河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2673- マーラー 9番、チョン・ミョンフン、東フィル、2019.2.20

2019-02-20 23:16:59 | コンサート

2019年2月20日(水) 7pm コンサート・ホール、オペラシティ、初台

マーラー 交響曲第9番ニ長調  27-15-13-26

チョン・ミョンフン 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団


→2/15
コンセントレーション、指揮者の作り出す音楽的集中力。音がコリコリと固まって隙間が無く、圧倒的な音響美が醸しだされる。

音が薄まるところ集まるところ、各インストゥルメント、パートの単旋律が音色旋律風に他のインストゥルメント、パートに次々に感染していく。パートからセクションへの広がり、音色旋律の拡大系の様な広がりの様相を呈していく。圧倒的な音楽のアヤであり指揮者の要求に応えるオーケストラは見事というしかない。それで、その、1インスタンス的な音色旋律進行の現象の塊が、別に2インスタンス、3インスタンス、と、複数あらわれてくるのだ。一見すると錯綜の様相を呈するのだが、それぞれのインスタンスが輻輳しあう。輻輳というよりかは、インスタンスを音で侵食していく感じ。響きの進行が風邪のようにうつっていく。
音色旋律の束が複数あって、お互いに音の浸食をする。これがGM9の際どい世界だ。

終楽章は少し振り向きパトス、過去を振りむき過ぎたのかもしれない。感動パトスがはびこる中、チョンの棒は、過去を振りむき過ぎたと思わせてくれたりする。つまり、マーラーとしてはもう1曲、作る必要があったのだ、と。
チョンの冷静で知的、光るセンス、大きく作品を見据えた棒は見事というほかない。応えるオーケストラは万全、細かいところまで練り上げられた演奏。マーラーの完成作品は、この先にあるのだと、思わせてくれるチョンの冴えわたる指揮であった。
ありがとう、本当に素晴らしい演奏。
おわり