わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

蛇3 その2

2016年02月24日 | 能面

いつものように、眼の部分を基準として表情を作ることにする。そのため、眼の輪郭を彫ってそこから他の部分の位置を考えて彫り進むことになる。

上の、この段階では眼の位置が決まったことで、そこから鼻部分の形を決めたところだ。もちろん、ある程度の口の部分の大ざっぱな形、位置は見込んでいるから、高さもそれなりに削っているところ。

更に作業を進めているとこんな状況になった。24日の段階だが、ずいぶんと形が見えて来た。鼻の形ははっきりとなり、口も形が見えてきた。ただ、口の内部は面倒な歯、牙、舌があるから、それらを彫り込むのはもっと後になるが、いずれもこの部分の中に彫る事になるので、目安が出来たと言うあたり。

さて、「蛇」には角がある。実はこの部分の図面はない。ただ、「般若(はんにゃ)」の角とほぼ同じ形をしており、これの図面はあるから、それを利用して「蛇の角」にするつもりだ。で、最初に切り取った余った材料を利用して、同時に作っているところ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蛇3 その1

2016年02月21日 | 能面

天狗の作業が終わって数日間、気持ちの休息をしていた。公民館活動での「能面教室」は、3月始めの「成果発表会」で終わる。展示する2個の能面はとっくに完成しているので、心配は無い。その後は4月中旬の「開講式」まで作業はない。ただ、先生主宰の「能面塾」では通年の作業を実施しているために、教室が中断している暇な期間の穴埋めとしても必要な、大切な時期でもある。

と言うことから、天狗が終わった能面塾の課題として、「蛇(じゃ)」を選んだ。この面はすでに2個を完成させている。だから、新しい課題への挑戦ではなく、振り返って再挑戦するという位置づけでもある。

上は「見本」だ。たしか先生から貰ったコピーだと思う。今回は、これも先生から貰った図面があり、それを参考に彫っていくことになる。また、過去に自分でも作っているから、その時に使った図面と、自分が彫った現物見本も有り、参考する材料は揃っているところだ。

上は私が彫ったもの。見本の写真と比べても、まあこんなものだろう。同じものがもう一個あるけど、見た目はほぼ同じだ。

さて、作業開始が19日だが、上は単に作業を始める前のもの。ここから丸鋸を使って余計な部分を切り取る作業が始まり、「作業開始は19日」となる。

20日。この日は顔の輪郭を切り取って、周りをきれいにしただけだ。表面の一部もちょっと切り取っている。

今日21日に行った部分だ。顔の表面をいくらか丸ノミで削り、傾斜を付けたところ。また、裏彫りの第一段階として浅く彫ったから、幾らかは軽くなったので作業もやりやすくなるだろう。

今後は、これまたほぼ一ヶ月をかけて彫り進む事になるが、その頃は春もやってくるから、室内作業ばかりではなく、庭の手入れもしなければならない時期が来るのだ。

と言う繰り返しで、新しい年度がやってくる・・・・歳も取っていく・・・体力も気力も減っていく・・・なんて弱気になれば、だめでしょうがっ!!

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天狗2 その8

2016年02月16日 | 能面

一応は完成としよう。昨日の段階から細かい修正を行ってきたので、まあこんなものかな・・と思う程度か。もちろん、きちんとしたものではないのは重々承知をしているが、良い見本もなかったし、参考にした写真も細かいところは良く写っていない。従って、自分で納得して、この程度の出来具合を「完成」とした。

同時に2個を彫ったので、似たような天狗が出来上がったことも、まあやむを得ないところだろう。それでも「口を閉じた天狗」「口を開けた天狗」と、表情を変えて彫ったりするなどの工夫はしたつもり。

天狗1の作成は12月1日頃から始まった。これが年末に完成し、天狗2は1月の上旬からの作業開始だ。今日は2月16日だから、正月を挟んでおよそ2ヶ月半ほどかかっている。もちろん、参考にしたものがTV画面の写真やネット上の画像しかなく、自分で図面を作って行く段階から始まっていることを考えれば、かなりの早さで完成までこぎ着けたと思う。しかも2個!!。

前にも書いているが、単に完成が早ければ良いというものでもない。じっくりと時間をかけ、丁寧に彫っていくことが重要である。見本があるならそれを参考に出来るが、見本すらない場合は、自分で資料を集め、想像しながら彫っていくから、これも大変。また、彩色についても十分なノウハウがあるわけでもないから、これも大変な事には変わりは無い。

というぐあいで、今回は未知の領域に入り込んだが、取りあえずは出来上がり、一安心したところだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天狗2 その7

2016年02月15日 | 能面

能面塾や能面教室が終わったのが10日だ。その日を境に「彩色」を始めている。これも当初の予定通りなので、今月上旬の作業は全くない。

彩色を始めて数日が経っているが、このへんまで進んだところ。もちろん裏側は工芸漆を塗っているから真っ黒けだが、どうも近年はきれいな色合いにならない。この原因は木地に色がしみこんでしまい、光沢のある色に仕上がらないのだ。もちろん、木目によってしみこむ場所が決まっており、それは承知している。いわゆる「年輪に対して直角になる彫り方は、しみ込みやすい」のだ。更には材料の材質や乾燥度にも関係しているのかも知れない。

実はこれを防止するための手法もある。「能面の裏面に砥の粉を塗る」事により、塗料がしみこむのを防止する・・・と言う話。この手法もずっと前から実践しているが、思うようにいかない。砥の粉の処理を行った後に工芸漆を塗っても、相変わらずしみ込んでいる。3度塗りをしていても・・・だ。

まあ、いろいろ言いたいこともある。がしかし、全部が自分の責任で行っている能面彫りであれば、それは結局、自分の未熟な技術を嘆くしかないところだろう。「すでに15年以上もやっているのだよ」と考えれば、「これまで何を学んでいたのか!!」というお叱りもあるかも。

いずれにしても、色合いは上の写真の通り。この色が正解かと言えば、まったくそうではない。ずいぶんと調べたが、様々な「天狗」があって、どれが正解と言うことはないらしい。もちろん、上のような色合いを持った天狗もあり、これはこれで正解だろうと思ったからこんな色になっている。

そもそも、見本とした薬王院の天狗は色が付いていない。というより、古くなったニスの色に見えるので、そのようにしても良かった。ただ、せっかく苦労して彫ったから、他の天狗に見られるような「天狗色」にしても良いだろうと思って彩色を始めたのも事実。

この後は、黒目を書いたり金色の歯に細工をしたり、全体に陰影を付けたりしつつ見やすい工夫をすることになる。

というあたりで、完成はもう少し後になりそうだが、一応順調に進んでいるところ。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする