2018年4月28日(土) 2:00pm サントリー
オール・ワーグナー・プログラム
タンホイザー、序曲 14
ローエングリン、第1、3幕への前奏曲 8+3
Int
マゼール編 言葉のない指環 10-15-7-33
ピエタリ・インキネン 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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インキネン&日フィルのコンビによる一連のワーグナー物。今回はリングを中心に。
オーソドックスなスタイルで進むワーグナー、他作曲家作品のときよりも一段と確信、自信のようなものがみなぎる。正面突破の佳演。
中庸という言葉が浮かんでくるタンホイザーの序曲。舞台では1幕の半分を占めてしまいそうな勢いの序曲とヴィーナスミュージックを聴きたい思いもあった。今日は序曲のみ。
柔らかいアタックのタンホイザー、贖罪の舞台とはまた別の趣きでなかなか聴かせてくれました。
清らかウィンドの第1幕前奏曲、明るい弦パートのパンチ力がブラスセクションと火花を散らす第3幕前奏曲、ローエングリンのシルヴァーな色彩感が出ていましたね。
The Ring duration
R 4-2-2-2
W 4-2-9
S 2-5-0
G 11-1-2-19
マゼール編のリングは編曲箇所が少なくてほぼそのまま進むが、つぎはぎにやや違和感があるところも無いではない。
カミタソが全編の半分以上を占めていて、逆にジークフリートは薄い。
マゼール自身がN響を振って、この作品をやったことがある。
1397- 縁取り感覚にすぐれた演奏!リング・サイクル抜粋 初日公演、ロリン・マゼール、N響2012.10.19
1398- 全く弛緩しない演奏!リング・サイクル抜粋 二日目公演、ロリン・マゼール、N響2012.10.20
インキネンは既にリングを振っており、全てのみ込んでいるのだろうね。
対向配置でホルンセクションはかみ手サイド、ベースはしも手。
気張ることなく淡々と進む。場面転換は無いけれどもシーンの進行は明確にわかる。インキネンの頭の中も都度、切り替わっていっているのだろう。
間の取り方が過去の踏襲を感じさせないもので、指揮者が思うままに呼吸を感じてオーケストラ表現につなげていっているのだろう。なんだか、新しいマを感じました。
カミタソは大波小波とうねる。作ったものではなくてジワジワとナチュラルに、気がついたら大海の中にいる様相。やっぱり全部聴きたい。
ラインゴールドの頭のホルンをはじめとして、ブラスの精度がさらに欲しい。2回の演奏会、これを踏み台にドンドン積み重ねっていって欲しいもの、今後のインキネン&ワーグナー楽しみが増しました。
おわり