わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

弱法師2 その1

2021年09月15日 | 能面

9月も半ばを過ぎた頃、お面の具合はどうなのか?

これまで2個ほどの大きめのお面を彫っていたが、だんだんと体力や気力も衰えて来つつある今、少ない気合いでも彫っていける程度の、小型のお面に着手しているところだ。それが下のお面。「弱法師(よろぼし)」だ。もっとも、今年度の能面教室の課題としてすでに1個は彫り終えており、それに続く第2弾でもある。今回はその2個目に挑戦しているところだ。

今回は弱法師だが、この手の小さい材料を3個分仕入れしており、予定として次は「大童子(おおどうじ)」「邯鄲男(かんたんおとこ)」と続くことになる。

さて、下は3日の結果。作業開始も3日であり、なぜか一日でここまで進んでいる。普通であればここまでは3日程度の日数がかかるところ。

下は5日だ。上の写真から2日後には、ここまで進んだ。この段階ならすでに完成度は60%あたりだろう。で、額(ひたい)部分に何やら怪しげな陰が見えるのだが、実はこれは「ふし」だった気配。表面から見えない部分に節が埋まっていたところ。

下は9日だ。額部分の節を取り除き、木片で埋め込んだり補修剤を使ったりと、これだけでも一日がかりになる。ましてやきちんと乾燥していなければ具合が悪いから、仕上げまでは数日がかかる。そのため、ここまで来るのに乾燥を含めて4日間かかった。

このあたりの仕上がり具合は、おおむね80%程度かな。もちろん数回の裏彫りをしているので、その時間も含むことになる。

さて、下は12日の姿。もちろん素彫りの完成だ。今回は目が見えない男性の顔ではあるが、閉じた目の部分も一応は細く彫っており、裏側まで貫通させている。これは、能舞でこのお面を付けた場合、前が見えないと困るので、舞手が正面が見えるるようにする必要があり、穴を開けているという話らしい。

今回も2週間弱で完成しているから、この手のお面の作成期間は「ほぼ2週間」と考えても良い。これが早いか手抜きをしているのかは評価の分かれるところではあるけれど、慎重に作業を進めるなら1ヶ月程度はかかる仕事だ。

以前にも書いたが、個人的な「暇つぶし」や個人的な「満足感」で納得するなら、この程度の仕上がりでも「まあ、いいっか」である。

上は、前回の報告で「真鍮の眼球を取り付ける」と宣言をした「雷」と「小べし見」の、眼球をはめ込んだ完成した姿だ。これは8月26日の写真なので、このあたりで作業が終わったのだろう。

 

次の課題は「大童子」だが、今日からすでに作業は始まっている。