものだから、ついつい気合いも入って作業時間がオーバーしてしまう。が、これも気をつけた方が良いから、随時時計を見ながら作業を進めているというあたり。

作業時間が長くなり、腰が痛くなっているという話は前にも書いていた。それで、一念発起をして4月の終わり頃から「ウオーキング」を始めている。おおむね一ヶ月が経ったところだが、荒れた天候の日以外をめどに近くを約1時間ほど歩いている。高齢者の運動だからきびきびと歩くわけではないものの、だいたい8000歩前後になっているようだ。この運動で腰痛が治まれば、これはこれで有効なのだろう。今後も出来るだけ・・・(ここが問題だが)続けようと思い、運動靴やウインドブレーカーなどを買ったりしているから、少しは真剣に取り組んでいるな・・と自己評価をしているところ。

最後にちょっと。

今回の「いかずち」を紹介するとき、「狂言面」のたぐいだと紹介した。だが、調べてみたらどうも「鬼神面」の部類に入っているようだ。だから、「鬼」も「雷」も種類としては「鬼神面」の分類に入っているらしい。このあたりの自分のいい加減さは、単に趣味で彫っているだけという気楽な気持から来るのだろう。もっとまじめに調べて書くようにしなければ、仮に他の人がこのブログを見ていたら、書かれているこの中身を本当にするかも知れない。うーんこれも要注意だな。

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いかずち その1

2012年05月15日 | 日記・エッセイ・コラム

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これは5月11日。雷(いかずち)を作ろうと、作業を進めている。貰ったカラーコピーを元に輪郭を書き、厚紙に貼り付けて型紙を作ったところだ。毎回同じような「作業開始」の姿だが、とにかくこれがスタートだからしょうがない。

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上の写真も5月11日。一日の作業は約2時間程度に決めているから、このぐらい進んだという証拠でもある。ま、こんなものだろうが、今回は材料の厚さが10cm以上もあってか、顔の輪郭を作るにも作業が大変である。直線の部分は「電動丸鋸」を使うなどして楽をするものの、輪郭部分は普通のノコギリを使って細かく切ることで、丸みを持たせるなどの工夫も必要だ。そのあとは切り口を「切り出しナイフ」できれいにしていく。

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今日までの作業過程。きょうは15日だからちょっと進み具合が遅いかも知れない。というのは、12日に前の職場のバーベキューに参加したり、この一週間風邪気味で休んだり、歯医者に行って時間が取れなかったりしていたのだ。これはやむを得ないアクシデントであり、作業の遅れは当然なのだから気にすることはない。

ところで、自分のところには不鮮明なカラーコピーしかないと書いていたので、ちょっとネットで調べてみた。そうしたらいくつかの写真が見つかったものの、大きな写真はなく詳細が分からない。それでも形や色などに参考となる部分もあり、あとでそれらを参考にしたいと思っている。その一枚を紹介するが、この写真はあくまで私が勝手に収集したもので、作成者の了承を得たものではない。これは厳密には「著作権違反」に当たるが、個人で使う資料として手元に保管しているものだ。

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私の先生が作っていたものとは随分と印象も違う。だが、このぐらいの「いかずち」が出来れば先生も納得するだろうし、私も満足するのだが、さてどんな具合に完成するのかな?

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雷 

2012年05月09日 | 日記・エッセイ・コラム

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雷。「いかずち」と読む。この手の面はあまり見ない部類に入る。分類としては「鬼」「不動」などと同じような仲間らしいので、一応は能面ではなく「狂言面」に入るのかも知れない。だから、能面の項目で探しても見つからないかも知れない。

たまたま先生の工房に飾ってあり、面白そうだから作ってみようという気持で材料を入手したものだ。同じものを今まさに能面愛好会の仲間が作っているが、随分と上手に出来ていた。それを見て「よし、不動の次は自分も!!」という気持になった事もあって、今回の課題に選んだというあたりである。

ただ、これも直前に完成した「不動」と同じく、かなり手間のかかる面だという話を先生がしており、気合いを入れて取り組まなければ失敗するようなことも、ちらっと言っていた。不動の時もそうだったが、細工が細かい部分も多いようだから、見本をじっくり見据えて作業を進めなければ、「あっ」という場面が続出するかも知れない。がしかし、その時はその時で進めてしまうしかないのは不動でも同じだったから、「ま、いいっか」で前進あるのみだろう。

今回は彩色の状態がよく分からない質の悪いカラーコピーを貰ったものの、それを見本とはしないで、独自の色合いを自分なりに作り出し、見栄えの良いものに仕上げてしまうかも知れない。

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