わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

鼻瘤悪尉 その8

2015年01月27日 | 能面

髭を付けたところ。鼻ひげと口ひげは、これまで使っていた余りの材料を使って作り上げたもの。また、あごひげは、これまで使っていた材料とはちょっと違う材質のようだ。というのも、このあごひげの材質が、従来の「馬のたてがみやしっぽ」と違うのではと感じるのだ。これはたしか、前に、誰かに貰ったものがそのまま使われずに残っていたので、今回はそれを使った。

こいつはずいぶんとツヤがあって、ナイロン製と言われても勘違いするほどの質感があった。そのため、髭一本を作るのに、0.1mmより細い材料を10数本をまとめて根元を糸で縛り、木工用ボンドで固めたのだが、うまく浸透しない。乾燥してもきちんと固定されていない気配があるのだ。この方法はこれまで普通に行っていた手法であり、鼻ひげや口ひげではうまく出来ていた。それで、あごひげだけはちょっと材質が違うのでは・・・と感じたところ。

今回作った髭の類で、手持ちの材料はすっかり無くなった。従って、このあと、髭が必要な能面を彫った場合は、新しく「髭の材料」を入手する必要が出てきたが、まあ、そのときはその時だろう。

いずれにしても、見た感じではうまい具合に髭は出来上がった。髭の総本数はなんと44本だ。それ以外にも、眉毛や薄い頭髪も墨で書き込み、一応は作業が終了したところ。

というあたりで、今日で能面教室の課題である「鼻瘤悪尉」と、能面塾の課題「大飛出」が完成した。今後の予定は、2月の能面教室では完成した「鼻瘤悪尉」を持参して、今年度の教室での作業を終わる。また、能面塾では、完成した「大飛出」は、あえて持って行かないで、新しい課題(まだ決めていない)を模索するつもり。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鼻瘤悪尉 その7

2015年01月23日 | 能面

12月上旬に紹介した鼻瘤悪尉であるが、これもいよいよ彩色に入ったところ。写真は12月の時点と同じものだが、この状態から彩色を進めているというあたり。彩色は大飛出と同時に行っているので、1月15日前後から始まっている。もちろん裏側から彩色を始めているので、この部分は見えない。

裏側は、黒と茶色の「工芸漆」を混ぜており、落ち着いた色合いになっている・・と自分では思っている。ただ、この裏側はそのまま塗っていくと、つるつるになってしまう。かの先輩は、ここをざらざらにして、つや消し状態にしており、これが良いと言っている。で、この手法は聞いているのだが、それを実行してもうまくつや消し状態には出来ないのだ。このところが、いわゆる「腕前・テクニック」というあたりなのか・・・

さて、表面を彩色したところ。今回はこの色にした。もっとも、参考とするカラーコピーとは若干色合いが違っているが、これはやむを得ないだろう。ただ、先生の参考作品はカラーコピーに近いので、工夫をすれば似てくるのかも知れない。また、完成してからの年数も経年劣化で色具合の変化に関係するから、彩色直後の色合いと数年後の色合いは同じでないことも事実だ。

ここまで出来れば、このあとは薄い毛髪を書き込むだけだ。この場合は、墨を使ってもOKである。大飛出では金属粉を使った「金泥」を使ったため、色の乗りが悪かったが、鼻瘤悪尉は上塗り部分は胡粉のままだから、色がしみこんで具合が良い。そのため墨だけできれいな黒色が発色する。

さて、ここから完成させるには、「ひげ」を付ける必要がある。このひげがまた大変で、細い馬の毛を、10数本束ねて1本の髭にする必要がある。この髭が、鼻瘤悪尉には30本以上必要なのだ。これを作るのも気合いが必要だ。根気と気合いがなければ、たくさんの髭は出来ない。ただ、最近は根気に欠けている気配があって、あまり「乗り気にならない」のだ。うーん。これは残念。

と、愚痴を言いつつも、こいつを完成させるためにも努力をすることになるのだ。ま、期限は3月に行われる成果発表会に間に合えばいいか・・・・・

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大飛出 その6

2015年01月23日 | 能面

大飛出もいよいよ彩色が始まった。いつものように下地を胡粉色、いわゆる白で塗っている。そのあとは肌色で塗ったのだが、実はこれは深く考えて決めていた色ではなかった。というのも、この能面の表面は、金色(金泥)なのだ。従って真っ白のまま数度塗り重ねても問題はないところ。

