河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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1398- 全く弛緩しない演奏!リング・サイクル抜粋 二日目公演、ロリン・マゼール、N響2012.10.20

2012-10-23 21:23:00 | インポート

2012年10月20日(土)3:00pm

NHKホール
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ワーグナー作曲 マゼール編
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言葉のない「指環」~ニーベルングの指環管弦楽集
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ロリン・マゼール 指揮 NHK交響楽団
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前日に続いてお邪魔しました。若干時間が長くなったように感じます。
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ラインの黄金12分
ワルキューレ第1幕4分、第2幕4分、第3幕10分
ジークフリート第1幕3分、第2幕6分、第3幕なし
神々の黄昏 序幕ほぼなし、第1幕14分、第2幕3分、第3幕24分

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この日も満喫しました。
コンサート・オーケストラによるワーグナーは埃がなくていいですね。ベール一枚取れた感じのワーグナーサウンドで、N響の響きもグイッと上に持ち上げられ引き締まって快適。全く緩みのない、弛緩しないリング。
オケピットから鳴る普通のオケのちょっとふやけた、埃まみれのサウンドとは明らかに異なる。艶やかです。
ワーグナーオーケストラではありませんし、その節まわしが身についているとも言えませんがこのほうがかえって余計なしがらみがない清く正しい鳴りのような。
折り目正しい演奏というのはまさしくこんな演奏のことを言うと思いますよ。N響の特色でもあります。ハイドンとかを聴いているような錯覚。
ここでもマゼールの対応能力が光ります。ちょっと極端ですが、クリーヴランドと同じ方向性で整理整頓すれば答えが出るオーケストラですし。
10月13日のスクリャービンのコントロールから始まったマゼールの棒は、10月29日のチャイコフスキーの4番で開放されるはずです。コントロールと開放、たぶん素晴らしい演奏になるでしょう。
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それで、この指環なんですが、カミタソのプロローグはちょこっとだけしかでてきませんね、それにジークフリートの第3幕は全くないと思います。人間業とは思えない歌唱をしないといけない幕ですので管弦楽の材料は乏しい。
かたやカミタソのプロローグの方は、なにをやってるのかさっぱりわかりませんよね。
2002年にバレンボイム&ベルリン国立歌劇場が来日して指環を3回敢行するという、世界でもまれな公演を行いました。3回転12楽劇、全部観ましたが、あすこのパイプだらけのノルンとか、あれなんだったんでしょうね。あのプロダクションはクプファーがバイロイトでレーザー光線を使った1988-92年ものではなく、そのあとベルリン用に作ったプロダクションのはずですが、やっぱり冒頭はレーザー光線でしたがw
とにかくあの序幕、意味はわかりますが音楽のわけが分からない。うどん状態のオーディオ配線なみのわかりにくさで、もつれる音楽。あれを通り抜けないとジャーニーも葬送もないし、リング唯一の合唱にもたどりつかない。そして第3幕の抜けるようなホルン、引きずる第2幕、きりがありませんけど。ここはマゼールといえども編曲ではほぼ無視状態で正解かも。
関係ありませんが、あのパイプ・ノルンを見たとき、フィフス・エレメントのソプラノ歌手を思い出しましたね。
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話しがそれましたが、リングは登場人物、登場神様などあんまり大人数ではないのに、管弦楽だけというシーンはかなり制約がある。それだけずっと歌いっぱなしということなんですね。マゼールとしても編曲では、いっぱいいっぱいでしょう。
この編曲ものは4夜分順番につながっているというところがミソで、管弦楽集断片ものとは別物と考えるべき。派手なところになだれこまないよう巧みに編曲されていると思います。このような曲で一晩の演奏会を持たせるあたりマゼールにしかできない至芸だと思います。
おわり


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