![Img_9240small Img_9240small](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/de/e6012b64c9aadbc2b424d4368c130d99.jpg)
順調に彫り始めているようにも見える。もちろん毎日少しの作業をやりながら彫っているから、それなりに進んでいるので、これは間違いのない話だ。が、ちょっと気になっていた部分もあり、それが20日に現れたのだ。材料にひび割れが出来てきた。
もちろん最初からひび割れは見えていたし、それが拡大しないように木工用ボンドで止めていたのも分かっている。私もそれを承知で材料を手に入れていた。割れ目があった分、材料代も安くしていたから先生も承知だったと思うが、複数の材料から良いものを選んで買うことはない。もともと、選べるほど材料は置いていない。
今回、「雷」を彫るためにそれに見合う材料を注文していたが、持ってきたのはひび割れのある材料だけ。やむを得ずそれを手に入れて、作業を始めていたというあたりだ。
![Img_9243small Img_9243small](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/4d/e244d5b67acda44f4e8ca296f8510674.jpg)
↑ この部分だ。初めは裏側に亀裂が入っており、日時が経つことで表面側にひび割れが拡大してきた。この割れ目がかなり深いために、隙間にボンドを注入することが出来ないし、途中は充填されずに空洞になってしまう。従って、この部分を無理矢理割って取り払った。その後に木工用ボンドを全体に塗ってクランプで締め付けているところだ。
そもそも能面(仏像もそうだと思うが)材料はひび割れが出来ることが多い。木の切り口が乾燥すればそこから割れてくる。そのため、材料の切り口には最初からボンドを塗って紙を貼り付けている。切り口が乾燥しないような工夫がされているのだ。「雷 その1」の写真にもその辺が写っている。貼ってある紙をはがしたところが見えると思う。
材料にひび割れがある場合、どの位置に向けて使うかも制作者の知恵が必要なのだ。作業で削り取られる位置に向けるのが一番良いが、必ずしもそんな都合の良い場所にひび割れが向くとは限らない。本来、材料の裏表は決まっており、それに合わせた場合に具合が悪い場所にひび割れが来るときには、裏表を逆にしたり上下の向きを考えたりする。そして出来るだけ影響が少ない位置に面取りをするのだ。
今回も影響が少ない部分にひび割れを持ってきたつもりだったが、それでも大きく支障が出た。ただ、そんな事態にもめげずに彫り進んでいくのが「(自称)能面師」なのだ・・・
良い材料があることは知っている。ただ、ちょっと高価だからなかなか手が出ないのも事実だから、不満があるなら「高くても良い材料を買って使えばよい」だけなのだが。
ちなみに今の「雷」を彫ろうとして下のリンクの材料店で買えば、「上材」で一個11000円以上、「並材」でも一個9000円近くになるのだ・・・・うーん高い。
http://www.maedamokuzai.net/noumen01.html
http://homepage3.nifty.com/tokyo-ikeda/chokoku.htm
これは参ったな。