わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

何かが違う

2012年02月28日 | 日記・エッセイ・コラム

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まだ続いている陶芸。今回の作品は左側である。高さは30cm弱あって私が作ったものとしては大きい部類・・と言うよりも一番大きな作品である。これについてちょっとした説明をしてみよう。

作り方は、最初に板状の粘土(たたら)を作って必要なサイズに切り取る。今回は厚さを5mmにし、100mm×250mmの板状を4枚作った。更に上の部分、底の部分を作り、計6枚の粘土板を作る。上の部分には口を付けているが、これもあらかじめ作っておき、「どべ」と呼ばれる粘土をどろどろにした「ノリ」を使って口の部分を粘土板に取り付けておく。

その後数日放置して適当に乾燥したときに、その粘土板を「どべ」を使って組み立てるのだ。その時には「のりしろ」部分に水分を与えて「どべ」がくっつきやすい状態にし、しかも解体しないように紐で縛って固定する。言ってみれば、板きれと木工用ボンドを使って木工製品を組み立てる要領である。

その後は完全に乾燥するまで放置するのだが、今の時期、暖房が入っており乾燥が早い。この乾燥が早いとくっつけた部分が取れてしまうのだ。どべと板状の粘土では乾燥の早さが違うので、しっかりなじみながら接着できればいいのに、板状の粘土が先に乾燥してしまう。すると接合部分がはがれて、隙間が出来たまま乾燥する。そうなると、すでに花瓶の用途としては水漏れがでて役に立たないのだ。

今回もそれが発生した。接着部分に隙間が生じているのだ。だから水を入れることは出来ない不完全の作品になった。これを防ぐには、粘土板の乾燥具合を毎日点検し、最良の時期に「どべ」で接着しつつ水分を補給しながらゆっくり乾燥させる必要があるらしい。それが出来ない制作環境で作ったのもだから、隙間が出来て当たり前・・・だそうだ。なんと言っても週一回の作業日程では無理らしい。自宅で毎日観察をして作業が出来る環境にない今の私では、とうてい無理なことだと人は言う。

で、色つけもちょっとおかしかった。写真にある2個の花瓶は同じ釉薬で色づけしていた。それが写真の通り別な仕上がりになっている。両方とも下地に「鉄赤」そこに「石灰白萩」を二重がけしたので、本来は同じ色具合を見込んでいた。それが、だいぶ出来具合が違うのも、粘土の配合や窯に入れた時の場所、同時に温度の上がり具合など、様々な条件でその都度出来具合が違ってくる。それが面白いという人と、予想していた出来具合と違っているから失敗作でダメだと言う人もいる。

右の丸い花瓶は一昨年の作品。四角い花瓶は24日に出来上がったもの。全く時期が違う。

まあ、このような状態は趣味の陶芸ではよくあることで、一般的に売られている「同じもの」などはほとんど出来ないのだ。だから、もし同じようなものを作りたいのなら、同じ時に作って同じ釉薬を使い、窯の中でも同じ棚板に載せて本焼きをするしかない。それでも若干出来具合は違ってくる。

過去の作品を見てもう一度それを作りたいと思っても、単品で、粘土も時期も窯の位置も違った場合は、再現できないと思った方が良いようだ。うーんなかなか奥が深い。

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黒式尉 その5

2012年02月28日 | 日記・エッセイ・コラム

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ほぼ出来上がった状態。目の部分を残しており、おおむね95%ほど進んでいると思う。あとは目の部分を彫り込んでいけば素彫りは完成するはず。実はこの目の部分がむずかしいのだ。第一に目が細い。で、ここに「切り出し」で筋を付けながら慎重に彫っていくのだが、目が盛り上がっているところに筋を切り込んでいくためにその部分が欠ける事が多い。それを防ぎながら彫ったのが次の写真だ。

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結果としてはうまい具合に出来たと思う。かなり細い目だが、裏まで貫通させて行くところで苦労をしたところ。1枚目の写真でも見えるが、最初に1.5mmのドリルで穴を開けて道筋を付け、それに沿って切り込んでいく。なかなか簡単ではないものの、無理をせず繰り返して彫っていけば、いずれは貫通するので辛抱も必要なのだ。

ということで出来上がったのが上の写真である。顔にたくさんある「皺」も彫ったが、これも手間がかかっている。本当はめんどくさいが、やらないわけにはいかない。黒式尉の目玉だからやむを得ないと思うが、まあ暇つぶしでやっている能面作成であれば、面倒な作業も進んでする必要があるのだ。そう言いつつも、さすがに今回はあまり手が進まなかったね。

今後は、眉毛や髭を作ったり、それを植え付ける穴を掘ったり、あごを切り離す作業などが残っているが、素彫りとしては今日28日で終わることになる。作業開始が2月12日だからおおむね2週間ちょっと。実質3週間もかからずに素彫りが終わったことになり、非常に早い作業だった。まあ彩色を含む完成はもっと先になると思うものの、大きな作業行程は一段落した。

