河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1804- 馬あぶ、パガニーニ・ラプソディ、火の鳥、ラザレフ、日フィル、2015.6.6

2015-06-07 11:55:23 | コンサート・オペラ

2015年6月6日(土) 6:00pm みなとみらい

ショスタコーヴィッチ 組曲「馬あぶ」Op.97a  42′

ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲  26′
  ピアノ、伊藤恵

Int

ストラヴィンスキー  火の鳥(1945年版) 29′

アレクサンドル・ラザレフ 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団


馬あぶはお初で聴きましたが殊の外でかい曲で、結局、前半のプログラムだけで後半の倍以上という頭でっかちとなりました。
最初の馬あぶは解説にある通りの内容で、作曲家の描写音楽もその心的なものまで含めてよくきまっている。猛将ラザレフは闘士アーサーのごとき、激走、メランコリック、甘美、ぶ厚いサウンド、ストリングのシームレスなメロディー、印象的なサックス3重奏とハープの絡み、圧巻の終曲。ダイナミックで圧倒的な12曲42分でした。ショスタコーヴィッチの映画音楽を堪能したひと時でした。
日フィルはラザレフが振ると強靭なサウンドとなり、音が急に生き生きとしてくる。豹変と言えるほどの変わりよう。びっくりしますね。

前半2曲目の伊藤のパガニーニ狂詩曲。オーケストラは縦に炸裂、ピアノは横に流れていく感じなのだが、なぜか息がよくあっている。昨今の若手ソリスト、特にピアノでは、オーケストラ伴奏に乗せて弾くときと、カデンツァのようなソロ局面とで、あまりにテンポが違いすぎる演奏が多い。独りになると綿々と弾き始めるから、まぁ、こだわりは有っていいとは思いますが、テンポのちぐはぐさは曲の全体美に水を差すケースが多い。この点、伊藤はさすがと言いますか、ぶれないテンポで淡々と弾くさまは、自身の弾くピアノのあるべき姿を意識しつつ、それをわざとらしさ皆無で自然体で魅せてくれる。いいピアノでした。キュートな演奏でした。縁取り感覚はラザレフと似ているのかもしれない。


前半2曲でエネルギーを使い果たしたと思いましたが、後半の火の鳥、極太のサウンドが飛んできました。もうこうなると何も言うことは無い。1945年版はこれまで聴いたことがあるのかどうか覚えておりませんが、ここ2,3年で全曲演奏を何度か聴いているので余裕の受け入れ態勢です。10曲29分。

全部、満喫できました。ありがとうございました。
おわり