髭を付けたところ。鼻ひげと口ひげは、これまで使っていた余りの材料を使って作り上げたもの。また、あごひげは、これまで使っていた材料とはちょっと違う材質のようだ。というのも、このあごひげの材質が、従来の「馬のたてがみやしっぽ」と違うのではと感じるのだ。これはたしか、前に、誰かに貰ったものがそのまま使われずに残っていたので、今回はそれを使った。
こいつはずいぶんとツヤがあって、ナイロン製と言われても勘違いするほどの質感があった。そのため、髭一本を作るのに、0.1mmより細い材料を10数本をまとめて根元を糸で縛り、木工用ボンドで固めたのだが、うまく浸透しない。乾燥してもきちんと固定されていない気配があるのだ。この方法はこれまで普通に行っていた手法であり、鼻ひげや口ひげではうまく出来ていた。それで、あごひげだけはちょっと材質が違うのでは・・・と感じたところ。
今回作った髭の類で、手持ちの材料はすっかり無くなった。従って、このあと、髭が必要な能面を彫った場合は、新しく「髭の材料」を入手する必要が出てきたが、まあ、そのときはその時だろう。
いずれにしても、見た感じではうまい具合に髭は出来上がった。髭の総本数はなんと44本だ。それ以外にも、眉毛や薄い頭髪も墨で書き込み、一応は作業が終了したところ。
というあたりで、今日で能面教室の課題である「鼻瘤悪尉」と、能面塾の課題「大飛出」が完成した。今後の予定は、2月の能面教室では完成した「鼻瘤悪尉」を持参して、今年度の教室での作業を終わる。また、能面塾では、完成した「大飛出」は、あえて持って行かないで、新しい課題(まだ決めていない)を模索するつもり。