今のところは能面作業を続けている。ということは、体調も全快ではないものの、一応の日常生活が支障なく行うことが出来るから、良しとしよう。従って、3日以降は近くの整形外科への通院は、一時中断という具合かな。ウオーキングを含めてリハビリは順調か。
で、能面の進み具合だが、まあ一応は一日1時間程度の作業という制限を設けているから、進み具合はよろしくないし、驚くことでもない。
上は18日だから、前回の写真(13日)から見ても余り進んでいないようにも見える。それでも眼の中、口の中の細工は行われており、全体的にも紙やすりを使って滑らかにするなどの仕上げは行われているのが見て取れる。特に口の中の作業では、裏側と貫通させ必要もあって、この作業に2~3日もかかることが通常だ。実に面倒な作業でもある。
さて、上は今日22日の結果。素彫りの完成だ。黒目の穴を開けたり、二重まぶたを彫ったり、額のくぼみ、ほほのくぼみなども仕上げて、更には頭頂部の割れ部分、右側の上唇付近にあった小さな節(ふし)も補修剤で埋めている。当然、裏側も一応の彫り込みは終わっているものの、ただ、裏彫りが若干浅いところもある。これは、この材料が硬めのものであったために、深く彫るのには大変な作業が必要だ。で、肩も痛いことだし、そのところは省略した。
これは「喝食(かっしき)」の時にも書いているので、結果、お面としては重量が重い。本当はこれは具合が悪いことなので、きちんと裏彫りを深く彫り、お面を薄く仕上げる事が重要。ただ、体調も万全ではないし、無理をすると再び体のあちこちが痛くなって、本当に日常生活にも支障が出る事も予想される。もっとも、品質の良いヒノキやヒバ材料を使うことで「楽に作業が出来る」事も事実だから、今回はお面が重くても良しとしよう。
上は「悪い材料」で彫った「喝食」「増髪」だ。大きな節穴、あるいは巨大虫食い部分も多く、かつ堅くて彫りにくい材料だったものの、「タダで手に入った」ことを考えれば、文句を言ってもしょうがない・・・というあたりかな。
最後に、上は彩色を待っているお面だ。左側は「童子」だが、実はこのほかに「猩々(しょうじょう)」と大物の「明星観音」があるのだ。計5個のお面が素彫り状態で、彩色を待っている。「猩々」はずいぶん前に彫っていたのだが、常時、太陽光にさらされていたことで彩色の剥離(はくり)が進み、表面がぼろぼろになっていた。今回はそれを全部はがして、改めて彩色を行うという段取りである。
予定では、次の紹介は彩色部分になるが、恐らく10月の中頃になるだろう。