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デジカメ電池

2012年02月24日 | 日記・エッセイ・コラム

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CANON EOS-40D のために購入したリチウム電池PB511Aだ。今日手に入れたものだ。EOS40Dを購入したのは2007年9月10日。5年ほど前になる。この時に電池が一個付いていたが、予備としてもう一個を買った。それを交互に使いながらこれまでずっと使っていたが、さすがに劣化が始まっている(はず)。実際、あるとき予備電池を充電してもすぐになくなったりしていた。

実は、今は日常的にはEOS5D Mark-2 を使っており、こっちがメインになっている。だが、予備機としてEOS40Dを稼働状態で維持をさせながら持っているためには、日常的に使わなければダメだろう。そのことから、最近はこのブログで使っている写真はすべてEOS40Dで撮影している。ついでに最近では流行らない「マイクロドライブ(4GB)」を記憶メディアとして使っている。レンズもしかりで、古いものを使用している。ここ数年の航空祭でも、このEOS40Dは大いに活躍しており、電池2個で一日中の撮影が可能なのだ。ただ若干バッテリー持ちが悪くなってきているのも事実。

と言うことから、機械類は放置しているとダメになるから、防湿庫で保管するだけではなく、出来るだけ使いながら「気合いを入れている」状態である。そうすることで「動態保存」が可能になる。

さて、EOS40Dといえどもデジカメだから、本体が良好でも電池がなければただのアクセサリーになってしまう。また、PB511Aが今後ずっと販売されている保証もない。しかもEOS60Dからは型の違うリチウム電池が使用されており、PB511Aタイプが消滅してしまう(かも知れない)。もっとも、そう簡単に消えてしまうこともないだろうけど、今使っているPB511A2個(若干弱っている)に加えて、更に予備としてまだ販売されているこのリチウム電池を、今回は一個だけ購入したという話。

まあ他人が聞けば馬鹿げた心配事だろうね。くだらないことに気をかけるなら、もっと自分の健康にも気をつけなさい!!

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黒式尉 その4

2012年02月24日 | 日記・エッセイ・コラム

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24日の段階だ。前回からあまり進んでいないように見える。まあ、表面だけを彫っているわけではないから変化に乏しいものの、一応は毎日少しづつ作業は行っているから、それなりに進んでいると自分では思っている。

歯の部分は結構大変な作業で、慎重に彫っていく必要があるからついつい時間がかかるのだ。また、裏彫りも重要で、これも一気にできない事で慎重に時間をかけつつ彫っている。そのために前回からあまり進んでいないという状態に見えるのだ。だが、本当はあと「皺」の部分が終われば完成するので、実質は9割程度の進み具合となろう。

次回の、先生の塾に出かける日は3月14日だから、まだまだ先のこと。2週間以上もあってこの期間は有効に使わなければならない。今日明日中に完成したら暇が出来て大変だ。従って「ちょっと眺めて修正する」作業を繰り返しつつ、のんびりと完成を待とう。

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黒式尉 その3

2012年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム

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だいぶ進んだ状態。このあたりまで進めばもう安心・・と思うと失敗するのだ。そのために毎日細心の注意を払って彫っていると言いたいところだが、実はちょっと失敗していた。それは口とあごの部分で、下唇とあごが続くあたり。

本当はこの部分はもう少し肉付きが多い部分だ。ちょっと深く彫り込んでしまったようで、見本の写真と比べても深くなっている。ここはメリハリを付けようとして若干深く彫った気もしたが、後で修正できるからと思いつつも、やはりちょっと深かったようである。まあ、最終的に深い場合は木工用パテか何かで埋める手段も残されているから、それほど深刻なダメージではないが。

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鼻の穴を開け、細く笑っている目をちょっとだけ彫ってみた。その後は彫刻刀の跡を消すために紙ヤスリで滑らかにしたところだ。だいぶ完成に近づいている。このあとは額の皺の部分、目尻の皺や頬の皺など、皺の部分を慎重に彫っていく作業が始まるが、このあたりまで来れば毎日の作業も1時間程度で止めて、仕上がりを確認しつつ細かい修正をすることになる。

作業を始めておよそ1週間ちょっとでここまでだから、その作業の早いこと。もっとも毎日作業をしているので当然と言えば当然だろう。が、ここ毎日の作業時間は一日2時間ほどで終わることにしている。最近は腕、肩もさることながら腰が痛くなってきた。床に座り込んで下向きに作業をすることで、どうしても腰に悪い。作業後に体操をしたり十分に注意をしているつもりでも、「高齢者」の部類に入っている私としては、用心をするに越したことはないだろう。

ということで、素彫りの8割ほどが進んだ状態である。

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