上の写真は17日だ。さて、天狗も大詰めに来ているところ。前回の紹介は、天狗の鼻をタダ乗っけていたところだったが、今回はきちんと接着する場面から始まる。
このように、事前に作っておいた鼻の部分を本体に接着する作業は、実は簡単で単にボンドでくっつけるだけ。ただ、継ぎ足した冠(かんむり)のところも同様だが、単に水性ボンドを塗るだけではなく、鋸屑とボンドを混ぜて、いわゆる「補修材」を作り、それを接合部分に薄く均等に塗ってから、接合する手法を使った。こうすると、余計な隙間がきちんと埋まって具合が良い・・・という目論見もある。
で、上のように紐で結んだ状態で一晩おいたところから、おもむろに整形作業を始めた結果が、下の写真だ。
上の写真は、19日のもの。こうしてみると、てっぺんの冠部分や鼻の接合部分をうまくごまかして、苦労した結果が分かる。ただ、冠も鼻の接合部分もきちんとした見本がないところで、自分なりに考えつつ整形をしているために、そもそも見本無し、図面無しと言う制約もあって、元にした写真とは若干と言うよりはかなり違ってしまったのも事実。ただ、他の人にはうまい具合に出来上がっているように見えるだろう。
ここまで来るのには、意外と時間がかかっている。確かに順調に作業は進んでいることも事実なのだが、後半に入ってからは見た目ほど進まなかった。これは細かい作業が中心になり、毎日2時間以上も作業をやっていたにもかかわらず、表面的に大きく変化しなくなったのが理由。もちろん、深くなった裏彫り作業も入っているし、また、きちんとした図面がないために「試行錯誤」の時間が大きく取られているのだ。それらを考えれば、まあ進み具合としては妥当なところと言えるのかも知れない。
ということで、上の写真段階からは、額のしわ部分を彫ってしまえば、一応これで素彫りは完成することになる。彩色の予定は、まだない。
今年もあとわずかになった。「福を呼ぶ大黒天」の完成時期を12月末に予定していたのだが、これが早めに出来上がった。そして、余裕が出来た期間に、これまた予定外の「天狗」を作る事とになったし、それもなんと今月には素彫りも終わろうとしている。いやはやずいぶんと頑張った時期でもあったから、あとの残り時間は、肩の痛みや腕の痛みを抑えつつ、休息に入ろうかな。