わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

般若7

2007年11月26日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog137 久しぶりに般若の作業が進んだ。目を入れる作業である。この作業は、目の部分を金属板で加工し、光り輝く眼光を表すことで凄みを持たせる目的がある。一般的には金色の色をつけで済ませることも多いようだが、ここはこだわりを持って金属の持つ妖しい光で幻惑させようと言うものだ。

この作業は、真鍮板を加工して眼球の形に叩き出し、それをはめ込んで「眼」にするのだ。で、そのためにちょっとした道具も作った。

Blog138 これがその道具。たいした道具ではない。厚手の板に眼の形をしたくぼみを空けて、そこに長方形に切った厚さ0.4mmの真鍮板をあてて、先の丸い金槌で叩くと、眼球の形になる。それを眼の形に切り、更に、面に彫った眼の部分に合わせて整形していくと出来上がる。言ってしまえば簡単だが、能面の眼球と、真鍮版を叩いて作った眼球の寸法が、簡単には合わないのだ。

自分の目を想像してみると良い。そこにぴったりと合う形に、金属板を叩いて立体の球面を作る作業なのだ。しかも能面の眼球は楕円形で、奥眼なのだ。そこに更にまぶたが覆い被さっているから、斜め下から入れ込むような形に整形しなければならない。まん丸いのもを上からすぽっとかぶせて、完成ではないのだ。複雑な型の眼球に仕上げて、黒目のところに穴を空ける作業もあった。

まあ、作業そのものは嫌いではないのでどうって事はないが、忍耐が必要である。上手く合うまで根気よく叩いて、ちょっときつめに作った方が良いが、それが簡単ではないので大変なのだ。

台の左側に金属の棒が出ている。これは金床(かなとこ)のつもりで、余っていた金槌の頭を、グラインダーで丸く削って作ったものだ。真鍮版の曲面を修正する場合に使うために、自作したもの。こんな道具は売っていない。だから自分で作る。職人の原点でもある。必要な道具がなければ自分で作る。ま、DIY店で似たようなものを探せばありそうだが・・・

というところで、下地の胡分を塗ったあとに作業をしたものだから、はめ込みを合わせるのにだいぶ能面をいじったことで、汚くなってしまった。本当は下地を塗る前に眼球を作り上げた方が、作業としてやりやすい。眼のくぼみに合わせて金属を切ったりするよりも、金属に合わせて木の面を削った方が簡単なのだ。

ここ数日で、これまで作った3個の般若の真鍮製眼球を一気に作ってしまった。話を聞くと能面教室の生徒の中では、まったく作業をしていない人もいるようだ。まだ材料を買っていない人や道具を準備していない人もいるという。こんな連中と一緒に作業しているから、能面の完成までまだしばらくかかりそうだがね。

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