わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

喝食3 その1

2018年08月19日 | 能面

観音様が一段落をした後はお盆が過ぎるまで、少しの間作業を休んでいた。そのおかげで腰痛や肩の痛みも薄らいできた感じがあり、ぼちぼち作業再開をもくろんでいた時期でもある。従って次なる課題を決めて17日から作業を再開したところ。

で、次の課題は「喝食(かっしき)」だ。これは過去に2個しか彫っていないので、3個目に挑戦したというあたり。それと、材料の関係もある。

今回の材料は、実は先生からタダで貰ってきたもの。この材料は外に放置されていたもので、もちろん売り買いの代金を貰うにはいささか気が引けるほどの質でもある。いわゆる能面材としては売るには気が引けるし、買う人もいない程度の材質なのだ。それを「私なら工夫をして何かを彫ることが出来るだろう」という考えもあった・・のか、先生が私にプレゼントしてくれた。

この材料は外に放置されていたことで、両端の切り口もひび割れており、かつ盛大に「節」がありそうな気配だったが、両端を切りそろえてちょうど女面2個分を切り取った。ただ、良い材料とはほど遠い材質だったから、上手に活用することになろう。

下は参考にするお面だ。先生の作品で、これを元に図面も作ってある。今回はその手順を習って彫っていこう。

下は材料に図面を載せたところ。見た感じは普通に見えたので、一応は裏、表、また節(ふし)などの怪しい場所を考えて位置を決めた(つもり)。17日だ。

丸鋸やのこぎりを使って大まかな形を切り取ったのだが、あごの付近に何やら怪しい節(ふし)の姿が見えてきたところ。しかもちょっと大きめだ。これはまずいぞ。

下は同じ17日の午後の姿。あご付近だけと思っていた節(ふし)が、実は鼻の方向にも伸びていることが判明。しかもこれが眼のあたりにも伸びている気配だ。これはますます具合が悪いぞ。

18日になり、気合いを入れて彫り進んだのだが、結局は下の写真のような姿になったところ。これも単に節を取し去るためにドリルで穴を開けようとしたのだが、うまくいかずに結局は節の部分を摘出する羽目になった。これは大きい。

さらには、頭頂部にも節穴を発見。ここもドリルで穴を開けて補修材で埋めようと考えていた。

さて、節穴を補修材で埋めるつもりで眺めていたのだが、どうも穴が大きすぎると思い始めたところで、別の方法を考えた。埋め木をするのだ。そうすることで補修材を少なくしながら強度も保つことが出来る・・・はず。

上は「埋め木」を作り、取り去った節のくぼみに合わせてみたところだ。これならんんとかなりそうだし、目元のくぼみ程度なら補修材でもOKだろう。

上は、埋め木と補修材を組み合わせて「節穴」を補修したところ。これは作業から一晩経った19日の写真だが、同様に頭頂部の穴も埋めてある。それが下の写真で、これも19日の姿だ。これなら何とかなりそう・・かな。

さて、ここまでの作業は3日間で終わっている。通常なら1週間ほどもかかっている作業内容だが、なんと3日間。これは17、18日には午前2時間、午後2時間の作業を実施したことにより、作業の進み具合が早まったことによる。これは良いこと・・?

1日4時間の作業が2日間続いたが、実はこの影響なのか、腰、肩などの痛みが急速に増えてきた。これはまずいぞ。

もちろん、1日2時間の作業時間を厳守することが重要だったが、ちょっと体調が良くなった気分で無理をしたようだ。従って、さすがに今日19日は作業も1時間半で終了した。

昨日から天候も良くなったので、毎日のウオーキングも再開して体調を整えているつもりだが、ちょっとした油断から身体のあちらこちらに痛みが走ってきたぞ。

高齢者よ、要注意、要注意だぞ!!

 

 

 


明星観音2 その7

2018年08月04日 | 能面

気合いを入れて彫っていた観音様も、いよいよ終盤となった。6月中旬から彫り始めていたが、8月に入ってやっと素掘り完成のめどが付き、安堵をしているところだ。その様子は下の通りだが、素掘り完成までおよそ2ヶ月ほどかかったお面はほとんどない。あの、めんどくさかった「獅子口」ですら1ヶ月半ほどで出来ていたことを考えれば、まあずいぶんと頑張ったと言えるだろう。おかげで肩や手首の痛みは治まっていないのだが・・・

上は髪飾り(宝冠)の正面部分を仕上げたところ。それに若干下に向けた眼(まなざし)を表現したところだ。多くの観音様では、真正面を向いた眼はない。ほぼ全部が「下を向いた眼」であり、その表現が大切なのだ。また、口元も重要で、いかに慈悲深い表情を表すかが肝になる。

これは全体の姿だ。実はこの段階は7月に終了していたのだが、その後、紙やすりなどを使って表面を滑らかにする作業や、細かい修正などを行った事で、8月に突入したという具合。

上の写真はストロボ撮影ではなく自然光で撮影しており、観音様の陰影がよく見える。そのため、光にすかして眺めると、微妙な凹凸や彫り残しが発見される事が多く、微妙な修正が必要になった。それらも含めてここ数日は拡大めがねをかけながら刃幅1mmにも満たない自作の彫刻刀を使って、慎重に作業を進めていた。

これは今日4日の写真だ。耳たぶには穴が開いており、本当はそこに耳飾りが付いている。ただ、あえてその耳飾りをつけなくても見た目はわからない。それでもこだわりの一つとして今はそのパーツを別途彫っているが、耳たぶの穴と耳飾りの穴部分をどう貫通させようかと考えているところ。

 

今回は間違って、大きめの写真を貼り付けた。従来、写真はは400×400ピクセルだったが、今回は640×640ピクセルの写真になった。もっともこの方が見やすいのは承知しているものの、サイズが大きくなるとアップロードするときに時間がかかり、サーバーに負担がかかる。で、今回だけ試しに送信してみるが、具合が悪ければ再度書き直して再送信しようかな。