何を思ったのか、この色が表面の、色仕上げの色と勘違いをして、わざわざ「肌色」を作って塗っていたという話。もっとも、これはこれでも間違いではないのだが、あえて肌色にする必要もなかったと言うのが真相だ。

まあ、色々あったものの取りあえず困ることは特になく、このように仕上がったところ。表面は金泥を塗ったためにGoldとなった。ただ、この上に更に色を付けるのは、ちょっとやっかいなところ。というのも、金色は「金属粉」のようなので、この上にきれいな色が乗らないのだ。従って、頭髪や眉毛、髭のたぐいを「墨」を使って黒色にしたが、色がはじいてうまく乗らなかった。やむを得ず「薄めたにかわ液」を混ぜたのだが、それでもうまく行かず、何度か重ね塗りをしてごまかした。

実は、1個目の大飛出を見たら、黒い部分がうまく描かれている。で、思い出していたところ、どうも墨ではなく、黒の絵の具を使って「薄めたにかわ液」に混ぜて黒色を出していたようだ。これがうまく行っていたらしく、きれいに描かれていた。

今回は残念ながら、その手法を思い出したのが「墨で描いたあと」だったので、しょうがない。また、丁度運悪く黒の絵の具が見あたらなかったから、恐らく前回の大飛出で全部使ってしまったようだ。

ということから、長く経験していたはずの能面製作においても、いまだに失敗している部分がまだ起きているのだ。更には、1個目と2個目を比較してみたら、今回の2個目の出来具合が悪かった。いわゆる、仕上げの追い込みが弱く、もっときっちりと彫り込む必要があった気もする。「このぐらいでいいか」的な気持ちがあって、気合いが足りなかったのかな・・・と、完成してから反省しているところだ。

この「大飛出-2」は、能面塾での課題だったから、今日完成したことで取りあえずはおしまい。次の課題はまだ決まっていないので、次回の塾の日でもある2月11日までには決める必要があるのだ。しかし、しかしだ、今のところ「これを作りたい!!」という意欲がさっぱり出てこない。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大飛出 その5

2015年01月11日 | 能面

大飛出に真鍮板加工の眼球を付けてみた。今回は、鼻瘤悪尉のような「奥目」ではないから、比較的加工が簡単と思っていたが、それなりに手こずった。

この大飛出は、名の通り眼球が飛び出している。そのため、眼球の曲面の形が深いのだ。また、1個目の大飛出の眼球は、図面上も大きかったので幾らか深い形でも、何とかうまくできたが、2個目の今回は目が小さい上に深い。それでも何とか作ってはめ込んだというところ。

このあとは、前にも書いたが来週にある「能面塾」に持って行き、点検を受けた後に彩色に入ることになる。

2個の能面が、彩色の準備に入ったところが下の写真。

これが完成するのはまだ後の話だが、取りあえずは次の作業の準備は出来上がったというところ。

それにしても、居間の大きいストーブが故障して、補修部品待ちになっている。8日からの数日間は予備の「反射板ストーブ」でしのいでいるが、3連休が災いして部品の入荷が遅いのだ。この北国の厳冬期にほぼ1週間も暖房機なしで過ごすのは、大変厳しい。

日本で最高の積雪(5m以上)を誇る「酸ヶ湯温泉」を抱える当県では、適切な暖房器具のない生活など、異常な生活環境とも言える。

高齢者にはかなり厳しいね。うーん耐乏生活か・・・

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大飛出 その4

2015年01月05日 | 能面

平成27年が始まった。

里帰りや帰省などで、少なからずの家族と大晦日やお正月などを無事過ごし、静かな日常が戻ってきたところでもある。と言うことで、ほぼ完成していた「大飛出パート2」をしみじみと眺めつつ、幾分の修正などを加えていたところだ。

表面は見たとおり、紙ヤスリを使って滑らかにしている。よく見ると、割れ目や裂け目の修正部分がたくさんあるものの、うまい具合に接着出来ている気配だ。それ以外は概ね「良い」塩梅なので、まあこんなものかな?従って、今後は「眼球」部分の真鍮板加工を行い、ぴかぴかと光る目玉を入れると完成する。そこまで行けば、能面教室で作っていた「鼻瘤悪尉」と共に、2個同時の彩色を行い、完成することになる。

ただ、今回手がけている2個の能面は、仕上がり予定は2月を考えていたので、まだ時間があることを踏まえ、若干の裏彫りの手直しや表面の細かい細工などをする予定。恐らく、2月上旬の能面塾あたりまでには、それぞれが完成するだろうから、その頃には出来上がった能面を持って行けそうだ。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする