わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

一段落

2008年08月28日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog241 「乙」である。これは今年の課題であり、4月の開講日から作業を始めた能面である。もう8月の終わりだから4ヶ月がかかってしまった。ただ、教室の生徒が全員完成したわけではない。20日の進み具合からして、まだ仕上げ塗りあたりであろうし、最後まで出来上がってはいないはず。

これは、仕上げの後にも古色をかけて「完成品」にしたものだから、以降はいじる事はない。と言うよりいじられないのだ。このほかに、これまで作っていた2個の「乙」の彩色をしたから、今回は「おと」を3個作った事になる。

このように、今まで作ってきた彩色前の能面に、彩色を習った事で同時に色を付けていくため、同じ面がある場合は一度に複数の面が出来る事になる。やはり能面は色がついて「完成」だから、彩色前の能面は「素彫り」であり「未完成品」でもある。

Blog242

これは前に作っていたもので、口を閉じているもの。よく見ると口の中から舌をペロッと出している形だ。これが本来の形のようだが、見本の型紙をよく見ると口が開いているのだ。ところが、作例を見ると口を閉じていた。

どちらが正しいのかはよく分からないので、ためしに「口開け」を作ってみたという事も出来る。が、他の生徒は全員、口を閉じたものを作っていた。私が一人だけ逆らってみたのだが、先生も別に文句は言わなかったがね。

さて、今回のもう一つの彩色したものに「般若」がある。これは2ヶ月ほど前からブログに紹介していたものだから、見ている人は分かる。

Blog243 これがそうだ。これも古色や目玉の周りにすすなどをかけて「完成品」にしたものだ。26日にも書いているが、きのうで全部の能面に古色をかけ、すすを使って目の回りや鼻の穴などに仕上げの細工をして、5個の能面が完成したのだ。

4月から始まった一連の能面作成作業は、昨日で一段落した。ただ、教室の生徒が全員「乙」を完成させるのは、恐らく9月になる。したがって今のところ教室の動きや、次は何を作るのかなどはまだ未定であり、いくらかは暇になるはずだ。が、なんと私は次の作業を進めている。「獅子口」の彩色だ。

「獅子口」は前に作っていた大物である。しかも2個ある。これに彩色をするために、足りない色(金色)や材料を事前に準備していた。実は、裏面の塗りはすでに終わっている。上記の5個の面の裏塗りをしていたときに、まとめて色を塗っていたのだ。

その「獅子口」の彩色に今日から挑戦している。うーん。また充実した毎日が始まるのか・・


武悪4

2008年08月26日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog237 武悪の素彫りが完成した。今月の2日から作業を始めて、概ね1ヶ月だが、まあ順調に作業は進んだという事になる。今日は26日だが、本当は先週の終わり頃には素彫りの作業が終わっており、そのまま彩色に入っていた。

20日に行った教室では、それぞれの生徒が「おと」の彩色の初期段階が済んでいたから、私もそれに従って「おと」と「武悪」の彩色にかかったのだ。

武悪には面裏の色付けや胡粉での表面処理を行い、3個の「おと」にも仕上げの表面処理を施していた。更に顔には必要な毛描きを施して、能面らしく仕上げてほとんどが出来上がった状態になったのが、26日なのだ。

Blog239 彩色が終わったところ。本当は更に目玉の周りにすすをうっすらと塗っておかなければならないのだが、それはまだやっていない。明日やる予定だから、本当の完成は明日という事になる。

さて、「乙」も3面が出来上がっているが、古色をかける作業が残っている。これも明日行う事にしており、そちらの完成も明日だ。

実はもう一面作っていた。般若だ。これも彩色が完成しており、残るは古色をかける作業だけ。これも明日の作業予定だから、明日になれば5個の能面が同時に完成する事になる。こんなことは初めてだ。通常は1個づつ作っているので、完成も当然1個だけ。5個も作れば大量生産に見えるが、前に作っていたものが2個あったから、今回木彫りから始めたのは都合3個という事になる。それでも多い事には変わりはない。

4月以降の課題は「おと」だけだったが、合間を使って他に2個の面を作っていたという事。

Blog240 前に作った「武悪」(左側)と今回作った「武悪」(右側)を並べてみた。当初は面の彩色を「赤黒い色」にしようとしていたが、結局は似たような色になってしまった。もっとも、今回の方が幾分暗い感じがするものの、本に載っている色はいかにも赤黒いのだ。どうもうまく色が出せない。

