わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

小面5 その1

2017年08月25日 | 能面

「若乙2」のところにも書いたが、例の堅い材料である「けやき」を使った能面を、試しに彫ってみることにした。対象としたお面は「小面(こおもて)」である。女面であり、最初に学習するお面の一つでもあることで、初心者でも比較的簡単に彫ることができる入門用のお面である。

上の写真を手本にして彫っていく。愁いを含んだ若い女性のお面であり、入門用とは言え、能面彫りの技術的な基本がすべて入っている能面だ。

これは2011年8月の作品。その後にも一個、彫っているが、今回の作品は6年ぶりの小面になる。なお、最初に小面を彫ったのは2001年5月なので、ここから数えたらなんと16年も経っていることになる。いやー頑張っているね。

上の写真は22日だが、ここまで行くのにはすでに丸一日が経っている。従って、作業開始は21日頃かな。切り取った表面に、丸のこぎりの刃の跡が残っている。摩擦熱で焦げた状態だ。こんな事は、これまで20年近く使ってきたヒバ、あるいは檜などでは起きなかった状態だ。このケヤキはそれほど堅いという表れでもあろう。この状態にまで切り取ること自体が、大変な作業なのだ。さて、この跡、うまい具合に作業が出来るのかな。

タダでもらった材料の関係で、高さ(暑さ)が65mmしか取れなかったから、足りない部分には余った材料で補ったところ。ちょうど鼻の部分だ。また、周囲の丸い部分をのこぎりで切るのも大変だったよ。

上は24日だが、更に周囲をちょっとだけ図面に沿って彫ってみた。もちろん材料が堅いのは同じだから、これの作業も大変。のこぎりはまだしも、一般的な叩きノミで叩いても、これまでの青森ヒバとはちがい、とにかく堅い。「気持ちよく彫っていける」などにはほど遠い作業環境で、腕はしびれるし時間はかかる・・・など、とにかく大変な作業である事は間違いない。無理をしないように・・・

25日の結果。上の写真と比べてもかなり気合いが入っていることが分かる。この段階ではノミだけで、まだ彫刻刀は使っていないが、実は彫刻刀でも厳しい作業が予想されるのだ。とにかく、能面彫りを紹介している参考書にも「けやき」「なら」材は余り堅くて重いものは避けた方が良いでしょう」と紹介されているほどだ。

ということで、今のところは気合いを入れつつ、慎重に彫っているものの、彫刻刀を使った細かい細工に入ったら、にっちもさっちも行かなくなるかも知れない。もっとも、その状態になれば作業は中断し。苦労して製材した材料も捨ててしまうことになるかも知れない。

と言うところでした。

 

 

 

 

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若乙2 その4

2017年08月25日 | 能面

「若乙2」の素彫りが終わった状態。21日の状態だが、これでおしまいだ。表情も可愛いと思うから、まあまあの出来具合だろう。7月28日からの作業開始だが、概ね4週間で素彫りが終わったので、スピードもまずまず。ただ、作業工程が簡単な部類に入るお面とは言え、一ヶ月で完成すれば早いほうかな?

今後は、3個のお面を同時に彩色をする態勢が整ったので、その行程に進む事になる・・・と言う予定だったが、その通りに行動するとは限らないのだ。

と言うのも、知人に頂いた「けやき」という名称の大きな材木を、2~3日もかけて、能面サイズに自分で製材をした。これが大変。知人によれば「床柱」で使っていた木材をもらったが、私にもお裾分けをするという話があって、その一部を貰ってきたところ。

これが実に堅い木材だった。それでも、その材料を適当な能面材の寸法を測って採寸し、それを電気鋸を使って切ったのだが、その電気鋸(丸鋸)ですらウインウインと悲鳴を上げながら、やっとの事で切り取った。また、電気鋸で間に合わない深さの部分では、手で挽く一般的な「のこぎり」を使って切り取ったのだが、これがまた大仕事。

新品の鋸刃に取り替えて切ったのだが、一カ所を切り取るにのに30分もかかるほど、けやきの材質が堅いのだ。それを複数回繰り返し、3日をかけて能面材を6個切り出した。いやー大変な作業だった。

結局は、大きめの能面材料が4個、女面用の小さめの材料2個を切り出し、手元に残った。この、堅い材料を使って、うまい具合に能面が彫れるのかを検証するために、まずは女面サイズの一個を使って、実際に彫ってみようと考えているところ。

それが次回のブログだ。

 

 

 

 

 

 

