わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

天狗 その4

2015年12月19日 | 能面

上の写真は17日だ。さて、天狗も大詰めに来ているところ。前回の紹介は、天狗の鼻をタダ乗っけていたところだったが、今回はきちんと接着する場面から始まる。

このように、事前に作っておいた鼻の部分を本体に接着する作業は、実は簡単で単にボンドでくっつけるだけ。ただ、継ぎ足した冠(かんむり)のところも同様だが、単に水性ボンドを塗るだけではなく、鋸屑とボンドを混ぜて、いわゆる「補修材」を作り、それを接合部分に薄く均等に塗ってから、接合する手法を使った。こうすると、余計な隙間がきちんと埋まって具合が良い・・・という目論見もある。

で、上のように紐で結んだ状態で一晩おいたところから、おもむろに整形作業を始めた結果が、下の写真だ。

上の写真は、19日のもの。こうしてみると、てっぺんの冠部分や鼻の接合部分をうまくごまかして、苦労した結果が分かる。ただ、冠も鼻の接合部分もきちんとした見本がないところで、自分なりに考えつつ整形をしているために、そもそも見本無し、図面無しと言う制約もあって、元にした写真とは若干と言うよりはかなり違ってしまったのも事実。ただ、他の人にはうまい具合に出来上がっているように見えるだろう。

ここまで来るのには、意外と時間がかかっている。確かに順調に作業は進んでいることも事実なのだが、後半に入ってからは見た目ほど進まなかった。これは細かい作業が中心になり、毎日2時間以上も作業をやっていたにもかかわらず、表面的に大きく変化しなくなったのが理由。もちろん、深くなった裏彫り作業も入っているし、また、きちんとした図面がないために「試行錯誤」の時間が大きく取られているのだ。それらを考えれば、まあ進み具合としては妥当なところと言えるのかも知れない。

ということで、上の写真段階からは、額のしわ部分を彫ってしまえば、一応これで素彫りは完成することになる。彩色の予定は、まだない。

今年もあとわずかになった。「福を呼ぶ大黒天」の完成時期を12月末に予定していたのだが、これが早めに出来上がった。そして、余裕が出来た期間に、これまた予定外の「天狗」を作る事とになったし、それもなんと今月には素彫りも終わろうとしている。いやはやずいぶんと頑張った時期でもあったから、あとの残り時間は、肩の痛みや腕の痛みを抑えつつ、休息に入ろうかな。

 

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天狗 その3

2015年12月10日 | 能面

作業を始めて一週間以上が過ぎた。この間、まじめに、ほぼ毎日作業を続けていたのでずいぶんと進んでいる。上の写真は今日10日のものだが、本格的に作業を始めたのが11月30日あたり。それを考えると、ほぼ8割方が出来上がっているようにも見える。ちょっと急ぎすぎている気配もあるが、毎日が暇なのでついつい集中するのだ。

実は、この天狗は裏彫りが深い。従って、そこを仕上げるのにも2日以上はかかっている。初めは木工用ドリルである程度の深さに穴を開け、それに従って叩ききノミで彫る。一段落したら表面の作業を進め、頃合いを見ながら更に裏彫りを深くする作業を行う。こうして、ある程度の深さに仕上げているところだが、先輩達は表面のぎりぎりまで彫るらしい。

本来は顔にかぶって舞い踊る「お面」だから、表面を薄く仕上げて重さを軽くする事が重要。ただ、こうした飾り面であれば、少々厚めに仕上がって重くなったとしてもそれほど影響はない・・・と言う理屈から、手抜きをしているところ。

さて、天狗の象徴でもある大きな鼻を乗せてみたのが上の写真。まだ接着はしていないので、今後も細かい修正が必要になる。実は若干大きな鼻になったから、もう少しスリムにする必要があろう。こうしてみれば、鼻を除いた部分はこれまで彫ってきた多くの能面にそっくりだ。それに、大きな鼻の部分を乗せればあら不思議、「天狗」の出来上がり。

ま、そんなことで作業全体はそれほど難しくはなかった。ただ、余りにもまじめに作業を続けているので、若干の肩の痛みや手首の痛みが出てきている。これは要注意でもあるので、気をつけなければ・・・・

というあたりで、今回はおしまい。

 

 

 

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天狗 その2

2015年12月04日 | 能面

さて、天狗の作業が進んでいる。上は12月1日の状態。型紙の図面を材料の上に転写したところだ。まあ、型紙を直接材料に張ってしまうのも手段の一つだろうが、普段からこのように図面を転写して作業を進めているから、これでも良い。型紙を張り付けても、結局は下の写真のようにすぐに削り取られるので、無駄な作業でもあるのが。

上は3日の写真だ。高さが不明なので、ノコで切り込む深さも過去に習っている。だいたい20mmほどを切り取って、80mm程度の高さにしておけば、後々困ることはないだろう・・と考えて、そのぐらいにしている。で、まあこのあたりから慎重に彫ることになるのだが・・・

削られた図面部分は、その都度書き込んでいかなければ、分からなくなってしまう。そのため、何度も元の形を書き加えながら、必要な形を保っていくことになるが、これはやむを得ない事でもある。ま、めんどくさいことには違いないが、これも作業手順の一つと考えれば我慢も出来る。

これは今日4日の状態だ。目の形や眉毛の部分が浮き彫りになってきた。特に、額の部分が見えてきたから、この部分はこれで良いと思う。ただ、眉毛はまだ半分しか彫っていないので、目の部分の形と一緒に整形しながら、恐ろしい「天狗の眼」に形を整える必要がある。

とにかく、横の形が最初から見えていないので、耳の形も不明、眉毛の末端の形も不明だ。もちろん、口元の下がり具合や深さも不明であり、このあたりは全体のバランスを見ながら彫っていくことになる。実は、書き込んでいる耳の形は、11月に完成した大黒のもの。しかし、原画の写真をよく見れば、どうもこの形でもない気配もあるから、もしかして耳を彫る時には形が変わるかも知れない。

と言う具合に、毎日の作業が順調に進んでいる状況である。

 

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