赤に黒を混ぜると赤黒くなるはずだったが、真っ白い胡粉を入れるから、どうしても白っぽくなってしまう。それを見越して色を作っては見たものの、これしか出来なかった。

うーん残念。色を作る事には自信があったのだが・・・・まだまだ修行が足りないね。

完成した「乙」と「般若」は、次の機会に紹介するとしよう。


武悪-3

2008年08月17日 | インポート

Blog235 前回から1週間が過ぎたあたりの過程である。大きな違いは鼻部分がはっきりしてきたところと、耳の部分を彫ったところだ。また、表面の部分を紙ヤスリで削って幾分なめらかにしたことで、前回より更に能面らしくなってきた。

全体の形としてはほぼできあがったから、後は細かい修正をすれば完成になる。ここまで約2週間が過ぎたところだから、作業としては早い部類に入るのではと思うものの、毎日少しづつ作業をしているから、そうでもない気もする。

ただ、お盆の時期でもあり、孫が一週間ほど遊びに来ていた事などで、集中して作業をしていたわけではないから、目いっぱい仕事をしていたとは言い難い。

いずれにしても作業を急いでいるわけでもないし、「おと」や「般若」の彩色もそのままほったらかしている。したがって今後の作業予定としては、「武悪」が完成してから全部の彩色に手を付ける事にした。

20日は教室の日だが、乙の彩色はどうせみんなは裏塗りか上塗りあたりで止まっていると思う。が、早い人では完成しているかも知れない。次回の教室では、他の生徒の彩色の出来具合を確かめて、その上で「武悪」を完成させて本格的に彩色に入る事にしよう。


武悪-2

2008年08月10日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog233 9日の状態。作業開始からほぼ1週間ほどだ。形としては概ね出来上がっており、この後は細部の彫り込みが始まる事になる。このあたりから作業後の形はあまり変わらなくなる。大きな変化がない代わりに細かい作業が続くから、写真で見た場合にあまり変わって見えてこないという事だ。

この後の作業予定は、目をまぶたの奥になるような形に仕上げる事や、鼻の形、口と言うより歯の部分をはっきりとさせるなど、更に耳の形を作っていく事などが残っているから、それらの彫り込み作業をしこしことする事になる、従って、今の姿からは大きな変化が見られない。

この武悪という面は、比較的大きな部類に入る。私が作っている面で、今のところ一番大きな面は「獅子口」だ。縦23cm横17cmほどの大きさであり、大きい事から顔にかぶって能を舞うという事ではないようだが、私はよく分からない。WEBサイトにそれらの詳しい説明があると思うので、興味のある人はそちらを参照すると良いだろう。

調べるとまあ、いろいろな能面や神楽面があるようだが、私はそれらについてのいわれや歴史などは、余りよく知らないまま作っている。本当はそれではダメなのだろうが、めんどくさいという事もあり、そのままになっている。やはり歴史やいわれを知る事で、その面に愛着が出るのかも知れない。早い話が「いいかげん」なのだろう。

つづく・・・・


武悪1

2008年08月03日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog231 8月1日から「武悪(ぶあく)」を作り始めた。これは2日の状態で、大まかな削りが終わったところである。

ところで、武悪を作ったのは初めてではない。なんと2003年7月に一つ目を作り始めているので、5年ぶりの作品である。このときは一ヶ月ほどで完成しており、結構早い作業だったようだ。ただ、当時は彩色までやっておらず、実際の彩色が始まったのは何と今年の2月である。

この彩色については2月のブログに載っているが、やはり彩色のない能面は「素彫り」であり、完成品ではない。従って、この「武悪」は完成まで都合、4年半もかかってしまったという事になる。

Blog232 これは2月に彩色をした「武悪」である。一応これを目標に作業を進めていく事になるが、別に急いでもいないので、1ヶ月で完成する事はない・・・と思う。

乙の彩色もまだ残っているし、般若も作業途中だ。これらの彩色を進めながら「武悪」も彫っていく事になるので、あえて毎日作業をするとは思えない。もっとも、教室の生徒の進捗状況を考えると、彩色作業はまだ先になるだろうから、それらの事もあわせて、彫る作業時間は充分にある。

上の武悪の彩色は、失敗している。本当はもっとどす黒い赤なのだが、なかなかその色が出せずにいて、結局凄味のない色になってしまった。これだけ見ていればこんなものかと思うかも知れないが、自分も含めて仲間は他の作例を見ているから、「ちょっと違うな」という感想を持っているのだ。

今回の作品には、なんとか「どす黒い赤」を作って、それで彩色をしてみたいと思う。が、前回も失敗しているから今回も失敗するような気もするけどね・・・・ちゃんちゃん・・・と。