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若乙2 その3

2017年08月16日 | 能面

前回は裏彫りをメインにお知らせしていましたが、その後にも裏彫りを行って、ほぼ、仕上げ彫りの最終段階まで進んでいます。

で、今回からはまた元に戻って、通常の彫り込みを紹介します。

上は11日の出来具合。このあたりまでは毎日の作業が行われていたから、順調に進んでいる。ただ、それ以降は「お盆」が始まって、孫連中が遊びに来たことから、作業はほぼ中止の様子でもあった。従って、上の状態でお盆が終わる今日まで放置をしていたという具合。

お盆も一段落し、遊びに来ていた孫達も帰って行ったことから、今日からは普通に作業が出来る環境に戻ったところ。

で、最初の行程はお面の表面を滑らかにすることだ。金属製のやすりを使って第一段階の削りを行い、一通りは滑らかにしてみたのだが、まだまだでこぼこもあって「第一段階」というところだろう。16日の作業結果である。

さて、こうしてみればほぼ8割方の完成度に見える。この後は目を彫ったり口の中を彫ったりすれば、概ね素彫りも終わりそうだ。で、それらの行程を今後2週間ほどかけてじっくりと行えば、予定とした8月中には終わると思う。

その後は前にも書いたが、出来上がった3個のお面を同時に彩色をして、完成することになる・・・はず。

 

 

 

 

 

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若乙2 その2

2017年08月06日 | 能面

今回は裏彫りの過程を主に紹介します。

1 8月1日の状態 電動鋸である程度を切り取ったところ。

2 8月4日の状態 上の状態から木工ドリル刃を使って、いくらか深く穴を開けて、そこを彫った状態。裏彫りの様子が分かる。

3 8月5日 上の状態から余分な周囲を更に彫ってみると・・・

4 8月6日 上の状態から、更に狭くなるように注意深く彫ったところだ。このあたりまで彫れば、何とか安心。

下は6日の段階だが、表面もかなり滑らかになっている。

このように、裏彫りだけでも結構な手間暇がかかり、大変な作業である事が分かる。

今後は主に表面の仕上げに入るのだが、これも大変なので手間暇はかかるものの、これが趣味だと言い聞かせて、作業は続く事になる。

 

 

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若乙2 その1 

2017年08月01日 | 能面

8月に入ったら、孫次郎と童子の彩色を進めようと考えていた。明日2日にある能面教室が過ぎたら始めるつもりだったが、数日間、何もしないでぼーっとしていた時に、手持ちの材料の寸法を考えながら「次は何を彫ろうかな」と、これまで彫った図面を引っ張りだして考えていたところだ。

で、ちょうどうまい具合に材料に合いそうなお面が見つかり、しかもまだ1個しか彫っていない。従って、次はそれを彫るか・・・というあたりかな。

そのお面が下の通り。名前は「若乙(わかおと)」だ。1個目は2015年4月に彫り始めているので、今回は2年ぶりの製作である。先生の見本と私が彫ったものを紹介しよう。

下は先生の彫ったもの。これを見本に作成することになる。

下は私が彫ったもの。見本とは若干違うが、まあ似たようなものだろう。

 

さて、7月25日から作業を始めたのだが、下は29日の状態。型どりをしてすぐに作業を始めたわけではなく、数日放置をしていたあとに実際の作業を始めたから、まあそんなところかな。

下は30日の作業結果。目のくぼみ部分を彫り、飛び出した特徴のあるおでこを強調したところ。図面から材料の表面に形を写して表情を見たところだ。可愛い表情にしたいので、気をつけなければ・・・

下は31日の作業結果だ。鼻の周囲や口元、顎の部分を彫ってみたが、これでも作業時間は1時間以上もかかっている。ちょっと堅い材料なので、結構作業は困難でもある。この段階では裏彫り作業の1回目も行っている。

下は8月1日だ。この日も作業時間は1時間半程度。堅い材料なので「作業がどんどん進む」というわけには行かず、せいぜい1時間半で疲れてくる今日この頃である。

 

当地では珍しいぐらいの暑さだった7月だったので、体調管理はしているつもりでも油断は出来ない。「お薬手帳」を見れば、ここ2年続けて8月の第1週目には、風邪気味になり、近所のクリニックで受診をして薬を飲んでいた。

今年もその時期が来たので、更なる体調管理に気をつけてはいるものの、こればかりは予想が付かないから「気をつける」としか言えないところだ。で、「気をつけよう」

 

さて、彩色は一時中断をして、この「若乙2」が完成したら、3個同時に彩色をすることにしよう。もちろん、この若乙の完成予定は今月中なので、8月下旬かそのあたりには彩色が始まる・・・予定。

 

 

 

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