わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

孫次郎2 その1

2016年04月26日 | 能面

「孫次郎」だ。次の課題と言うよりは時間つぶしのために作業開始をした能面である。

「生成り」と「蛇」が完成してちょっとしか経っていないが、連休を目前にして余暇を有意義に過ごす手段の一つという位置づけだ。上の写真は参考にした「三井記念美術館」のもの。これを元に型紙を作図して、それを元に彫っていくという具合。実は孫次郎は2個目だ。1個目はおよそ2年前に彫っているから、それも参考にすることになる。

上は4月22日の段階。前の日には丸鋸を使った作業を始めているので、翌日にはここまで作業が進んでいる。女面に限らずたくさんの能面を彫っているために、作業の手順はすっかり覚えている事もあり、どんどんと進んでいる様子。

25日だ。この間は数日空いているのだが、この間には老人クラブの総会や花見などもあり、作業を休んでいたところ。それでも大まかな形にしているから、表情なども見える。

で、これは26日だ。本来は1日でこのぐらい進むという見本。ここまでの作業日数は実質4日ほどなのだが、すでに半分以上も出来上がっているようにも見える。もちろん、裏彫りの第一段階は終わっており、このままやすり掛けをして表面を滑らかにすれば、7割完成と言っても過言ではない。

今回の課題も余り早く作業を進めたら、連休が終わる前に出来上がってしまうから、それはで具合が悪い。少なくとも能面塾がある日(5月11日)まで持たせないと、また暇になってしまう。ただ、同時に5月から能面教室も始まるから、そっちでも新たな課題が予定されており、別なお面を彫る計画になっている。

という具合で、相変わらず体調を考えつつ、毎日の趣味に精を出しているというあたりか。

 


生成り3その5

2016年04月20日 | 能面

最終段階に来た生成りだ。彩色を始めてから数日経った状態だが、これを更に進めていたのが下の写真。まあ、完成したお面だが、ここで終わることにする。

もともと、先週の土曜日あたりで完成するであろうと考えていたのだが、どうものんびりと作業を進めたことから、ちょっと先になったというあたり。20日に完成としよう。

これでもよく見ると、若干の手抜きが見えるのだ。もっとも、作った人でなければ分からないものの、その本人が言うのだから間違いない。

まず、角の部分。これは本来は円柱なのだが、横から見ると平べったく出来ている。この部分も気合いを入れて作れば、円柱になるところ。それをごまかして楕円形の柱になった。それに、顎に出来ているイボだが。これは別にイボではない。ちょっとした出っ張りらしいが、低い出っ張りはめんどくさいから、丸く削った棒を、短く切って張り付けたという、まあ手抜き工事のたぐいだろう。

それでも、古色をきちんとかけて、古さ具合を表現した。このあたりはまあ良いかな。

これは「蛇」。これも表面的には「うまく出来た」ように見えるところ。これについても丹念に良く眺めれば手抜くが見えるところ。

彩色段階では、表面の胡粉を均一にきれいに塗らなければならない。日差しにかざして透かしてみれば、結構でこぼこが見える。これは若干の水分を使って、表面をちょっとだけ溶かす感じで、そこを滑らかにする手法がある(らしい)。そうすることで表面が滑らかになり、つるつるになるそうだ。もとろん、「生成り」にしても同じ状態だから、表面もでこぼこは見える。

それこれあるものの、まあ一応は2個の能面が完成したというあたりだろう。

これまで、2ヶ月以上も暇つぶしと言うことでまじめに作業をやっていた。このあたりで一段落したから、ちょっとの時間を休憩します。ただ、すでに次の課題の作業は進んでいる。前にも書いたと思うが、「孫次郎」を彫る予定。すでに型紙を準備して、材料には型を写して、書き込んでいるのだ。

うーん、休む暇がない・・・・

 

 

 

 


生成り3 その4

2016年04月08日 | 能面

さて、前回からおおよそ一週間、表面の造作はほぼ完了したところ。顎の出っ張りや顔面の飾り部分も彫っているし、真鍮板で作った眼球部分の造作も出来上がった。

これまで一週間もかかったのは遊んでいたわけではない。結構まじめに毎日作業を続けていたのだが、拡大眼鏡をかけて細かい部分を修正したり、左右対称にするためのこまかい位置揃えなどに意外と時間がかかっていた。これらは良い仕上げをするためにも必要なので、ある程度の時間をかけていたところ。

これで一応は能面の表面は完成とする。今日は裏面に「砥の粉」を塗って、裏塗りの工芸漆が余計にしみ込まないようにしたところ。

これは、同時進行の「蛇」の眼球を真鍮板で作り、はめ込んだところだ。この蛇の眼球は、実は大変な部分なのだ。これに何日かかかった。本来は一日で完成するはずだったが、眼球の形を合わせる作業に時間がかかったと言う具合。

こっちの裏部分にも「砥の粉」を塗ったので、明日以降は2個の面を同時に彩色の作業に入ることになる。この作業にも数日かかるはずだから、最終的な完成は来週末あたりだろう。

ところで、新年度の能面教室を含む、各種の教養教室開講式は16日(土)に決まった。ただ、先生の都合もあって、実際の作業開始は5月連休が終わった後、第2週の水曜日からになったから、まだ一ヶ月近くの期間があることになる。その間の暇つぶしも含めて、ある程度は余裕だろう。

今のところは、小さい材料が一個手元にある。小面や若女などの女性用の材料だから、教室が始まるまでの間に暇になったら、「孫次郎」を彫る予定。

 

 


生成り3 その3

2016年04月01日 | 能面

今回の生成りにも穴があった。恐らく「節」なのだが、丁度このあたりに来るように位置合わせをしていたところ。節であれ穴であれ、とにかくは細工が簡単な場所に来るように、位置を決める必要がある。

今回は頭の部分だったけど、位置を逆にすれば顎のあたりに来ることになる。あるいは口の部分にかかるかも知れない。それでは細工にも具合が悪いから、あえてのっぺりした頭部分に持ってきたというあたりかな。このあたりの作業も経験が生きるという具合だろう。

これが補修材を埋め込んで、ある程度きれいにした様子だ。ここまで来るのに4~5日は経っている。というのも、今回埋め込んだ場所は結構深いので、内部まで乾燥するためにはそのぐらい時間がかかると言うところ。急いで整形した場合、乾燥の過程で埋めた穴の部分がへこむのだ。それを防ぐためには、その部分の補修材をわざわざ盛り上げたり、きちんと乾燥するまで作業を待つテクニックが必要。

それこれと見ながら、細部修正を行っていた結果が上の写真。4月1日の撮影だが、一応は口の中の歯はまだいじっていないものの、舌の具合も裏側と開通している。こうして見みれば大きな部分の仕上げ彫りは終わった。もちろん、裏彫りも第4段階を終えて、仕上げに入っているし、残すところは全体のバランスを見つつ、きれいに、滑らかにすることだろう。

さて、あと数日で素掘りが完成すると思うから、次の段階は真鍮板で作った眼球をはめ込む作業だ。これは「蛇」の眼球と同時に作ることになる。これにも数日を必要とするから、まあ来週あたりにはいよいよ彩色が出来るかも知れない。

 

新年度の能面教室は第3週か第4週の土曜日の予定。ただ、この日は「開講式」だけが行われるから、実際の作業開始は5月に入るかも知れない。まだまだ時間は十分ある。