増女と同時進行の「慈童」だ。まだ「その2」ですでに仕上げ彫りのあたりまで進んでいる。もっとも途中の作業過程をだいぶ省略していたからこんなものだが、本当はまだ二週間程度しか経っていない。それでここまで進んだのは、面そのものが単純な形だったとか、似たような面をたくさん作ってきていたこともあって、要領が良くなってきているのだろう。
いずれにしても増女とほぼ同じ課程で進めているので、増女の鼻の造作を彫っていれば、そこが終わると慈童の鼻を彫ったりしている。口を彫れば別の能面の同じ場所を彫っているために、比較的上手に作業が進んでいた。
そいうことで、増女の方が作業開始は若干早かったものの、この慈童ではすっかり追いついて「同時進行」になっている。これも作業が早く進んでいる理由だろう。