河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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1460- ヘルベルト・シュフ最高、リスト前奏曲、協奏曲第1番、サン・サーンス3番、準メルクル、N響2013.2.20

2013-02-23 10:47:00 | インポート

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2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちら
2012-2013シーズン
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2013年2月20日(水)7:00pm
サントリーホール
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リスト 前奏曲
リスト ピアノ協奏曲第1番
  ピアノ、ヘルベルト・シュフ
(アンコール)
バッハ - ブゾーニ編曲
コラール前奏曲「イエスよ、わたしは主の名前を呼ぶ」BWV639 
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サン・サーンス 交響曲第3番
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準メルクル 指揮 NHK交響楽団
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前奏曲はトランペットとトロンボーンがあまり品の良い鳴りの曲ではなくて、どうかなと思うところもあるのですが、なぜか好きな曲。感情を押込めたような冷たさのなかに、ときたまウェットに浮かび上がる心情のようなものが滴る。埃っぽい中にキラキラと。
N響の演奏は一言で言うと、非常にちからの抜けた力まない8分目の鳴りで、気張らない、余裕のあるさまがありありとわかる。そんな演奏だったように思います。なにの前奏曲かわからないが悟った様な清らかな演奏でよかったと思います。
メルクルはその情感の部分をねっとりと歌うことはせず、むしろテンポを速めながら流れるように歌う。見事な解釈だったように思います。このようなうねりはバルビローリの演奏が重なります。
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2曲目のコンチェルトとアンコール。ヘルベルト・シュフ、初めて聴く名、それに演奏。確信犯的な出し入れ操作。したたる詩情。冒頭からワンフレーズの中の空白を自由に動かしながらオタマを出しいれしている。かなり濃厚だが、作為的と思わせない詩情がある。ものすごいデリカシーと説得力。リストがショパンになった感じ。
こうなると作為というより、自身の自由な響きと呼吸を意識しながら表現行為をしているのはもはやこの耳に明らか。
柔らかく流れるのではなく、繊細なデリカシーが川面に漂っている。非常にユニークで説得力のある演奏でした。
アンコールでそれを推し進めて証明。なんたる詩情のバッハ。作品を愛しむさまは異常ともいえる。愛するものを愛する方から表現する。そんな感じ。
こうなると見事という言葉しか見つからない。自由な表現というのは、全てのことを表現するということではない。ある一面かもしれない、それでいいいではないか、素晴らしい感覚のバッハ。
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プログラム後半は、音が派手な割にはとりたてて演奏回数が多くない名曲。シンフォニーの構成、造りが浅い、浅いとはわからなくても皮膚感覚で底が浅いな、と実感しやすい曲。
メルクルは見透かしている。ここでも緩徐部分をうっとりとせず比較的速めに流しながらうねらす。ですので、もたれない。こうするしかない。
細い鉄筋の隙間からあちらが見えるような響きの曲で、オルガンもあるしピアノもあるし、それなりに楽しめました。
ところで第1楽章第2部は通常の第2楽章に位置する緩徐楽章風です。最初の弦の歌に続き、ブラスユニゾンがフレーズを繰り返します。ここ、見ていると、トロンボーンのトップとホルンの3番が二人でユニゾンしている。この二人の距離、推定7メートルぐらい。こうゆうところは現場で見てわかる醍醐味なのかなと。
おわり

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